日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆


宇宙を創る実験 (集英社新書)村山斉さん他12人による、ILCの必要性と、それを実現するために必要となる技術などが紹介されている本でした。

村山斉さんは既に他の本でも書かれている、望遠鏡で知ることのできない宇宙創世時の様子を調べる方法として、加速器が必要となることや、それによって何を知ることができるのか、コンパクトにわかりやすく解説されています。

その他の寄稿者は、ヒッグス粒子発見したCERN関係者からの寄稿や、日本に建造されることが予定されているILCと呼ばれる装置の利点と目的。そして、それを実現するために必要となる技術について紹介されています。

個人的に特に興味深かったのは、それぞれの専門家が一般向けに簡単に、ILCを実現するためにはどんな技術が必要になるのか、そしてそれを作る過程で生まれる技術は単に実験だけにとどまらず、これから多くの人たちに利益をもたらす可能性があることが紹介されています。

これまでに読んだ本では新しい加速器を使うと、こんなことがわかりますと説明されることはあっても、その詳細までは踏み込んでいませんでした。この本を読んだことで、それを実現するためには様々な技術的な課題をクリアすることが必要なのだと知ることができて、とても有意義でした。

この本が出版されたのが2014年末で、それから既に2年以上が経過していますが、ILCの建造計画がどうなっているのか、そして最先端の研究がどれほど進んだのか、もっと知りたくなりました。(^^)
必要十分生活~少ないモノで気分爽快に生きるコツ~お部屋掃除のモチベーションを保つために、隙間時間を使って断捨離系の本を読んでいます。この本も、その中の1冊です。

先に読んだ本との違いは、仕事、日常生活、情報、趣味嗜好という分類で、著者の実践している方法を紹介していることでした。仕事や日常生活の部分では、あまり参考になることがありませんでしたが、情報の取捨選択という点では考えさせられるところがありました。

毎日のように、こうやってブログを更新しつつ、RSSリーダーやニュースサイトなどの情報に目を通しています。しかし、その中のどれが不要かはあまり考えることがなかったので、この機会に情報の整理についても考え直してみようと思いました。またネット以外にも、テレビ番組の視聴について書かれているところが参考になりました。

個人的にはamazonプライム・ビデオを利用するようになり、見たい番組を録画して視聴するという方法は、無駄と手間が多いと思うようになりました。録画して視聴する場合、番組予約→CMをスキップしつつ視聴^^;という流れですが、プライム・ビデオだと予約不要でCMスキップの必要もありません。1日に1度、15秒程度のCMが視聴前に流れますが、この程度なら許容範囲内です。

amazonの他にも、Netflixやhuluなど、様々な配信サービスがありますし、配信会社がスポンサーとなって独自に制作している番組もあります。私は試したことがありませんが、スマホで視聴していた番組の続きを、自宅のPCで見ることもできるらしいです。こうなると好きな番組を見るのは、別にテレビでなくてもいいやと思えてきます。

話が本の内容から大幅に脱線しましたが^^;、この本の中ではこの情報編の内容が一番なるほどと思いました。
とはいえ、本の内容全体からみると、著者の考え方に共感できる部分は少なかったように思います。個々の内容はそれなりに興味深く読みましたが、現在の私の実情や価値観と一致しない部分が多かったからだと思います。
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -このところ部屋の本が増殖中なので、それを整理するモチベーションを得たくて、この本を手に取りました。(^^;

著者は出版社勤務の編集者で、かってはモノが満ちあふれた部屋で暮らしていました。それがミニマリストという考え方を知って、少しずつ部屋にあふれていたものを処分。そして今では、かなり少ない持ち物でも、満足して暮らしている方です。

本の中盤までは、モノを捨てるときの心理的な抵抗や捨て方についてのアドバイスが多かったので、自分もこのところ読まないけれど持っている本や、いつか読もうと思って積ん読してある本の一部を処分しようと思わせられました。

残念なのは、本の後半ではモノを手放すことによる幸福感や感謝の気持ちといった、なんとなく宗教っぽい雰囲気が漂いだしてしまったことです。現時点では、モノを減らそうとは思っても、著者ほど少ないモノで生活する気は全くないので^^;、モノを減らすという手段が目的になってしまっている違和感がありました。

でも、とりあえずこの本と出会ったことで、手近なところから少しずつでもモノを減らしていこうとは思えました。愛着のある作家さんの本とか、DVDでしか見られない作品を手放すことはできないかもしれませんが、なんとなく買ってしまった物を処分するきっかけにはなりそうです。(^^)
東南アジアなんて二度と行くかボケッ! (幻冬舎文庫)さくら剛さんの「東南アジアなんて二度と行くかボケッ!……でもまた行きたいかも。」を読み終えました。

中国を目指す旅も、インドを越えて東南アジアまで来ました。今回は冒頭からいきなり、著者が体を張ってました。(^^;
これまでの苦しい旅から一転、マレーシアのクアラルンプールにやって来た著者は、物が豊富で快適な生活を送ることになりました。そこで、だらけきった生活をしていた著者のお腹は、満月のようにまん丸くなってしまいました。

これではいけないと、著者はジャングルの奥地にあるタマンヌガラ国立公園まで出向きました。そこには著者を挑発するかのように、動物観察小屋に宿泊するプランが・・・。そこで著者は、何を血迷ったのか、その小屋に2泊することを決意してしまったのでした!!!

実際に現地まで行ってみると、そこは小屋とはいいながらも電気だけでなく、壁もないような場所でした!(^^;
夜になれば猛獣の声におびえ、蚊や虫の襲撃されて、案の定著者はさんざんな思いをすることになるのでした。翌日、小屋を出た著者は迎えのボートを頼むために、近くの村を目指します。でも、その途中で白人カップルと出会った著者は、無理矢理に洞窟探検に付き合わされることになってしまいました。

そんな苦労を乗り越えて、ようやく村まで到着したものの、既に夕暮れが迫っていて再びボートで動物観察小屋に逆戻りすることに・・・。結局、そこで著者は予定通り2泊することになったのでした。(^^;

過酷な宿泊体験を終えた著者は、いったんクアラルンプールに戻った後、タイへと向かいます。そこでなぜか、タイのムエタイ道場で修行することになったり、なぜか嵐のショーと間違えられて女子高生にモテモテになったり、宿で1日マンガを読み続ける堕落生活を送ったりした後、今度はカンボジアへと向かいます。

カンボジアでアンコールワット遺跡を見学していた著者は、そこで衝撃的な出会いを経験することになります。
この本の著者もかなり不幸体質だと思いますが^^;、なんとそれを上回る不幸体質の「野ぎくちゃん」と出会ったのです。

彼女は、みんなで食事に行けばなぜか彼女の頼んだものだけが品切れだったり、現地で買ったお土産をすぐになくしたり、夜行バスの後ろの席に座った人からゲロを浴びせかけられたりと、とにかくありとあらゆる不幸が野ぎくちゃんに集中して起きるのです。

著者自身の旅行記も、かなり笑えるものですが、野ぎくちゃんパワーはそれを越える笑いを提供してくれました。(^^;

というわけで、今回は著者もかなり体を張ってがんばっていましたが、一番インパクトがあったのは野ぎくちゃんでした!
著者の旅は中国へと続きますが、そこでも野ぎくちゃんが登場してくれないかな〜とちょっと期待してしまいます。
インドなんてもう絶対に行くかボケ! ……なんでまた行っちゃったんだろう。 (幻冬舎文庫)さくら剛さんの「インドなんてもう絶対に行くか!ボケ!……なんでまた行っちゃったんだろう。」を読み終えました。

前にインド旅行をした時に酷い目にあったのに、アフリカから陸路で中国を目指す旅の途中で、著者は再びインドを訪れることになってしまいました。

前作とは違い、今度はパキスタンの旅の途中から始まります。それも、引きこもり系のはずの著者が、なぜか氷河を見るために登山をしています。しかし、途中で筋肉痛になるわ、おまけに時期が早すぎて危険がいっぱいだわ、例によって著者の旅は悲惨なことだらけです。(^^;

そして著者は、再びインドへと踏み込みました。前の旅でインドでさんざんな目に遭ったので、今回はその経験を生かせるのかと思いきや、やっぱりどこまでいっても著者は著者でした。最初は前回とは違い、北インドではなく、産業が発達している南インドを目指すはずでしたが、途中のちょっとした手違いから、やけくそになった著者は自らデリーへと飛び込みます。

デリーも少しは変化しているかと思いきや、やっぱりデリーはデリーでした。(^^;
最初の約束以上の料金をぼったくろうとするリキシャ、そしてリキシャと連携している旅行業者やホテル、土産物ショップ。単にちょっとでかけるだけで、ののしり合いが始まり、それだけで精神的なエネルギーを削られそうです。

さらに著者は、ジャイプル、バラナシと著者の旅は続きます。そして、著者は最初の旅で遭遇したいんちき占い師とその客引きと再会することになりました。でも、著者は相手を覚えていても、毎日大勢の客をカモにしようとしている彼らは、運良く(?)著者の顔を覚えていません。そこで著者は、初めて会ったようなふりをして、2人をおちょくるのでした。(^^;

そして、さくら剛といえば忘れてはいけないのが下痢です。(^^;
今回はそれが少ないな〜と思ったら、超絶凄まじい下痢が著者を待っていました。おまけに下痢が治ったと思ったら、その後で屈辱的な癖になりそうな(?)惨事が著者を待っていました。

最後に仏陀が悟りを開いたとされるブッダガヤを巡って、ようやく著者の2度目のインドの旅は終わります。
前作もそうでしたが、こういう著者の体験を読んでいると、本当にインドには絶対に行きたくなくなりますね。(^^;
あらゆる手段で、旅行者からお金を手に入れようとする人々。そんな光景がインドから消えるのは、この国がもっと豊かになった時なんでしょうね。
さまよえる湖〈上〉 (岩波文庫)ヘディンの「さまよえる湖(上)」を読み終えました。

ヘディンの名前は、タクラマカン砂漠の探検記を子供の頃に読んで知りました。そこで紹介されていた、"さまよえる湖"という言葉がずっと印象に残っていました。それ以来ヘディンことはずっと忘れていたのですが、先日たまたま岩波文庫にヘディンの「さまよえる湖」が上下2分冊で刊行されていることを知り、読んでみたくなりました。

ヘディンは自ら提唱した「さまよえる湖説」を立証するために、中国奥地へと赴きました。この本では、その探検の様子が克明に記録されています。旅の準備から始まり、調査を進めつつヘディンたちは前進します。ヘディンの文章だけでも、読んでいて想像力をかき立てられますが、それ加えてこの本にはヘディンの描いた多くのスケッチや写真が収録されていて、自分もその場にいて一緒に探検しているような気分を味わえました。(^^)

探検の途中で、ヘディンたちは遺跡の発掘も行います。手厚く葬られた王女の亡骸を発掘したヘディンは、彼女がどんな生涯を送ったのか思いをはせたり、長き時を経て亡骸が星空に照らされる様子を描写したりします。冷静沈着に目的に向かいながらも、ロマンチストな一面も併せ持つヘディンの人柄の深さが感じられました。

上巻は、ヘディンたちが幻の湖ロプ・ノールへと続く水路を探す旅がメインでしたが、下巻ではどんな発見が待っているのか、続きを読むのが楽しみです。
インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも (アルファポリス文庫)さくら剛さんの「インドなんて二度と行くか!ボケ!!…でもまた行きたいかも」を読み終えました。

先に「アフリカなんて…」を読みましたが、その中でも言及されている最初のインド旅行のことが気になって、この本を読みました。

著者が同じなので当たり前ですが、ノリは「アフリカなんて…」と同じですね。でも「アフリカなんて…」と比べると、この本の方が文体に初々しさを感じました。(^^;

この本で描かれる、インドの真実(?)が凄まじいです。野良犬や野良猫でなく、当たり前のように野良牛がいたり^^;、旅行者と見るや、あの手この手で物を売りつけようとしたり、少しでも高く料金を請求しようとしたり・・・。
それに対して著者が怒りまくってしまうのに共感しつつ、あらゆる手段を使わなければ生き延びることさえ困難な、インドの貧困の現実が心に残りました。日本に暮らしている私たちは、なんと恵まれているのかと痛感しました。

それにしても、さんざんな思いをしたはずなのに、そのあと再びインドを訪れる著者も凄いですね。(^^;
グラフィックデザイン基礎講座-プロの現場のノウハウが全て学べるデザインの基礎を復習するために、読んでみました。

大きく6つに分かれた構成で、Part1でデザインの要素、Part2でデザインの構造と効果、Part3で構成の演習、Part4で文字を使った演習、Part5で図形と配色、Part6で実習例の紹介がされています。

Part1とPart2は、デザインの基本の確認といった感じでした。Part3〜Part5の演習例が個人的にはとても参考になりました。仕事で何か作る時、情報のグループ化がマンネリになりがちだと感じていたので、この本で紹介された例を見て、こういう方法もあるのかと勉強になりました。

Part6の実習例は、パンフレットやラベル、雑誌や書籍の制作工程が紹介されていました。制作の工程は参考になりましたが、例として紹介されたほどのものは作成していないので^^;、今の私には今ひとつぴんときませんでした。

本の内容としては、既に知っていることも多かったですが、知っているのと実践できるのはまた別だなあと痛感しました。
大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法気が散るものが多い中、どうやって生産性を高める方法を紹介した本です。

まず著者は仕事を、深い集中力を必要とするディープ・ワークと、注意力を必要としない補助的な仕事シャロー・ワークに分類しています。その上で、第1部では本当に生産的な仕事はディープ・ワークをしなければできないことを説明していきます。

第2部からは、その実践テクニックが紹介されます。個人的に興味深かったのは・・・

・ディープ・ワークに入る時間や場所を限定して、儀式化してリズムを作り出すこと。
・SNSは、それが本当に自分にとって有益なのか、貴重な時間を奪っていないか常に意識する。
・1日の予定をブロック単位でノートにまとめ、ディープ・ワークの時間を確保する。
・全ての活動の優先度を考慮する。
・ディープ・ワーク中の集中を乱されないために、連絡の取りにくい人になる。

・・・などでした。

この本を読んでいて気づいたのは、現在仕事で使っている自作ツールのほとんどが、あらかじめ予定を決めてプログラミングに取り組んでいた時期に作られたものだということでした。諸般の事情で、このところその時間が確保できていないのですが、新しいプログラミング言語に挑戦しては中途半端で学習を投げ出し、自分の生産性を向上させるツール作りができていないことに愕然としました。(^^;

この本を参考にしつつ、限られた自分の時間をもっと有意義に使えるように、改善していきたいと思いました。
アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!―…でも、やっぱり好き(泣)。 (幻冬舎文庫)さくら剛さんの「アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!…でも、やっぱり好き(泣)。」を読み終えました。

先に読んだ「アフリカなんて二度と行くか…」がアフリカ大陸を縦断と言いながら、大陸の半分くらいまで進んだところで終わっていて「あれ!?」と思ったら、その続きは別の本として発売されていたのでした。(^^; 元々の単行本では1冊にまとめられていたようですが、文庫化にあたり内容が分割されたみたいです。

「さくら通信」を聴いていると、汚いトイレについての話が時々あるのですが^^;(正直、聴いていてゲロゲロとなります)、アフリカ大陸縦断の旅の後半では、トイレネタが炸裂していました!(^^;
特にエチオピアのトイレ事情は、かなり凄まじいものでした。これから食事をしようという前には、この本は読みたくないなと固く決意したほどです。

そして旅は、エチオピアからスーダンへと移ります。ここで著者は、年下なのに著者よりもたくましくしっかりしている青年と出会ったり、エチオピアでの反動から食べたステーキが原因で食中毒になったり、相変わらずなとほほな日々を送っています。

さらにスーダンから、エジプトそしてアフリカを抜けて、イスラエルへと入ります。この間に、著者は何人かのアラブ人と知り合うことになりますが、なんだかよくわからない不審者のような著者も、彼らは温かく受け入れようとしてくれます。
そして、イスラエルで知ったパレスチナ人の死と隣り合わせの生活。著者の出会ったパレスチナ人がいい人ばかりだったせいか、イスラエル兵の横暴さ残虐さが際立っていました。

歴史的な経緯と政治的な都合。そしてテロとの戦いを名目にした殺人。この混沌とした悲惨な状況を解決する方法はないのかと、本を読んでいて心が痛くなりました。(;_;)

というわけで、基本はお笑い路線の旅行記ですが、最後にイスラエルの話があったことで、平和な日常の外側にあるものについて、考えさせられました。
アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!―…でも、愛してる(涙)。 (幻冬舎文庫)さくら剛さんの「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。」を読み終えました。

著者はこの本以前にも、「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」なども書かれていることは知っていました。(^^;
かなり前から、その本のことは知っていたのですが、なんだかはっちゃけすぎた内容だったので、著者の本は今まで読まずに来ました。

ところが最近、著者が放送しているPodcast「さくら通信」を知りました。そのPodcastは、可愛い女の子が描かれたイメージ画が掲載されていたので、萌え系のPodcastだと思って今まで聴いたことがありませんでした。(^^;

それがふとした偶然から、たまたまこのPodcastを聴いたら、さくら剛さんとトリカゴ放送の山本さんの掛け合いが絶妙で、聴きながら大笑いしてしまいました。それを踏まえて、さくら剛さんの本を読んでみたら、本の内容が著者の語り口で脳内再生されて^^;、かなり笑えることに気がつきました。

そうして手に取ったのが、この「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!」でした。本の内容は、付き合っていた(?)彼女が中国に留学することになり、それを追いかけるように著者も中国行きを決意しました。まっすぐ中国を目指せばいいものの、何を血迷ったのか著者は一番遠い陸路を経由して中国に行こうとするのでした。(^^;

そして気がつけば、著者は南アフリカ共和国にいたのでした。普通の人にとっても過酷な旅でしょうが、ひきこもりでインドア派の著者にとって、アフリカを縦断するのは苦行以外の何者でもありません。いきなり所持金を盗まれたり、野獣がいっぱいのサファリツアーに参加してみたり、とんでもない行程がそこには待っていたのでした。

大笑いして読みつつ、強盗・殺人は日常茶飯事なこの旅から生きて帰還しただけでも、著者は実は凄い人なんじゃないかと思いました。(^^;
終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF (634))ジョー・ホールドマンの「終りなき戦い」を読み終えました。

宇宙へと進出した人類は、コラプサー・ジャンプと呼ばれる航法を手に入れました。それにより、人類はより広く宇宙に進出していくことになりました。ところが、その過程で人類はトーランと呼ばれる謎の異星人と遭遇しました。こうして人類とトーランとの、長い戦いが始まったのです。

物語の主人公は、マンデラという青年です。彼はIQの高さや運動能力の高さから軍に選抜されて、トーランと戦うためのエリート部隊へと編入されることになりました。過酷な訓練を経て、マンデラたちはついにトーランと遭遇します。そこで彼らは、激しい戦いを繰り広げるのでした。

物語の最初では二等兵だったマンデラですが、物語が進むにつれて軍曹、少尉、少佐へと昇進していくことになります。
彼の主観時間では数年の出来事ですが、ウラシマ効果の影響でマンデラは若いのに、地球では何十年、何百年と経過しています。その過程で、地球に住む人々の価値観も様々に変化しています。人口制限のために、同性愛こそが正常で異性愛は問題がある世界になっていたり・・・。(^^;

この物語で独特なのは、マンデラたちの敵であるトーランの描写が異常に少ないことです。彼らが何を考え、何を目的として戦いを挑んでくるのか、マンデラだけでなく読者にもわからないのです。そして過酷な任務を終えて帰還すると、故郷はマンデラたちが知る世界とは異なる場所になっています。

未来に本当にこんな世界が訪れるのかわかりませんが、作品を読んでいる間ずっと戦うことの空しさを感じました。
エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))オースン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」を読み終えました。

地球は昆虫型の異星人バガーの侵攻を受けました。2回に渡るその進撃を、なんとか撃退した人類でしたが、3回目の攻撃に備えて、優秀な司令官を育成しようとしていました。

物語の主人公は、エンダーという少年です。この時代、地球では出産制限が行われていて、通常は2人までしか子供を持つことができません。しかし、エンダーの家系の遺伝子が有望であると認められ、特例として3人目の子供としてエンダーは生まれたのでした。そのことから、スクールではエンダーは"サード"と呼ばれて差別されていました。

エンダーには4つ年上の兄ピーターと、2つ年上の姉ヴァレンタインがいました。ピーターは自分が早々と適正なしと判断されて、司令官への道を閉ざされたことでエンダーを憎んでいました。対照的に姉のヴァレンタインは、何かとエンダーを気遣う存在です。

そんな中、エンダーが司令官を目指すためのバトル・スクールへ配属されることが来ました。そこでエンダーを待っていたのは、優秀な兵士を育てることに特化した非人間的な環境でした。しかし、そこでもエンダーは優秀な成績をあげて、仲間から注目される存在になりました。

物語のメインは、エンダーの成長とバガーとの戦いなのですが、単なるサブキャラかと思ったピーターとヴァレンタインも意外な形で物語に深く関わるようになるのが意外でした。

エンダーの行動を追う形で、さくさく読める作品ですが、優秀であればあるほど周囲から孤立してしまう育成システムの非情さが、読んでいて苦しかったです。

そして物語は、単にバガーとの戦いにとどまらず、戦争の倫理の問題へと踏み込んでいくところがよかったです。
今回読んだのは、古い翻訳のものでしたが、新しい翻訳も発売されているので、そちらではどんな感じなのか気になります。
やってはいけないデザインデザイン初心者向けに書かれた、平本久美子さんの「やってはいけないデザイン」を読み終えました。

この本は独学でデザインを学んだ著者が、素人にもわかりやすい言葉と見本で、やってはいけないデザインのポイントを解説してくれる本でした。

それなりにパソコンが使えると、会社などで安易にチラシやポスターを作ってと頼まれることがあります。でも、自分なりに考えて作ったはずなのに、デザイン的にぱっとしないものが出来上がってしまいます。

それはデザインの基本を知らないからなのですが、そこを著者は専門的になりすぎることなく、まずい例とよい例を比較して見せることで、素人にもわかりやすく手直しする方法を説明してくれます。

個人的には、このところデザイン系の本を何冊も読んでいたので、この本に書かれていることはほとんど知っていることでした。でも、この本に書かれていることが当たり前と思えるくらいには、自分のデザインの勉強が進んでいることが確認できました。(^^;

というわけで、この本の本来の目的とは違う形で読みましたが、それでも有意義な本でした。
航空宇宙軍史・完全版一  カリスト-開戦前夜-/タナトス戦闘団 (ハヤカワ文庫JA)今年最初に読み終えたのは、谷甲州さんの「航空宇宙軍史・完全版(1)」の後半に収録されている、「タナトス戦闘団」でした。

「カリスト - 開戦前夜 -」では、カリスト側からの視点だけから物語が描かれているので、相手の動きが読めずに緊張感がありました。「タナトス戦闘団」では、多少は航空宇宙軍側の動きも描かれていました。しかし、ダンテ隊長を中心とする現場の物語になっていて、上層部の動きや考えは想像するしかないところが面白かったです。

物語は、「カリスト - 開戦前夜 -」の最後で描かれたダンテ隊長の月への"出張"から始まります。地球との開戦に先立ち、外惑星連合は地球の後方攪乱のために、月にある工場の襲撃を計画していたのです。その事前調査のために、ダンテ隊長は月にやって来たのでした。ところが、現地で協力してくれるはずの駐在武官・柏崎中佐はなぜかダンテ隊長に非協力的な態度です。

実戦部隊を指揮することではエキスパートのダンテ隊長ですが、諜報に関しては完全にアマチュアです。あっという間にダンテ隊長は、航空宇宙軍の警務隊に拘留されてしまったのでした。自白剤を用いた過酷な尋問が行われましたが、ダンテ隊長はそもそも重要な情報は握っていません。現地での協力者の存在を突き止めたところで、ダンテ隊長は解放されたのでした。

副隊長のランスに救出されたダンテ隊長でしたが、今回の計画があまりに不可解なことに疑問を持ちました。さらに尋問中に、自分たちが本来の目的を隠すための囮として利用されたらしいこともつかんでいました。密かにカリストに帰還したダンテ隊長は、新たな幕僚会議議長に就任したミッチナー将軍が、山下准将の指揮下にある陸戦隊を解散させるために今回の計画を実行したのではないかと気づくのでした。

しかし、やられっぱなしで引き下がるようなダンテ隊長ではありません。わずかな手がかりから、ダンテ隊長の協力者となったシャンティという謎の人物を探し出そうとします。その合間に、柏崎中佐のもとで航空宇宙軍との二重スパイとなった緒方優という女性もお話にからんできて、物語により奥行きが出てきます。

そしてついに、外惑星連合は地球に対して宣戦布告します。それと同時に、外惑星連合の艦隊、そしてダンテ隊長率いるタナトス戦闘団の活動が開始されるのでした。

巻末の解説にもありましたが、この「タナトス戦闘団」は冒険小説的なのりで楽しめる作品でした。政略が中心だった「カリスト - 開戦前夜 -」と比べると、アクションシーンが多いですが、細部の緻密な描写や設定が物語に説得力を与えていると思いました。
続く第2巻では、また別の視点から物語が描かれるようなので、どんな内容なのか楽しみです。(^^)
航空宇宙軍史・完全版一  カリスト-開戦前夜-/タナトス戦闘団 (ハヤカワ文庫JA)昔読みたいと思いつつ、今まで読まずに来てしまった谷甲州さんの「航空宇宙軍史」が、大幅な加筆修正されて発売されたと知り、ようやく読むことができました。

今回の刊行では、従来2冊の本として発売されたものが1冊になって発売されました。そのため1冊の単価が1,000円を越ているのが、ちょっとお財布に辛いものがありました。(^^; でも、1冊の中に2冊分の内容が収録されているので、2冊の本を買ったと思えばいいかと割り切りました。(笑)

本来なら、1冊読み通したところで感想を書くのですが、2冊分の内容が収録されていることもあり、1冊読み終えるごとに感想を書こうかと思います。

物語の舞台は、2100年間近の太陽系です。その時代、人類は資源を得るために太陽系の外惑星まで進出していました。
開発が進んだ結果、外惑星はそれぞれに自治権を主張して、外惑星を支配下に置きたい地球・月連合との溝が深まっています。そんな中、外惑星は同盟を結び、経済的・軍事的にはまだ大きな差がある地球・月連合に対抗しています。

特に戦力の点では、外惑星は地球からのさまざまな規制により、大規模な宇宙船を建造することを許されていませんでした。航空宇宙軍が本気で外惑星を攻略してくれば、外惑星には勝ち目はありません。しかし、地球や航空宇宙軍からの締め付けが厳しくなる中、外惑星は密かに航空宇宙軍に対抗するための準備を進めていたのでした。

「カリスト -開戦前夜-」では、外惑星連合と地球・月連合との戦いが始まる直前の様子が描かれました。カリスト警備隊のダンテ隊長は、怪しげな取引をした男を宇宙港で追い詰めました。自殺を図ろうとした男の所持品から、外惑星連合の戦力に関する機密情報が発見されました。そこには、上層部の者しか知り得ない情報が含まれていました。

外惑星連合としてまとまっていても、それぞれの地球や航空宇宙軍に対する対応には温度差がありました。経済的に大きな力を持ちつつあるカリストやガニメデでは開戦派が主流となっていましたが、まだ開発途上で力の弱い土星のタイタンやレアは消極的な態度を取っています。

そんな中、航空宇宙軍のフリゲート艦がカリストを査察すると称してやって来ました。強大な武力を背景に、航空宇宙軍は外惑星連合の力を削ごうと目論んでいるようです。しかし、独立した自治権を持つ外惑星に航空宇宙軍がこのような査察を行うことは主権を侵されることになります。フリゲート艦が近づく中、外惑星連合はこれにどう対応するか、決断を迫られることになるのでした。

上層部を代表する登場人物として、エリクセン准将を中心に物語が描かれます。戦略情報部の代表であるエリクセン准将は、カリストでは数少ない開戦反対派でした。今の状況で外惑星連合が航空宇宙軍と戦っても、勝算はないとエリクセン准将は考えていました。しかし主流派の状況は、開戦に向かって動いていきます。それを回避するために、エリクセン准将は政府上層部に対するクーデターを計画していたのでした。

最初のクーデターは、航空宇宙軍の予想外の方針転換によって中止されました。エリクセン准将が提案した、地球・月連合への重水素の供給制限が予想外に地球経済に大きな動揺を与えたからです。地球側は、外惑星連合がこれまでに要求した9項目の要求のうち2項目を受け入れ、さらに他の項目についても話し合う余地があると通知してきたのです。

これによって、状況は大きく変わるかと思いきや、地球・月連合が提示した話し合いは、いつまでたっても開始されるめどが立ちません。会議のための日程さえ決まらないのです。今回このような提案をしたのは、地球・月連合が自分たちの経済を立て直すための時間稼ぎにすぎなかったのです。

それを察知した外惑星連合は、再び開戦に向けて動き始めます。そんな中、それでもエリクセン准将は、あくまでも戦うことを回避しようとします。そしてついに、クーデターを決行してしまうのでした。准将の率いる部隊は小規模ながら、ポイントを押さえた作戦で、政権の奪取に成功したかに見えました。しかし、状況は准将の思い描いたようには動きませんでした。

クーデターの実行で、幕僚会議議長であるダグラス将軍が殺害されたことで、見方に引き込んだはずの政治家の支持を、思った以上に得ることができなかったのです。自らの敗北を悟ったエリクセン准将は、カリスト防衛軍の今後を友人の山下准将に託して、自ら命を絶ったのでした。

クーデターの失敗により、前政権が復活すると共に、ダグラス将軍よりも好戦的なミッチナー将軍が幕僚会議議長の座に就くことになりました。その結果、外惑星連合は開戦へと向かって動き始めることになります。

というわけで、最初の1作を読み終えました。その感想は、もっと早く読んでおけばよかった!・・・でした。(^^;
近未来が舞台ということもあってか、作中のディティールが細やかで説得力が感じられました。個人的にツボだったのは、輸送船を仮装巡洋艦へと改装する計画の詳細が描かれていたこと、重水素禁輸という作戦を実行する前にそれが相手にどの程度の経済的な影響を与えるかをシミュレーションしていることなどです。

作戦の実施面をダンテ隊長の視点から描き、上層部の動きをエリクセン准将から描いていくという構成も、物語のスケールの大きさが感じられました。今回の完全版では、これまでに発表された作品ができる限り作中の年代に沿った形で刊行されるということですので、この先も楽しみです!(^^)

京大医学部の最先端授業!  「合理的思考」の教科書手待ち時間に気軽に読めそうな本だったので、何となく読んでみました。

正式なタイトルは「京大医学部の最先端授業! 『合理的思考』の教科書」という大げさなものでした。(^^;
そのタイトルから、テレビでも人気のある白熱教室系の内容かと思ったら、ごく普通のビジネス書に近い内容でした。
大きな違いは、著者が医療関係者ということで具体例として示されている内容が医療がらみのものだったくらいです。

第1章のイメージで物事を判断していないかに始まり、第2章では根拠の重要性を、第3章では数字のトリックの話、第4章は原因と結果の関係について、第5章では納得できる結論は人それぞれ、といった感じでした。

ざっと通読して気になったのは、一般向けの読み物のはずなのに説明抜きで専門用語が飛び出すことがあったり、ある考え方を提示しておきながら、その一部について説明の詳細をかなり先まで保留する必然性が感じられなかったり、情報の出典が大切と強調していたのに「日本の医療システムは諸外国のお手本になっている」と語る根拠が示されていなかったり、著者の表現を借りるなら内容的にかなり医療擁護というバイアスがかかっていると思いました。
宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 上ブライアン・グリーンさんの「宇宙を織りなすもの(上)」を読み終えました。

これまで宇宙に関する入門書をいろいろと読んできましたが、もう少しボリュームがある本を読んでみたいと思って、この本に手を出しました。まだ下巻があるので、ようやく半分を読み終えただけですが、それでもここまで来るのに毎日少しずつ読み進めて、約1ヶ月ほどかかりました。(^^;

この本では、第1部で空間とは何かを古典物理学、相対性理論、量子力学の視点から、それぞれを解説しています。解説の中で、アメリカでは有名なザ・シンプソンズのキャラ名が出てくるのですが、なじみのない作品なので最初はちょっと困惑しました。(^^;

第2部では、時間とは何かについて解説されています。第1部と同じように、時間を古典物理学、相対性理論、量子力学の視点で解説していくのですが、第2部の方が第1部よりも難解だと感じました。特にエントロピーが高い、低いという問題が語られている部分が、文章で読んでいるとどちらが秩序だっていて、どちらが混沌としているのか、見失ってしまいそうになりました。

第3部は上巻では途中までしか収録されていませんでしたが、第1部と第2部を元に時空と宇宙をテーマに話が進みます。
最初に登場したのは、対称性という概念でした。時間の進み方は宇宙のどこでも同じかのかや、膨張する宇宙はどんな形をしているのかについて解説がありました。

上巻だけを読み終えての感想は、内容的には興味深いけれど、ちょっと難解ということ。そして難解の内容の割には図が少なくて、解説されている内容のイメージがつかみにくい部分がありました。
読んでいない本について堂々と語る方法ピエール・バイヤールの「読んでいない本について堂々と語る方法」を読み終えました。

この挑戦的なタイトルだけ見ると、読書好きの人間にはとんでもない本のように思えますが、ある本を読んでいないのにそれについて語ることはできないという考えが、学校教育などで刷り込まれた思いこみだと気づかされました。

著者はまず、"本を読んだ"とはどういうことかから話を始めます。最初から一字一句、読み通すことなのか。それとも、流し読みで目を通した本も読んだことになるのか。人から内容を教えてもらった本ではどうなのか。

その上で著者は、完全に読み通した本であっても、その内容をいつまでも完全に覚えているわけではないこと。記憶違いや思い込み、そして読者それぞれの理解力の違いを考えると、さらに"読んだ本"の定義が難しくなることを指摘します。

そして著者は、3つの書物について語ります。1つは、共有図書館としての書物。どんな本も、その本があるジャンルの、どんな位置を占める書籍なのかは、本を読まなくても(せいぜい目次を読む程度で)知ることができるということ。
2つめは、内なる書物としての本。どんな読者も、その本を読むまでにどんな本を読んできたか、あるいはどんな経験をしてきたかが、その本に対する考え方に影響を及ぼさずにはいられないこと。
3つめは、幻影としての書物。読んだ本について語ろうとする時、内なる書物などの影響で、そこに個々の幻影が現れてるということ。

これらの著者独自の考え方がとても面白くて、いつの間にか内容に引き込まれていました。

そして、この本の中に施されている様々な仕掛けも楽しかったです。この本の中では、例として様々な本が紹介されているのですが、それぞれについて著者がどんな読み方をした本なのか、その評価はどれくらいなのかが示されています。それが実在の本だけでなく、ある本の中に登場する架空の書物までその対象になっているのが面白かったです。

さらに、「薔薇の名前」や「第三の男」などのネタバレがされているのですが、それが実際の本の内容と食い違うところがあることです。著者は先に、読んだことのある本でも記憶が曖昧なものがあるという例を出しましたが、それを実際に作中で実践してみせたのでした!(^^;

というわけで、かなり人を食った部分もある本なのですが、読書の背後にある権威主義や教養主義を皮肉っているようでもあり、なかなか楽しい本でした。この本を読んだことで、これまでよりも肩の力を抜いて読書を楽しむことができそうです。
宇宙はなぜこんなにうまくできているのか (知のトレッキング叢書)村山斉さんの「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」を読み終えました。

著者の本は、先に「宇宙は何でできているのか」と「宇宙になぜ我々が存在するのか」を読み終えていますが、この本はそれをさらに噛み砕いて、中高生向けに書かれた本でした。

「なぜ夏は暑くて、冬は寒いか」や「なぜ太陽は燃え続けていられるのか」など、日常の中でふと感じる素朴な疑問から始まり、相対性理論やブラックホール、ビッグバン宇宙論、素粒子物理学の話へと続いていきます。キーワードだけ見ると難しそうですが、難しい話は最小限だけで、ざっくりとイメージをつかむための説明がされているので、かなり取っつきやすい本だと思います。

私は村山さんの本は「宇宙は何でできているのか」から読み始めましたが、宇宙についての本を初めて読む方は、この本の後に「宇宙になぜ我々が存在するのか」→「宇宙は何でできているのか」と読み進めた方が、よりわかりやすいのではないかと思いました。
絵ときデザイン史〈歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる!  画期的なデザイン史の本! 〉デザインのことをもっと知りたいな〜と思っていた時に、この本を見つけました。

この本では、デザインの歴史が簡潔に解説されています。
1つのデザインについて2ページを割り当て、1ページ目にデザインの雰囲気を伝えるイラストを掲載、2ページ目に簡単な文章でその特徴などを解説しています。

内容は本当に簡潔ですが、私のようにざっと大きなデザインの流れを知りたい、どんなデザインがあるのかをざっと知りたい、という目的で読むには最適でした。

本の中で紹介されているデザインには、知っているものも多くありましたが、こんなデザインもあるんだ!という発見もあって面白かったです。

普段、仕事に即役立ちそうな実践的な本ばかり目を通しているので、すぐには役に立たないかもしれないけれど、自分の引き出しやストックを増やすために、たまにはこういう本に目を通すのも楽しいなあと思いました。(^^)
スティグマータ自転車ロードレースの世界を舞台にした、「サクリファイス」から続くシリーズの4作目です。同じく自転車レースを扱った、「キアズマ」という作品も著者にはありますが、これは主人公がチカではないので別シリーズと考えた方がよさそうですね。

主人公の白石誓ことチカは、この作品でもフランスのチームに所属して、世界各地を転戦しています。前作となる「エデン」では敵チームの新鋭として登場したニコラが、今はチカと同じチームで戦っています。ロードレースの世界は、様々な事情でかっての仲間が敵チームになったり、敵チームだった相手が味方になったり、選手たちの所属が頻繁に変わる世界のようです。

そして今年も、ツール・ド・フランスの時期がやって来ました。そこへ衝撃的なニュースがもたらされました。かってロードレースの世界に絶対的な王者として君臨しながらも、ドーピング検査に引っかかり、過去の栄光を全て剥奪されて自転車界から去ったはずのメネンコが、新たに作られたチームのエースとして復活するというのです。

さらに、かって日本ではチカのライバルであった伊庭が、今シーズンから海外を拠点として活動を開始したのです。その伊庭が所属するのが、あのメネンコのチームでした。久しぶりの再会を喜ぶチカでしたが、伊庭はメネンコからある依頼を受けていました。

チカと同じチームに所属するアントニオ・アルギという選手が、メネンコを憎んで命を狙っているというのです。メネンコからの依頼は、アルギが何かしようとしていないか見張って欲しいというのです。その見返りとしてメネンコは、もしチカが来シーズン以降、新たなチームと契約を結ぶことが難しかったら、それをバックアップしてくれるというのです。

メネンコの申し出を快くは思わなかったものの、レース中にトラブルが起きることを好まないチカは、メネンコの申し出を受けることにしたのでした。そしてチカは、ツールへと参加することになりました。何週間にもわたる過酷な戦いが、再び始まりました。

レースが進む中、チカはアルギと親しくなる機会を得ました。アルギの妹ヒルダは、日本に留学して日本語にも堪能でした。そしてチカは、かってメネンコとアルギの妹の間にあった陰惨な事件のことを知るのでした。そのことで、アルギは今もメネンコを恨んでいたのでした。

そんな中、チカはメネンコの目的について疑問を持ちました。それが物語の鍵となる部分で、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、その謎が後半の物語を引っ張っていました。でも、その結末はちょっと不満だったかも。途中で伏線のように挿入されていた、ニコラが目撃した幽霊の話は、結局何だったんだろうという疑問も残りましたし・・・。(^^;
もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本デザインやレイアウトについてもっと知りたくて、この「もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本」を読んでみました。

この本以外にも、デザインやレイアウトに関する本は何冊か読みました。そこで説明されていることの1つ1つは、それなりに理解できるのですが、それを実際にどう使ったらいいのか今ひとつわかりませんでした。

そんな時、たまたまこの本を見つけました。この本ではクイズ形式で、2つの作例が提示されて、どちらがいいのかを考えます。OKとNG、どちらもクオリティが高いので、問題によっては間違いを連発することもありましたが^^;、その後の説明を読むと、NGのものは何がダメなのかきちんと説明されていて、とてもわかりやすかったです。

この本を読んだことで、デザインやレイアウトは論理的な構成力が大切なのだと再認識しました。デザインやレイアウトには目的があり、その目的を達成するためには、個々の要素をどう利用すればいいのか、そして作り上げたものについて、なぜこういう構成なのかをきちんと説明できることが必要なのだと痛感しました。

この本に書かれていたことを、すぐに全て実践することは無理ですが、ここで覚えたことの1つでも次の制作に役立てることができたらと思います。(^^)
ライト、ついてますか―問題発見の人間学ドナルド.C.ゴースとジェラルド.M.ワインバーグの「ライト、ついてますか」を再読しました。

昔読み終えた時も思いましたが、今回もこの本を読み終えた時、ものすごく重要なことに気づいたような気がするけれど、事例として紹介されている話があまりに笑えすぎて、肝心なことが今ひとつ記憶に定着しないのが困りものです。(^^;

むしろ読んでいる途中の方が、ある問題に対する答えを見つけることよりも、問題自体を発見すること、何が真の問題なのか、問題に見えるものは本当に問題なのか、などなど。いろいろと考えさせられました。

その事例は、かなり冗談めかした物語仕立てで語られています。それだけ抜き出したら、ジョーク本として立派に成立するような気がするくらいです。もしかしたら、この本は本当はジョーク集のつもりで発売しようと著者たちは考えていたのではないかと、疑いたくなるくらいです。(^^;
「受け流す心」をつくる3つのレッスン (メディアファクトリーのコミックエッセイ)『「受け流す心」をつくる3つのレッスン』を読み終えました。

精神的に打たれ弱かったり^^;、ネガティブになりやすいので、時々自分を見つめ直す本を読むことにしています。
今回選んだのが、この本でした。この本のいいところは、とにかくイラストが多くて読みやすいことです。落ち込んでいる時は元気がないので、せっかく素晴らしいことが書いてある本でも、あまり活字が多いと読む気力が出ません。この本くらいのゆるい雰囲気と内容が、そういう時にはぴったりきます。

3つのレッスンとタイトルにもあるように、この本では気持ちを上手に整理する方法、仕事の人間関係の悩みを解消する方法、楽な気持ちで人とつきあう方法が紹介されています。はじめから順に読んでも得るところがありますが、何か特定のことで悩んだ時に、参考になるところだけを読むのもOKですね。

これを読めば,どんな問題でも解決とはいきませんが、考え方の方向が間違ってないかチェックしたり、少しだけ元気をもらえる本だと思います。(^^)
宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)村山斉さんの「宇宙になぜ我々が存在するのか」を読み終えました。

先に読んだ同じ著者の「宇宙は何でできているのか」は、少し難しい感じでしたが、今回読んだこの本の方が素人にも取っつきやすい感じでした。

我々の住んでいる宇宙は、どうやって出来上がったのか。それを素粒子をキーワードに説明されています。この本の中で特に興味深かったのは、物質と反物質は対生成によって生まれ、対消滅によって消えること、2つがそろって生まれたり消えたりするのなら、どうして今我々が住んでいる宇宙は消えずに残っているのか、ということでした。

その謎を解くキーになるのが、ニュートリノではないかと著者は考えています。その説明が本の中心ですが、様々な例えでニュートリノの不思議が説明がされていて、ともてわかりやすかったです。(^^)

本の最後では、2013年時点でわかっていることをもとに、私たちの住む宇宙がどうやって出来上がったのかが解説されます。この先もっとニュートリノの研究が進めば、宇宙誕生の100億分の1秒後くらいまでわかるようになるかもしれないというのも、楽しみですね。
パロマーの巨人望遠鏡〈下〉 (岩波文庫 青 942-2)「パロマーの巨人望遠鏡」の下巻を読み終えました。

上巻では、天体物理学の発展に大いに寄与したヘールの功績、200インチという巨大な鏡を作り上げる苦労が描かれていました。しかし、それで全てが終わったわけではありません。この巨大な計画は、その後も多くの難題を解決することで、ようやく達成されたのです。

200インチの大きなガラスの輸送にまつわる問題、そしてそれを磨き上げて凹面鏡に仕上げる上での苦労。巨大な鏡を支えることのできる望遠鏡の本体と、自動的に目的の星を追い続ける装置の開発。鏡の表面に施されたアルミ鍍金技術の開発。様々な資材をパロマー山上へと運ぶための、道路の整備。

しかし、そうした困難を乗り越えることは、単に望遠鏡の製作に役立つだけではありませんでした。その過程で生み出された技術は、別の方面でも活用されました。さらに、こうした巨大プロジェクトの存在が、今まで不可能だと思われたものに多くの人を立ち向かわせる原動力となりました。

下巻で特に印象的だったのは、鏡を磨く技術者であるブラウンの物語でした。彼は養鶏農家の家に生まれましたが、最初に望遠鏡と関わることになったのは、技師ではなくトラックの運転手としてでした。しかし、元々何かを作り出すことに興味があったブラウンは、独学で鏡の加工技術について学び、ついに200インチの鏡を任される責任者となりました。

本当に何か心から打ち込めるものがあれば、人はその道で認められるほどの存在になれる。そして前人未踏のことを実現させようとする時、その答えは自らの手で探し出さなければなりません。

何かを新しく学ぼうとする時、私たちは本やネットに安易に頼ることがあります。でも、本当に新しいことを始めた時、その答えは自分で見つけ出す以外にありません。情報機器が発達して、手軽に様々な情報にアクセスできる時代だからこそ、自分自身の力で考えて答えにたどり着くことが大切なのだと痛感しました。

そして、ヘールをはじめとして計画に関わっていた人物の何人かは、その完成を見ること亡くなくなりました。しかし、彼らは後に続く者たちをきちんと育てていました。彼らの思いは、次の世代へと受け継がれました。こうしてついに、パロマーの巨人望遠鏡は完成したのでした。

日本人として少し悲しかったのは、第二次世界大戦の勃発によって、このパロマーの巨人望遠鏡計画も停止してしまったことです。そのため戦後の1948年になって、ようやく天文台が稼働することができました。もし戦争がなければ、もっと早く偉業が達成されていたかと思うと悔しいです。戦争は数多くの破壊をもたらしますが、人類の進歩という未来も奪うものなんですね。

それから本書の後半にあった、このような巨大な望遠鏡を作ることが、何の役に立つのかという問いも重いものだと思いました。建造にかかる費用を飢えに苦しむ人々にまわせば、多くの命を救うこともできるからです。しかし、それでもなお人は学び続け、無知という闇に消されないように、知恵という光を守り続けなければならないと思います。

最後に、「すばる望遠鏡」の建造にあたり、その関係者にこの本の旧訳が配布されたことを知ったことが、この本を読むきっかけとなりました。幸い「すばる」に関わった成相恭二さんの手によって、文章が現代表記に改訂されていたので、とても読みやすかったです。
本の中で描かれた時代から、かなりの時が経過していますが、そこに描かれている開拓者精神は、現代の読者の心にも響くものがあると思います。(^^)
パロマーの巨人望遠鏡〈上〉 (岩波文庫)「すばる望遠鏡」の本を読んで以来、天文学関係の読書が続いています。

今度読んでいるのは、「すばる」が作られた時にも参考にした、パロマーの200インチ望遠鏡にまつわる物語です。
まだ上巻を読み終えただけですが、この本を読んでいる時はいつもワクワクした気持ちになりました。物語のメインは、子供の頃から望遠鏡に魅せられて、天文学への道へと進んだヘールです。彼は裕福な家庭に生まれました。そのおかげで、彼は13歳にして、初めて自作の望遠鏡を作り上げたのでした。

そこからヘールの情熱は、さらに燃え上がりました。父を頼るだけでなく、自ら援助者を探し出して、より大きな望遠鏡を作り出そうとするのでした。そんなヘールは、天文学には物理学の知識も不可欠だと見抜いていました。優れた望遠鏡を作り出すことができなければ、解決することができない問題がたくさんあったのです。

そしてヘールは、マウント・ウィルソンに60インチの大きな望遠鏡を備えた天文台を作り上げました。そこには望遠鏡が設置されているだけでなく、観測のために必要になる道具を作り出す工場も用意されていました。それはヘールの理想を1つの形にしたものでした。

しかし、さらに大きな望遠鏡を作るチャンスがヘールに訪れました。なんと200インチの望遠鏡に挑戦することになったのです。もちろん、その仕事はヘール1人でできることではありません。様々な人々が、様々な形で計画に関わり力を貸してくれます。

上巻の最大の見所は、200インチという巨大な鏡をどうやって作り上げるかという難題に挑戦するところでした。
最初は石英での製作が試みられました。しかし、これは失敗続きでした。その間にアメリカの景気が後退したこともあり、これ以上は石英で鏡を作る実験が続けられなくなりました。

そうして次に選ばれたのが、すばる望遠鏡でも使われているパイレックスというガラスでした。もちろん、パイレックスを使うことが決まっても、その計画が順調に進んだわけではありません。200インチの巨大なガラスはまだ誰も作ったことがありませんので、全てが手探りで試行錯誤と失敗の繰り返しでした。

しかし、様々な苦労を乗り越えて、ついに200インチのパイレックス・ガラスが完成したのでした。

上巻を読んで驚いたのは、ヘールの優れた先見性でした。自分たちと同じ志を持つ者を、国や人種、性別などに関係なく広く受け入れる懐の広さ。巨大プロジェクトを途切れさせないために、積極的に若者を雇い入れて、自分たちの後を継ぐ者を養成することを怠らない継続性。

今も天文学の世界では、世界的に協力し合うことが当たり前だそうですが、優れた先人の精神が今も忘れず受け継がれているからなんでしょうね。(^^)
さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~さかなクンの自叙伝、「さかなクンの一魚一会」を読み終えました。

テレビのバラエティー番組でもおなじみの、さかなクンの生い立ちが語られている本です。小さな子供にも読みやすいように、漢字にはルビがついています。さかなクンは、最初からさかなクンだったわけではなく、それはちょっとした小さなきっかけから始まりました。

読んでいて驚いたのは、幼い頃からみせるさかなクンの集中力の強さです。気になることがあったら、徹底的にそれを追求する。そして、そんなさかなクンをお母さんが優しく見守り、さかなクンのやりたいようにさせてあげたのも凄いです。さかなクンが今のような凄い人になれたもの、このお母さんがいたからだと思います。

この本を読んで強く感じたのは、人は1人1人違っていていいんだという当たり前のことでした。自分の子供時代を思い起こしてみても、あの子は算数が得意、あの子は走るのが速い、あの子はいつも周囲を笑わせてくれる、などとそれぞれに凄いところを持っていました。

それが中学・高校と進むにつれて、成績がいいかスポーツが得意なことくらいしか、人を測る物差しがなくなっていったように思います。これはとっても寂しく、とってももったいないことだと思います。そして社会に出ると、仕事ができるできない、どれだけお金を稼ぐか、もっと物差しは寂しくなりました。

この本は、そんな価値観に疑問を持ち、立ち止まって考えさせてくれる素敵な本でした。子供にも読みやすく、大人にも得るところがある。親子で楽しめる、素晴らしい本です。(^^)
カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)小平桂一さんの「宇宙の果てまで」を読んで、すばる望遠鏡のことをもっと知りたくなって、この本を読みました。

この本には、すばる望遠鏡で撮影された多数の写真が掲載されています。本をパラパラっとめくった時、まずはその美しさに驚きました。

そして、すばる望遠鏡の完成までの様子、すばるの構造、現地の様子、観測風景、すばるのあるハワイの様子、どんな観測が行われているのかの解説、そのどれもがとても興味深くて面白かったです。

小平さんの本は、すばる完成までの主に人間的な要素に重点が置かれていましたが、この本ではすばるが完成したことで、こんな発見がありましたという科学的な解説が充実していました。

この本が出版されたのが2007年なので、既に10年近くが経過していますが、天文学の最先端ではこんな研究が行われていて、新しい観測結果から新たな予測が生まれていることを知ることができて楽しかったです。(^^)