日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆


火星の人アンディ・ウィアーさんの「火星の人」を読み終えました。

3回目の有人火星探査が行われていました。火星に無事到着したメンバーでしたが、強烈な砂嵐に襲われて火星からの退去を余儀なくされました。その過程で、折れたアンテナの直撃を受けたマーク・ワトニーは、砂嵐の中に消えました。船長はギリギリまで彼を探しましたが、他のメンバーを守るためにワトニーを残して火星から離脱しました。

すでに死んでいると考えられたワトニーでしたが、彼は奇跡的に生き延びていました。しかし通信機は破壊されており、彼は地球に連絡することさえできません。そんな絶望的な状況にもかかわらず、ワトニーは残された物資を利用して命を繋ぎます。さらにハブの中で、今後不足する食料を得るためにジャガイモを栽培し始めます。

やがて彼が生きていることは、火星の様子を衛星から観察していた地球も知りました。彼らはワトニーを救うために、追加物資を火星に送り届けるミッションをスタートさせます。その間に、パスファインダーから部品を手に入れたワトニーは、地球との交信手段を見つけ出しました。

ミッションを知ったワトニーは、さらに生存のための努力を続けます。しかし、突貫工事で作られたロケットの打ち上げに失敗。さらに脱出準備の作業のミスで、地球との交信手段も失われてしまいました。

たった1人で火星に残されたワトニーの奮闘。彼を救うために、あらゆる努力を惜しまない地球スタッフ。そしてワトニーを残して火星から離れた他のクルーたちの思い。それが上手く融合していて、物語の緊張感を維持しながらサクサク読めました。

最初ワトニーが残している記録の文章が、軽すぎる気がしましたが、最後はこういうメンタルの持ち主だからこそ絶望的な状況に耐えられたのだと納得できました。(^^)
ちょっとピンぼけ (文春文庫)ロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」を読み終えました。

報道写真家としての仕事にあぶれていたキャパは、ある日ヨーロッパで起きている戦争の写真を撮る仕事を得ました。彼が以前に撮った写真が評価されて、この仕事に抜擢されたのです。アメリカから、まずはロンドンに向かうキャパでしたが、ハンガリー系のユダヤ人である彼は、ビザの問題に振り回されることになります。

それをクリアして、キャパはいよいよ戦場に繰り出します。・・・がしかし、写真を撮っているより兵士たちと賭け事をしていたり、お酒ばかり飲んでいるような・・・。(^^;

おまけにロンドンで知り合ったピンキィという女性が気になって、戦いが続く中でロンドンに帰ったり、逆に彼女を記者として戦場まで出向かせようとしたり。その裏では、戦争という殺伐とした出来事が進行中です。でもキャパの文章を読んでいると、どこか牧歌的な雰囲気が感じられます。

そして戦いが終わり、キャパは愛する女性の元へと向かいます。しかし、彼の恋ははかなく敗れます。この本全体の中で、キャパとピンキィの恋に関するところは、なんだか恋愛小説を読んでいるような気分になりました。
巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)シルヴァン・ヌーヴェルさんの「巨神計画(下)」を読み終えました。

偶発的に起きた事故で、ロボットの存在が世界中に知られ、開発の中心人物も事故に巻き込まれて亡くなりました。
各国の非難が集中する中、ロボットは人の手の届かない深海へと沈められることになりました。

しかし、その一方ですぐにロボットの引き上げ計画が始まり、密かに引き上げられたロボットは各国の共同出資による事業体に管理されています。

そしてロボットを作った、地球外知的生命の存在もおぼろげに見えてきます。彼らが地球に新たなロボットを差し向けそうなことも示唆されつつ、新たに計画の中心となった遺伝子女学者の暴走。そして彼女の手からの、ロボットのパイロットの奪還。

さまざまな伏線らしきものが各所に散りばめられて、物語はここからというところで唐突に終了。なんで!?と思ったら、この作品は1作で完結するのではなく、3部作として構想されていたのでした。

いちおう、物語のラストで驚くべき展開はありましたが、何も解決しないしロボットもろくに活躍しない展開には、かなりがっかりしました。続編の「巨神覚醒」が発売されていますが、盛大に肩すかしを食わされた気分なので、なんとなく続きを読む意欲が沸きません。(^^;
巨神計画 上 〈巨神計画〉シリーズ (創元SF文庫)シルヴァン・ヌーヴェルさんの「巨神計画(上)」を読み終えました。

アメリカの片田舎で、6000年前に作られたらしい巨大ロボットの手が発見されました。発見者の少女ローズは、成長して物理学者となった時、再びこのロボットと関わることになりました。

上巻では、世界各地に隠されたロボットのパーツが集められていく経過が、インタビューアーと呼ばれる謎の人物と登場人物の対話という形で描かれました。ロボットの存在も謎ですが、大統領補佐官とも対等に話し合えるインタビューアーの正体も気になりました。

パーツを集めるのと平行して、ロボットの素材などの調査、操縦者の訓練、操作方法の調査なども行われています。またロボットのパーツが世界各地にあることから、アメリカとロシア、中国との政治的な問題も発生しています。

そしてパーツが全てそろい、操縦の目処も立ってきたところで大きな事故が起きます。そして事故に伴い、これまで世間には公表されていなかったロボットの存在が明らかになってしまいました。

それを踏まえて、下巻ではどんな物語が展開していくことになるのか気になります。
わたしたちの英語 ―地球市民のコミュニケーション力 ―地球市民のコミュニケーション力というサブタイトルに惹かれて読んでみました。

前半の「世界共通語としての英語」の話が面白かったです。多くの国で多くの人が理解できる言葉が英語という話から始まり、しかしそれが英米を中心の英語ではなく、非ネイティブな人たちの英語が世界共通語になりつつあることを知ったのは、とても有益でした。

中盤以降は、日本語や日本人のコミュニケーションが中心で、今ひとつ面白さに欠けました。しかし、誰にでもわかりやすい「やさしい日本語」を意識して話すという考え方には共感できました。日本人だけで見ても、各自の言葉の理解力には差があります。外国人にもわかりやすい日本語=誰でも理解しやすい日本語を使うことは、多くの人にメリットがあることだと思いました。

後半で一番違和感があったのは、社会と世間という話題でした。日本には仲間内としての世間と、それ以外の世界という社会があるという点には納得しますが、世界のどんな人たちでも大なり小なり、同胞の安否や安全、活躍を優先的に知りたい気持ちはあるのではないでしょうか!?

最後に、せっかく英米を中心とする英語とは違う世界共通語としての英語に着目されたのですから、これをもっと深く掘り下げて欲しかったです。
冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)ビブリオバトル部シリーズを読んだ影響で、「冷たい方程式」を読みました。

この本は、以前に早川文庫で発売されていた「冷たい方程式」とは、収録作品が異なるそうです。
収録作品は「冷たい方程式」の他は、「徘徊許可証」「ランデブー」「ふるさと遠く」「信念」「みにくい妹」「オッディとイド」「危険!幼児逃亡中」「ハウ=2」です。

この手のアンソロジーだと、普通は何作かは好みじゃなかったり、外れがあったりしますが、この本はそれぞれに面白さがあって楽しかったです。中でも「徘徊許可証」は、しばらく地球との交流が途絶えていた植民惑星のドタバタを描いたお話で面白かったです。

でも一番良かったのは、やはり表題作の「冷たい方程式」でした。有名な作品なので、ストーリーの流れは前から知っているのに、実際に読んでみると読み終えた後に心に残るものがありました。
ラストの一文、「わたしは死ぬようなことはしていないわ——死ぬようなことはなんにも——」が忘れられません。
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術GTDのやり方を紹介した「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」を読み終えました。

このところ公私ともに用事が増えて、なにかいい管理法がないかなあと思っていた時に、この本と出会いました。
GTDでは、まず最初に気になっていること、やらなければならないことを収集します。この時に収集対象の制限はせず、仕事のこともプライベートなのことも、すべて1カ所に集めます。自分自身では、必要なことの分類をしているつもりでも、頭の中ではそれは1つのこととして扱われているからだそうです。

こうして集めた全てのことを、次のステップで順番に処理していきます。その1つが2分以内で出来ることなら、その場で処理してしまいます。すぐに出来ないことは、「いつかやる/やるべきことリスト」に入れたり、保管する必要があるものは資料としてまとめます。必要でないことは、ゴミ箱に捨ててしまいます。

そしてやるべきことを、次の具体的な1つの次の行動としてまとめます。やることの規模が大きい時は、それをプロジェクトにして、それを実現するために最初にやらなければならない行動は何かを明らかにします。漠然とした行動ではなく、誰かに電話をかける、お店で何かを買うなど、具体的な1つの行動に落とし込むことが必要です。

行動の内容によっては、自分で行うだけでなく、誰かに何かを依頼することもあります。依頼したことは、連絡待ちというリストを作って管理します。特定の日付、特定の場所で実行することは、それぞれ参照できるようにまとめます。

こうして行動を続けていき、1週間に1度はそれぞれのリストの内容を検討して、処理が済んでないこと、必要だと思ったけれど不要になったことなどを見直します。この流れが、GTDの1つの軸になります。

もう1つの軸は、長期的な視点です。一番上は、自分の人生の目的。2つめは、3〜5年先の構想。3つめは、1〜2年先の目標。4つめは、責任を負っていること。5つめは、現在のプロジェクト。6つめが、現在の行動です。

GTDで面白いと思ったのは、これを一番上の人生の目的から決めるのではなく、目の前の行動を1つ上のステップから眺めることで、下から積み上げるように一番上の目的を探っていくことでした。

いきなり人生の目的は何かと言われても、答えに困ってしまいますが、自分が今やっていることは将来のこういう目標のため。それを目標にしているのは、自分の人生をこんな風にしたいからと、現在の自分の行動から人生の意味に近づいていくことが出来るところでした。

この本は一読で終わることなく、何度も読み返していきたい本ですね。(^^)
君の知らない方程式 BISビブリオバトル部ビブリオバトル部シリーズ第4弾、「君の知らない方程式」を読み終えました。

今回はネタバレ全開の感想ですので、未読の方はご注意ください!(^^;

前巻のラストで、銀から思いがけない告白を受けた空。そして空と銀は、とりあえずお付き合いを始めました。
空はもちろん、銀も恋の告白は初めてで、2人の最初のデートはちょっとギクシャクした感じです。でも、2人の間には本を読むのが大好きという共通の趣味があります。

かなり前から空のことが気になっていた銀は、ビブリオバトルで空が紹介した本はすべて読んでいました。それを知った空は、今度は銀が好きなラノベが読みたいと返します。本が大好きな2人だけに、相手が読んでいる本を通して、さらに深く相手のことを知ることができるからです。

一方、空と銀が付き合いだしたことを知って、武人の心がざわつきます。これまで空への気持ちを無視してきましたが、それを自覚してきたのです。そんな中、空にとっては辛い事件が起きました。中学時代に彼女をいじめ抜いたくずどもが、空のバイト先のそば屋にやって来たのです。

彼らは露骨に空のことを嘲るだけでなく、わざと空を転ばせたりします。その行動に、銀は怒りました。しかし、相手は大柄で空のためでなかったら、銀は逃げ出したくなるような相手です。そんな中、さらに増長する相手に立ち向かったのは、武人でした。その時に武人は、空のことを自分の彼女だと宣言したのです!

武人と不良グループは、そのままケンカしそうな勢いでした。しかし、それを止めたのは空でした。空にも、いじめの相手への憎しみがありました。けれども、そいつは武人が本気で立ち向かう価値もない人間だと空は断言したのでした。

そしてそば屋の店長も、空の味方です。彼らの所属する学校、空から聞いた彼らの名前を知った店長は、今回の出来事を警察沙汰にして、決して穏便にすませる意志はないことをやつらに伝えたのでした。

こうして空のいじめ問題は、ひとまず決着しました。しかし、もう1つ大きな問題が残っています。武人が空を自分の彼女だと宣言したことで、空と銀、武人の三角関係が表面化したのです。この問題を、空はとても悩みます。しかし、いくら考えても、銀と武人どちらか1人を選ぶことは空には出来ません。

その一方、銀と武人はお互いに話し合って、次のビブリオバトルで空が選んだ本を紹介した方が空と付き合う約束をしました。負けた方は、ビブリオバトル部を去るという条件までついてます。

そしてBISが校内コスプレ大会ウィークに突入する中、ついにビブリオバトルが開始されました。その結果、勝利したのは銀でも武人でもなく、空でした。そして空が出した2人への結論は・・・さすがにネタバレすぎるので、本編をお読みください。(^^;

今回のビブリオバトルでは、部長はおかしなネーミングの商品を紹介した「それどんな商品だよ!」、銀は空をターゲットしたSFの「ウは宇宙ヤバイのウ!」、明日香は「ニセ医学に騙されないために」、武人はニューヨークに実在するモグラびとを扱ったノンフィクション「ティーナ16歳 トンネルの中の青春」、空は映画「レディー・プレイヤーワン」の原作「ゲームウォーズ」、ミーナは「ラノベ部」でした。
世界が終わる前に BISビブリオバトル部ビブリオバトル部シリーズ第3弾、「世界が終わる前に」を読み終えました。

今回は、空がミーナに頼まれて、銀と一緒にコミケに参加することになる短編「空の夏休み」と、表題作「世界が終わる前に」が収録されていました。

「空の夏休み」は、ビブリオバトルはないけれど、コミケの裏側を垣間見ることができたり、特撮ネタが満載で番外編ですが面白かったです。・・・小松左京さんの「さよならジュピター」、むかし小説は読みましたが小説はけっこう面白かったんですけどねえ。(^^;

「世界が終わる前に」は、前からお話の中で言及されていた真鶴高校のミステリー研とBISのビブリオバトル部のビブリオバトルが繰り広げられるお話です。前巻にちょっと顔出しした時から、ミステリー研の早乙女寿美歌は濃いキャラだなあと思っていましたが、今回はそれがさらにパワーアップした感じでした。

ミステリー研が相手ということで、今回はミステリー風味の作品が数多く紹介されていました。それだけでなく、物語の構成も、ちょっとしたミステリー仕立てになっていました。でも作者はミステリーに不慣れなようで、最初の方で仕掛けがわかっちゃいましたけど。(^^;

最初のBISとミステリー研のビブリオバトルでは、第1回目が武人が「戦前の少年犯罪」、流歌が乾くるみの「イシシエーション・ラブ」、銀が時雨沢恵一の「男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトの女の子に首を絞められている」^^;、詩歌が詠坂雄二の「電氣人間の虞(でんきにんげんのおそれ)」でした。

そして第2回が、寿美歌がバークリーの「毒入りチョコレート事件」、ミステリー研の小熊が東野圭吾の「超・殺人事件」、空が新井素子の「ひとめあなたに…」、明日香が「本当は間違っている心理学の話」でした。

どの本も面白そうでしたが、私は明日香の紹介した「本当は間違っている心理学の話」が読んでみたくなりました。

さらに物語の後半では、ミステリー研が中心となって行われる図書館でのビブリオバトルに、空も参加することになりました。ここでは詩歌が高木敦史の「"菜々子"の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕」、小熊が辻真先の「仮題・中学殺人事件」、流歌が桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」、寿美歌が芦辺拓の「電送怪人」、そして空が静月遠火の「パララバ」でした。

この中だと桜庭さんの本は私は読んでいるので、それ以外で選ぶと空の紹介した「パララバ」が気になりました。

今回は番外編が収録されたこともあるのでしょうが、「世界が終わる前に」のビブリオバトルが少しあっさりした描かれ方だったのが残念でした。
幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部山本弘さんのビブリオバトル部シリーズ第2弾、「幽霊なんて怖くない」を読み終えました。

今回はビブリオバトル部の夏合宿と、図書館で行われる戦争をテーマにしたビブリオバトルのお話でした。

夏休み中に空たちビブリオバトル部のメンバーは、武人の家に集まっていました。大きな武人の家を利用して、部の夏合宿を行なっていたのです。最初は冗談のような話から始まった合宿話でしたが、家計が厳しい空は本格的な夏合宿に参加できる余裕がありません。そこで武人の家で合宿することになったのです。

夏合宿でのビブリオバトルのテーマは、怖い話でした。空は当然のように、SF本を紹介しました。ジョン・ウィンダムの「時間の種」に収録されている短編「強いものだけ生き残る」です。

ミーナは小野不由美さんの「魔性の子」、部長は「死ぬほど怖い噂100の真相」というコンビニ本、武人は「生活保護ー知られざる恐怖の現場ー」というノンフィクション、銀は「びっくりモンスター大図鑑」、明日香は「七時限目の怪談授業」です。

この中では、私は明日香が紹介した「七時限目の怪談授業」が読んでみたくなりました。

図書館のビブリオバトルでは、戦争をテーマにした本が取り上げられました。
これが今回のメインで、このバトルで空は筒井康隆さんの「馬の首風雲録」を取り上げました。

銀は宗田理さんのぼくらシリーズから、「ぼくらの太平洋戦争」。明日香は「戦場における人殺しの心理学」、部長は「特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ」、武人は「戦争を取材する 子どもたちは何を体験したのか」、ミーナは「軍靴のバルツァー」というマンガでした。

この中では、私は部長が紹介した「特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ」が気になりました。

今回は戦争がテーマだったこともあり、少し重めでした。でも、フィクションだからこそ伝えられることがある。どんな不謹慎な考えでも、それを抱くのは止めることはできない。この2つが深く心に残りました。
世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法久々に英語の勉強本を読みました。

この本では、以下の6つのステップを重視していました。

1. ブロークンでもいいから、とにかく話すこと。
2. 正しい発音を、まず頭で理解すること。
3. 英文を前から解釈しながら読むこと。
4. 音読とセットで、ひたすら聴くこと。
5. 結論と根拠を明確にして、ロジカルに書くこと。
6. 必ずフルセンテンスで話すこと。

これを踏まえた上で、個人的には3つのことが参考になりました。

1つ目は、「伝えたいこと」を明確にすること。
英語以外の言語で話す時でもそうですが、何を伝えたいかを語り手が明確に知らなければ、それを簡潔で的確に相手に伝えることはできません。逆に聞き手となる場合は、相手が何を伝えたいと思っているのかを聞き取ることが大切です。

2つ目は、英語を聞き取れるようになるには、話せることが大切だということ。
英語には、日本語にはない発音や独特の言葉のつながり(リエゾン)があり、自分が同じように発音できることが理解の助けになります。以前は英語の文章が読めればいいと思っていましたが、最近英語のスピーチも理解したいと思うようになったので、発音の重要性を再認識できました。

3つ目は、結論とその根拠を簡潔に伝えることが重要だということ。
これも英語に限りませんが、最初に結論を示して、それに続く形でその根拠を説明していくと、話の内容がとても理解しやすいと思いました。本書の中では、ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチがたびたび引用されていますが、それはこの原則に従ったスピーチだったからだと納得できました。
結論→根拠→再び結論、これは日本語で文章を書く時にも有効な手法ですね。
バビロニア・ウェーブ (創元SF文庫)堀晃さんの「バビロニア・ウェーブ」を読み終えました。

近未来、宇宙に進出した人類は、バビロニア・ウェーブと呼ばれる直径1200万キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束の存在を知りました。それを利用することで、人類はほぼ無尽蔵にエネルギーを調達することが出来るようになりました。

バビロニア・ウェーブの活用により、地球のエネルギー問題は解決されたけれど、コロニー生まれの宇宙飛行士・マキタは地上での生活に馴染めません。彼の思いは、常に太陽系の外へ外へと広がっていきます。

そんなマキタは、ダムキナ基地へ向けて輸送船を航行していました。とはいえ、その宇宙船は独自の推進力を持たず、バビロニア・ウェーブから得られたエネルギーを使って、基地から基地へとほぼ全自動で航行することができます。

そんな船にマキタが乗り込んだのは、そこに積載されている積み荷が非常に重要な物だったからです。航海は順調に進んでいましたが、突然ダムキナ基地が機能を停止しました。このままだと、マキタの乗った輸送船はダムキナ基地に激突することになってしまいます。

本部からの指示で、マキタは輸送船から連絡艇で脱出することになりました。そんなマキタを追いかけて、バビロニア・ウェーブの発見者でもあるランドール教授がやって来ました。教授は輸送船に積まれていた、大切なユニットを回収するために自らやって来たのです。

ユニットを回収した教授は、マキタと共にとりあえずダムキナ基地を目指します。そこからさらに2人は、バビロニア・ウェーブの向こう側にある観測基地へと移動します。ダムキナ基地が停止したのは、その基地で行われた実験が原因だったのです。

そしてマキタは、全くの部外者でありながら、バビロニア・ウェーブに関する謎と関わることになっていきます。

かなり地味なハードSFでしたが、楽しく読むことができました。物語が進むと、基地という閉鎖空間を舞台にしたサスペンスな雰囲気も感じられました。読み終えて感じたのは、宇宙空間が舞台でありながら、物語の終盤までは閉塞感があったのが意外でした。宇宙は広いけれど、人間が生存可能なのは本当に限られた場所だけなんだなあと改めて思い知らされました。
BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女 下 (創元SF文庫)山本弘さんの「BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女(下)」を読み終えました。

初めてのビブリオバトルは、残念ながら失敗に終わった空。しかし、そのおかげでビブリオバトルの本質をつかむことは出来ました。これがちゃんとクライマックスの伏線になっているのが上手いですね。

そして、双子沢高校・社会学研とのビブリオバトルの日が近づきました。そんな中、思いがけない事実が明らかになりました。対戦相手の部長と副部長がBIS学園を訪れた時に、ミーナを傷つけるような言葉を口にしていたのです。

緊急集会を開いたビブリオバトル部は、その問題について話し合いました。部長の聡たちが調べたところによると、双子沢高校の部長・蟹江は、イケメンで人当たりのよい裏側に、かなり偏った差別思想を持っていました。そんな相手と対戦することを、中止することも検討されました。しかしビブリオバトル部は、あえて彼らに挑戦することにしました。

ビブリオバトル部は、相手が不正な手段を執ることも考慮した上で、作戦を練りました。しかし、空はそんな雰囲気に違和感を持ちました。双子沢との対戦には、部長の聡、副部長の明日香、そして武人が出場する予定でした。しかし3人が選んだ本が硬すぎたことから、聡に代わって空が出場することになったのです。

空の目的は、相手に勝つことでも、屈服させることでもありませんでした。自分とは違った価値観を持つ武人に、自分が紹介した本を読んでみたいと思わせたかったのです。

上巻は面白いんだけど、細かな部分が気になる感じでした。しかし、下巻では細かなことなど吹き飛ぶ面白さでした。
バトルを経験した空の成長、そして武人の微妙な心境の変化など、物語としても面白かったですが、それ以上にそこで語られているテーマや紹介されていた本が気になりました。

特に心に残ったのは、根拠のない情報を真実だと思い込む怖さ。どんな反吐が出そうな思想でも、それを発表する自由は保障されなくてはいけない。そしてそんな思想に反論する自由もあること。そしてコードギアスのルルーシュのセリフを思わせる、「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」でした。
BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女 上 (創元SF文庫)山本弘さんの「BISビブリオバトル部1 翼を持つ少女(上)」を読み終えました。

BIS学園に通う高校生・埋火武人は、ふとした偶然から同級生の伏木空が、かなりのSF好きだと知りました。普段は口数が少なく、目立たない存在の空ですが、ことSFのことになると話が止まらなくなってしまいます。

空がSF好きだと知るのが自分だけだと、武人が空と付き合っていると周囲から誤解される上に、常に空から武人の興味のないSFの話を聞かされることになってしまいます。

そこで武人は、空を自分が所属するビブリオバトル部へと勧誘しました。そこで空は、個性的なビブリオバトル部のメンバーが繰り広げる、自分の知らないジャンルの本についての戦いを知りました。ノンフィクション、科学、お笑いネタ、腐女子ネタ、不思議な生物。それぞれのお勧め本を、部員たちが熱く語りかけます。

その面白さを知った空は、こうしてビブリオバトル部へと入部しました。武人の計画はひとまず成功しましたが、武人も空もそれぞれに心の傷を抱えていました。さらに、ビブリオバトル部にイベントへの協力が他校からありましたが、こちらもなんだか裏がありそうです。

登場人物のキラキラネームにはちょっと引きましたが^^;、自分のお気に入りの本をみんなの前で紹介して戦う、ビブリオバトルの様子は面白いと思いました。
幻詩狩り (創元SF文庫)川又千秋さんの「幻詩狩り」を読み終えました。

川又さんの作品は、架空戦記ものは何冊も読みましたが、それ以外の作品は読んだことがありませんでした。amazonのKindleストアをのぞいていたら、たまたま川又さんの「幻詩狩り」を見つけたので、この機会にと読んでみました。

物語は、幻詩と呼ばれる文章を取り締まるための取締官の活動の様子から始まります。そして、なぜ幻詩が生まれたのか、その歴史が語られていきます。その過程で、シュールレアリスムに関わる人たちが次々と登場します。その提唱者であるアントレ・ブルトンが、フー・メイと名乗る謎の少年と出会ったことから全てが始まっていたのでした。

フー・メイが書いた詩には、不思議な力がありました。それを読んだ人間が、覚醒剤を使ったかのように現実から遊離されたような感覚を味わったのです。そして彼の最後の作品である「時の黄金」を読んだ者は、仮死状態のような状況に陥り、そのまま命を落としてしまうのです。

その詩の危険性が知られるようになったのは、日本の零細出版社である麒麟社がとある偶然からブレトンの遺品を手に入れたことからでした。その詩を翻訳する中で、それに関わった多くの人たちが呪術的な詩の力に取り憑かれて命を落としました。それがやがて、幻詩を専門に取り扱う取締官の誕生へとつながるのでした。

この本を読んでいて、言葉の持つ力について考えさせられました。SF作品では、つい海外の作家に目を向けてしまうことが多いのですが、国内の作家の作品にもあらためて目を向けようと思わせてくれた作品でした。(^^)
手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法憧れは感じるけれど、ちっとも実践できない^^;ミニマリスト生活の参考になればと思って読みました。

この本で一番驚いたのは、著者が一日に一度しか食事をしないことでした!
食事の準備をする手間、食後の片付けの手間を考えると、これなら確かに手間を減らせそうとは思いますが、おいしい物を食べるのが好きな私には、かなりハードルが高そうです。(^^;

でも一点豪華主義で、お金をかけるべきところと、そうでないところを切り分けるのは実践したいと思いました。
著者の場合は、スマホやデジカメ、パソコン、モバイル通信環境にはお金をかけていますが、それ以外は定番の物を必要最低限だけ持つというスタイルでした。

私はコンピュータは好きだし、仕事にもなっているので、これは削れないですが、大量にためこんだ本やCD、DVDを何とかしたいなあと思いつつ、いざ処分しようとするともったいない気がして^^;、処分できなくなっちゃう感じです。

自分の中でルール作りが出来てないせいだと思うので、自分が本当に欲しいもの、手元に常に置いておきたいものをしっかり考えようと思います。(^^;
清水亮さんの「最速の仕事術はプログラマーが知っている」を読み終えました。

プログラマー的な視点から、仕事の方法の見直し方を紹介している本でした。前半はそれなりに参考になりましたし、すでに自分が実行していることもありましたが、後半の組織管理やビジネス設計の部分にはあまり面白さを感じませんでした。

その中で特に気になったトピックは、タイピングの見直しでした。ローマ字入力よりも、かな入力や親指シフト入力が自然という考えは理解できますが、私の場合ローマ字入力に慣れきっているので、今更それを変更するのは学習コストが高すぎると思いました。

常に自分専用のマシンだけを使えばいいなら思い切った切り替えもできますが、自分以外のマシンを使う機会も多いと、結局ローマ字入力も覚えている必要があるので、他の人のマシンも触る機会が多い人には向いてないと思いました。
それよりは、最近かなり賢くなってきた音声入力やボイスメモを活用する方が、私にとっては現実的な気がしました。
本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする〝読自〟の技術小飼弾さんが、自分の経験を元に読書することの意義を語っている本でした。

多くの生徒を対象にする学校での勉強よりも、1人でじっくり本を読む学習法が著者には向いていたという話から始まり、読書好きな人なら同意できる指摘が多い本でした。下手な読書術は持つなと言いつつ、著者の語っている内容が思いっきり読書術だったり^^;、同じ内容の繰り返しや、自画自賛が鼻につく部分もありましたが、全体としては面白かったです。

特に、立ち直る力を作るために本を読む。でも本自体は、読んだ人間を救ってくれないという指摘が心に残りました。
本を読むことで知恵をつけて、自分が困った時に自分を救える力をつけるのは、たしかに大切だと思いました。
ゲームウォーズ(下) (SB文庫)「ゲームウォーズ」の下巻を読み終えました。

ハリデーの残した遺産の最初の鍵を手に入れたのは、ウェイドでした。しかし2つめの鍵では、ウェイドは恋するアルテミスに先を越されることになってしまいました。それに続くのは、貴重なアイテムを駆使したシクサーズでした。焦るウェイドでしたが、なかなか謎解きは進みません。

そんな彼にアドバイスしてくれたのは、最初の鍵を見つけた時に貸しがあったエイチでした。そのおかげで、ウェイドも第2の謎を解くことが出来ました。しかし、それ以上にシクサーズは先行していました。なんと3つめの最後の鍵を最初に見つけたのは、シクサーズだったのです。

その上、シクサーズは莫大な財力と人材を駆使して、3つめの鍵となる惑星を封鎖してしまいました。その封鎖は完璧で、ガンターたちが何度挑んでも、その防御を突破することができません。そんな中、ウェイドは思い切った作戦で、シクサーズ内部の情報を手にすることができました。

これ以上書くと、これからこの本を読もうとしている人の興味を削いでしまうので、この続きは興味を持った方がご自分で確認されるのがいいと思います。

上下巻を通しての感想は、近未来を舞台にしながらも作品の重要なキーワードとなるのが80年代のサブカルチャーということもあり、大人が読むと懐かしさを感じながら読むことができる作品だと思いました。下巻の展開は、ちょっと都合が良すぎると思えるところもありましたが、全体的にはとても満足できる内容の作品でした。(^^)
人生にゆとりを生み出す 知の整理術同じ著者の「しないことリスト」が興味深かったので、最新作の「人生にゆとりを生み出す 知の整理術」も読んでみました。

読み始めて最初に目にとまったのは、マザー・テレサの言葉の引用でした。
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」

普段のちょっとした考えが、将来の自分の運命にまでつながっている。ある意味当たり前のことですが、普段、それを深く意識することはないと思います。これを読んで、よく考えることが、よく生きることにつながるんだなあと、しみじみと思いました。

そして知識のインプット、そしてそのアウトプット、モチベーションの維持について著者が実践していることが紹介されます。その中で参考になったのは、アウトプットについてでした。著者はアウトプットを、軽いものと重いものに分けて考えています。

その中でも、アウトプットする時の工程をきちんと分けるというのが、自分にとって大きな気づきでした。
最初に徹底的にアイディアを出す、次に構成を考える、最後にそれを実装するという流れです。私が何かする場合、最初のアイディア出しの作業時間が少ないため、先の工程に入ってからアイディアを追加したりしていました。時にはほぼ実装が終わりかけた時、アイディアの追加を思いつくこともあり、結果的にそれが作業時間の延長につながっていたことに気づきました。

また、最初から完璧なものを作ろうとせず、最初は65%くらいを目指して1つの形に仕上げて、後からそれを何度も見直すことで完成度を高めていくことの重要性も再認識しました。最初に大ざっぱでも全体を作り上げないと、全体が見えませんので、後の修正を前提として作業を進めることは大切ですね。

それに合わせて、スケジュールも前期で全体を作り上げ、中期でそれを見直し、後期で磨きをかける、という流れで進めることができて、自分が今どのフェーズにいるのか確認できていいなあと思いました。

他にも紹介されている手法がありましたが、ポモドーロテクニックなど別のライフハック系の本ですでに知っていることでしたので、上記のアウトプットの手法が個人的には一番有益でした。(^^)
ゲームウォーズ(上) (SB文庫)この春に公開される映画「レディ・プレイヤー1」の原作の上巻です。

物語の舞台は、2040年代の近未来です。この時代、世界はOASIS(オアシス)と呼ばれる仮想現実ネットワークでつながっています。仮想とはいえ、日常的な活動の多くを人々はOASISで満たすことができます。その一方で、世界は深刻なエネルギー危機に見舞われていて、貧富の差も拡大していました。

両親を早くに亡くし、叔母に引き取られたウェイドは現実の世界では、機械いじりは得意だけれど、周囲とのコミュニケーションが苦手なギークでした。そんなウェイドも、OASISという仮想世界では現実以上にうまく過ごすことができます。

ウェイドはある出来事をきっかけに、無名の少年から世界中から注目される存在になりました。OASISの創設者であるジェームズ・ハリデーは、その死と共に世界中に向けた遺書を残しました。そこで彼は、膨大な資産を彼が仕掛けたゲームの謎を解き明かした者に全て渡すと宣言したのです。

それをきっかけに、全世界のOASISプレーヤーがハリデーの遺産探しに熱中することになりました。しかし、謎を解く手がかりは、ハリデーが好きだった80年代のサブカルチャーの中にあり、誰も簡単に見つけることができません。謎を解くためには、3つの鍵が必要になるのですが、ウェイドがその最初の鍵を見つけた初めての人物となったのです。

ウェイド以外にも、ガンターと呼ばれるプレーヤーが遺産を求めて知識の収集や試行錯誤を繰り返しています。またガンターからは徹底的に嫌われている、IOIというOASISにインフラを提供する大企業にもシクサーズと呼ばれる遺産探し専門のチームが存在します。

ウェイドはそんなライバルたちを出し抜いて、一番最初に第1の謎を解き明かしたのです。それは彼を一躍有名にしました。しかし同時に、それはウェイドがライバルたちから狙われる存在になったということでもありました。シクサーズは、ウェイドを自分たちの陣営に引き込もうとします。しかし、それが不可能だとわかると、ウェイドを抹殺しようとします。

またウェイドは、謎解きの一方でずっと憧れの存在だったアルテミスと呼ばれる女の子とも知り合いました。ウェイドは本気で彼女を愛するようになりますが、今のところそれは彼の一方通行です。

上巻では、どん底の暮らしをしていたウェイドが、注目を浴びる存在となり危険と恋に揺れながらも、ハリデーの遺産を探し求めていく様子が描かれました。上巻では、第2と第3の謎は解き明かされていません。下巻でこのゲームが、どんな結末を迎えるのか気になります。

この本を読んでいて気づいたのは、80年代のパソコン黎明期のゲームやテレビ番組、音楽がキーワードとして次々と登場することです。私はその全てを直接知っているわけではありませんが、名前くらいは目にしたことがあるキーワードも多くて、これも本を読む楽しみの1つになっていると思いました。(^^)
戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)神林長平さんの「戦闘妖精・雪風(改)」を再読しました。

この作品、これで3〜4回は再読しているのですが、その度にいろいろと発見があって引き込まれます。(^^)
最初に作品が発表されたのが、1984年。その後で内容を修正した(改)が出たのが、2002年。それでも10年以上前の作品なのに、全く古さを感じさせないのが凄いです!

今回とくに注目したのが、ジャムとの戦いのための兵器開発を、コンピュータがシミュレーションしながら行っているというところでした。最近テレビなどでも、AIや機械学習のことが話題になりますが、この作品はそれをはるかに先駆けて描いていたんだなあと感激しました。

激しくなるジャムとの戦いの中、次第に戦いに人間は不要であり、パイロットとして人間が搭乗することが、機体が持つ本来の性能を制限される状況が生まれてきます。コンピュータが極限まで進化した時、人間に必要とされる役割は何なのだろうと考えさせられました。
自省録 (岩波文庫)昨年末からちょこちょこ読んでいた、マルクス・アウレーリウスの「自省録」を読み終えました。

この本は、ローマ皇帝マルクス・アウレーリウスが、書きとめた短文をまとめたものです。いちおう、本編は12巻構成になっていますが、書かれた時期もバラバラで、原書も失われているためこれが本来の形かさえ定かではないらしいです。

2000年近く前に書かれ、その当時の皇帝という強大な権力を手にしているにも関わらず、この本を読んでいると現代にも通じる気づきがたくさんありました。特に心ひかれたのは、著者が徹底的に自己を律して、己の欲のためではなく、公益のために尽くそうとしたことです。

そして、自分の意志で何とかならないものは、それをただ受け入れ、自分の意志で何とか出来ることについては、徹底的に理性的に判断して行動しようとする姿勢に共感できるものがありました。

また他人に対する怒りや不満などへの対処が書かれているのを見ると、今も昔も人間の心は大きく異なるわけではないのだと感じました。もちろん、今の時代には合わない記述もありますが、それを差し引いてもさまざまな時代の人間の心に訴えかける内容を持った本だと思います。

この先も、繰り返し読み返していきたい本ですね。(^^)
国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)ヤマザキマリさんの「国境のない生き方 私を作った本と旅」を読み終えました。

図書館で借りた本なのですが、読み始めるまで著者が「テルマエ・ロマエ」の作者さんだと気がつきませんでした。(^^;
著者のマンガも1冊も読んだことがないのですが、それとは関係なくこの本の内容は楽しめました。特に面白いのが、第1章〜第5章の著者の幼少期やイタリア留学しての赤貧生活時代でした。

著者の母親もかなり凄い人で、深窓のお嬢様育ちだったのが、著者と妹を出産した後に夫を亡くして、一人で子供たちを育てていました。交響楽団でヴィオラ奏者の仕事をしていたので、時に演奏旅行にも出かけて幼かった著者と妹は他の家に預けられたりしていたそうです。

そんな母親の影響を強く受けて、著者も自分のやりたいことを突き詰める生き方をしていくようになります。凄いなあと思ったのが、わずか14歳で欧州を一人旅していることです。一人で行ってしまう著者も凄いですが、それを送り出せる母親も相当なものだと思いました。

この時の旅行がきっかけとなり、著者は絵を描きたいと思うようになります。そして美術を学ぶならイタリアだと、旅先で出会った老人に言われて、本当に著者はイタリア留学してしまったのでした。この老人の言った、「人生は一度きりだから、無駄にできる時間はこれっぽっちもない」という言葉が著者を突き動かしたのです。

さらに留学前にお母さんは、「フランダースの犬」を例にあげて、絵描きになるということは貧乏で早死にすることになるけれど、それでもいいのかと問い詰めます。そうなることさえ受け入れた上で、著者はイタリア留学の道に踏み出したのでした。

そしてイタリア時代は、超極貧生活を送ることになります。しかし、ここで「ガレリア・ウプパ」のメンバーとの出会いがありました。そのおかげで著者は、今まで読まなかった本を読むようになり、教養を高める貴重な機会を得たのでした。
さらに著者は、そこで息子を出産することにもなりました。

息子は生まれたけれど、著者の生活は厳しい状況が続いています。そこで生きるために、日本の出版社にマンガを描いて投稿したのでした。それが後に著者が漫画家となることへとつながります。

ここまでは本当に面白くて、読んでいて何度も自分には著者のような覚悟がなかったと頭を殴られたような思いをしました。でも第6章から、著者の交流関係やその後の漫画家としての成功が語られるようになったら、ここからは別人が書いたのかと思えたほど面白さが薄れてしまいました。

というわけで、本の後半は今ひとつでしたが、前半で描かれた著者のヒリヒリとした生き方には惹かれるものがありました。この前半を読むためだけにも、この本は読む価値があると思いました。
会社苦いかしょっぱいか: 社長と社員の日本文化史今年最後の読書は、パオロ・マッツァリーノさんの「会社苦いかしょっぱいか」です。

著者の他の本と同様に、この本でも過去の資料を活用しつつ、日本人と会社について楽しく書かれていました。
最初は会社の起こりからですが、日本人の間に会社という概念が広まるよりも、社長という言葉が先に知られるようになったことが興味深かったです。

そこから始まって、戦前のやりたい放題だった社長の生活、特に女性関係に焦点を当てて紹介されています。これは今読めば笑い話ですが、実際にその当時を生きられていた方たちはたいへんだったんだろうなあと思いました。

そして庶民の方へと話は移ります。東京では、戦前も戦後も住宅事情が悪くてたいへんなようです。特にマイホームを持つのが理想とされた世代では、住宅ローンが原因で家庭崩壊にまで至ったケースもあるそうです。そして朝の通勤地獄が、かなり昔から始まっていたのに、どの時代も対策らしい対策がされていません。それは今も続いていて、本当に何とかならないものかと思います。

さらに話題は、宴会での芸や出張費のちょろまかし、昔からあったサラリーマンの心の病、ビジネスマナー、産業スパイについてなどと幅広く語られています。

というわけで、日本人と会社についての悲喜こもごもを、さまざまな視点から知ることができて楽しい本でした。
傷つきやすくなった世界で (日経プレミアシリーズ 2)石田衣良さんの「傷つきやすくなった世界で」を読み終えました。

この本は石田衣良さんが、2006年1月〜2008年2月に「R25」に発表されたエッセイをまとめた本です。
テレビでもよく見かけ、多方面で活躍されている石田衣良さんですが、なぜかその本は今まで読んだことがありませんでした。そんな時、このエッセイをみつけて、小説よりも取っつきやすそうだったので^^;読んでみました。

掲載された「R25」の対象読者である、新卒で社会人として働き始めた人に向けられた内容が多いですが、その多くはどの年代の方が読んでも共感できるものだと思います。

エッセイが書かれたのは10年ほど前ですが、書かれている内容は格差社会、勝ち組負け組、いじめ問題など、今でもなお根深い問題として継続中なのが、現在の私たちが生きている世界の残念な現状です。

もちろん重い話ばかりではなく、マルチに活躍されている著者ならではの経験や出会いなどについての話題もあり、通して読んでも胃もたれしない構成でした。個人的なお気に入りは、待ち時間の多いハイヤーの運転手さんたちの意外な読書家ぶりが紹介されているエピソードでした。(^^)
モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)尾原和啓さんの「モチベーション革命」を読み終えました。最近体調が悪くて、読書がはかどらなかったので^^;、久しぶりに本を読み終えた感じです。

この本では、50,60代の世代と若い人たちの間では、仕事に対する価値観に大きな差があることを指摘しています。
年配の方達は、物がない時代を経験しているので、自分の周りに物がたくさんあったり、高級なものを持つことに価値を見いだします。しかし、若い人たちは物が十分足りている中で育ってきたので、物自身よりも自分にとっての価値を大切にしていると指摘しています。

それを踏まえて、これからの時代はロボットのように働く人ではなく、自分の好きを仕事に出来る人の時代だと著者は主張します。その背景としてロボットやAIの発達によって、これまで人間でなければできなかった仕事の領域が、ロボットやAIに置き換えられるようになっていることをあげています。

そんな時代にチャンスがあるのは、今までのようにがむしゃらに働くことに価値を見いだしてきた世代ではなく、自分の好きなことなら打ち込める世代だと書かれています。その上で、好きなことを仕事にするための方法として、異なる個性が集まったチームを作ることや、ネット上で可視化されて始めた信頼の重要性などについて解説されています。

この本を読んでいて、これが当たり前の世界になったらいいなあと思いました。私自身が社会人になってから、休日出勤や残業を美徳のように考える風潮や、本当は出たくないのに付き合いで参加する飲み会に辟易した経験があるからです。(^^;
みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)パオロ・マッツァリーノさんの「みんなの道徳解体新書」を読み終えました。

この本では、日本の道徳教育についてばっさりと切っています。著者の他の本でもそうですが、単なる思い込みや特殊な例が、全て同じだと考えてしまう危険性を指摘されています。

本の中では、道徳の教科書に採用された数々のお話がコンパクトに要約されて紹介されています。その事例をみていくと、ある特定の考え方や価値観を押しつけようとするのが「道徳」の授業だとはっきりしてきます。

どの章も面白いですが、特に印象的なのは、なぜ大人は「人を殺してはいけないのか」という質問に答えられないのかを説明した章が、一番面白く考えさせられました。

「人を殺してはいけない」と言う一方で、死刑制度が存在する矛盾。ここを読んだ時、人は意識的にしろ無意識にしろ、自分にとって都合の悪い人間には生きていて欲しくない=死んでもらいたいと考えてしまうものなんだと思いました。

この本を読んだおかげで、私自身が道徳の授業が大嫌いだったことを思い出しました。(^^;
子供の時には、その理由がうまく説明できませんでしたが、この本を読んで授業の裏に隠された偽善を感じ取っていたのだと気づきました。

また今でも忘れられない、道徳の授業の嫌な思い出があります。授業の中で、先生が自分の周りでみかけた悪いことを挙げなさいと言い出しました。私は特に悪いことを見かけた覚えがなかったので、「何もありません」と答えました。すると先生は、そんなはずはない何かあるはずだと怒り出しました。結局、適当に嘘をついて"悪いこと"をでっち上げることになりました。

今の私が、その時その場所にいたら、「周りに悪い人がいなくてよかったね」と言ってあげたいです。
中国なんて二度と行くかボケ!! ・・・・・・でもまた行きたいかも。 (幻冬舎文庫)さくら剛さんの「中国なんて二度と行くかボケ!……でもまた行きたいかも。」を読み終えました。

アフリカから始まった著者の旅も、いよいよこの中国で最後です。例によって、あふれるトイレ描写、襲いかかる腹痛、そして今回はそれに加えて、謎のねちょねちょ〜んとも著者は遭遇することになります。(^^;

今回凄いな〜と思ったのは、著者が香港を訪れた時、たった1人でディズニーランドに遊びに行ったことです。普通の人なら、もうそれだけで心が折れそうですが^^;、なんと著者はそれに加えてディズニーランドのキャラたちと2ショット写真を撮るというミッションまで自分に課すのでした。

正直、なにがここまで著者を駆り立てるのかはよくわかりませんが^^;、作中では著者は自分のことを軟弱だと言っていますが、ここまでやってしまう人が軟弱だとは思えません。アフリカからの長い旅が、ここまで著者を育てたのでしょうか。
それとも、ネタのためなら体を張ることも辞さない、著者の変態性ゆえのことなのでしょうか。(^^;

そして、ついに北京で著者の旅は終わりを迎えます。普通の本だと、本のラストで著者が中国を目指すことになった女性と再会することになりそうですが、この本では一切そういったことはありませんでした。(^^; そこがまたリアルというか、笑うしかないと言うか・・・。
宇宙を創る実験 (集英社新書)村山斉さん他12人による、ILCの必要性と、それを実現するために必要となる技術などが紹介されている本でした。

村山斉さんは既に他の本でも書かれている、望遠鏡で知ることのできない宇宙創世時の様子を調べる方法として、加速器が必要となることや、それによって何を知ることができるのか、コンパクトにわかりやすく解説されています。

その他の寄稿者は、ヒッグス粒子発見したCERN関係者からの寄稿や、日本に建造されることが予定されているILCと呼ばれる装置の利点と目的。そして、それを実現するために必要となる技術について紹介されています。

個人的に特に興味深かったのは、それぞれの専門家が一般向けに簡単に、ILCを実現するためにはどんな技術が必要になるのか、そしてそれを作る過程で生まれる技術は単に実験だけにとどまらず、これから多くの人たちに利益をもたらす可能性があることが紹介されています。

これまでに読んだ本では新しい加速器を使うと、こんなことがわかりますと説明されることはあっても、その詳細までは踏み込んでいませんでした。この本を読んだことで、それを実現するためには様々な技術的な課題をクリアすることが必要なのだと知ることができて、とても有意義でした。

この本が出版されたのが2014年末で、それから既に2年以上が経過していますが、ILCの建造計画がどうなっているのか、そして最先端の研究がどれほど進んだのか、もっと知りたくなりました。(^^)