日々の記録

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奇面館の殺人 (講談社ノベルス)綾辻行人さんの館シリーズ第9弾、「奇面館の殺人」を読み終えました。

探偵役の作家・鹿谷門実は、自分とそっくりな作家・日向京助と出会いました。しばらくして鹿谷は、日向からあるお願いをされました。それは、自分の代わりに奇面館と呼ばれる屋敷で行われる集まりに参加して欲しいと言うのです。
その屋敷は、鹿谷にとって因縁の深い、中村青司が建築したものでした。好奇心に誘われて、鹿谷はその申し出を受けました。そして彼は、奇面館へと向かったのでした。

そこは東京の郊外にある屋敷でした。その屋敷の主人・影山逸史は、館に招いた6人の男性に奇妙な要求をしました。屋敷で自分と対面する時には、全員が用意された仮面をかぶって欲しいというのです。
全員がそれを聞き入れて、集まりは予定通りに行われました。しかしその夜、主人の影山逸史が屋敷の奥まった部屋で殺害されてしまったのでした。おまけに、招待客全員が朝には仮面をかぶらされて、それを脱ぐことができなくなっていました。折しも、前日から続いている吹雪のために、客人たちは屋敷から一歩も出ることができません。その上、屋敷の電話は全て破壊されて、外部との連絡も取れません。果たして奇面館で何が起こったのか。その謎を鹿谷が解き明かします。

今回は館シリーズの中では、比較的コンパクトな作品でした。主要な登場人物が全員仮面をかぶって登場するという趣向は、かなり面白いと思いました。でも推理小説としては、ちょっと物足りないような感じがしました。
これまでの館シリーズを読んできた読者なら、どんな事件が起きたのか何となく想像できてしまうところがあったからです。そして、最後の種明かしはちょっと強引すぎる気がしました。
というわけで、期待が大きすぎたせいもあるかもしれませんが、館シリーズとしては今ひとつな感じでした。

この館シリーズは、全10巻が予定されています。ということは、次に発表される新作でシリーズが完結ということになります。最後に登場するのは、どんな館になるのか。今から楽しみです。
個人的には、「暗黒館の殺人」くらいのボリュームがあるものを期待しています。
アヤツジ・ユキト 1987‐1995綾辻行人さんの「アヤツジ・ユキト 1985ー1995」を読み終えました。

この本は、作家の綾辻行人さんが小説意外に書かれた「あとがき」「解説」「エッセイ」などをまとめた本でした。この本では、綾辻さんが作家としてデビューされてからの8年間に書かれた文章が集められていました。その中には、これまでに読んだ館シリーズのあとがきなどもあったりして、懐かしさを感じながらも読みました。

読んでいて気がついたのですが、この本はとてつもなく危険な本です。私は基本的に綾辻さんの作品では、館シリーズなどの推理作品しか読んでいないのですが、この本を読んでいると綾辻さんが他に書かれた小説も読んでみたくなって困ります。推理小説以外では、綾辻さんは私の苦手なホラー小説なども書かれているのですが、この本を読んだことがきっかけで、何かの間違いでそれらの本を読んでしまったらどうしようと思います。(^^;
Another館シリーズでおなじみの、綾辻行人さんの新作「Another」を読み終えました。

その中学の3年3組には、26年前から1つの呪いがかかっていました。26年前に、ミサキという名のクラスの人気者が亡くなった後、クラスのみんなはその後もミサキが生きているかのように振る舞いました。そうして彼らが卒業する時、取られた写真にはミサキの姿も写っていたのでした。
それ以来、3年3組には1つの呪いがかけられてしまったのでした。きちんと生徒の数だけ用意された席が、なぜか1つだけなっていることがあるのです。それは、クラスの中に生徒たちの知らない間に、死者が紛れ込んでしまったからなのでした。

そんな夜見山北中学の3年3組に、東京から転校してきた榊原恒一は所属することになりました。不思議な美少女・見崎鳴との出会い。そして、クラスの関係者を中心に起こる事件に、恒一は否応なしに巻き込まれて行くことになるのでした。

このお話を読んでいて、ヒロインの見崎鳴の姿には、何となくエヴァンゲリオンの綾波レイの姿が重なりました。(^^;
口数が少なく、クラスでも孤立した存在の鳴ですが、その謎が多くて神秘的なところが、とても魅力的でした。

お話の基本的な構造はホラー小説なのですが、最後に犯人探しのような要素が取り入れられているのが、とても綾辻さんらしいと思いました。この犯人探しの部分も迫力がありましたし、また明かされた犯人も意外な人物で驚かされました。
ということで、良質なホラー小説と推理小説を同時に味わうことができた感じで、とても満足しました。(^^)
ハードカバーで、それなりにページ数のある作品ですが、ストーリーがさくさく進むのでとても読みやすくて、長さを感じさせられない作品でした。
びっくり館の殺人 (ミステリーランド)綾辻行人さんの館シリーズ第8弾、「びっくり館の殺人」を読み終えました。

館シリーズの続編ですが、これまでのシリーズとは違い、「かって子供だったあなたと少年少女のための」ミステリーランドと呼ばれる作品群の中の1冊でした。そのため、子供でも読めるように漢字にはルビが振られて、活字が大きいのに驚きました。

子供の頃に読んだ、子供向けの江戸川乱歩の作品やホームズ、ルパンなどのシリーズを思い起こしながら読みました。分量も少ない作品なので、あっという間に読み終えましたが、子供向けと思って軽い気持ちで読んでいたら、思いがけない重い内容を抱えていることやサイコ・ミステリーな展開に驚かされました。

びっくり館で起きた密室殺人事件のトリックには、正直がっくりさせられましたが、作品としては無気味な余韻が残る怖い作品でした。暗黒館などと比べると、他の館シリーズとの関連性は薄いですが、先にシリーズ全てを読んでいるとわかる部分もあって楽しかったです。
暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)綾辻行人さんの館シリーズ第7弾、「暗黒館の殺人(下)」を読み終えました。

(上)を読んでから、けっこうな時間がかかってしまいました。(下)も(上)と同じく600ページを越える分量があったこともありますが、これまでの館シリーズの中でもずば抜けて雰囲気が重い作品だったことも時間がかかった理由だと思います。そして、浦登家の秘密が玄児の口から語られそうになると、それはまたいずれという感じで、解説が先延ばしにされることが多かったのも、読む気力を萎えさせる原因になりました。(^^;

ようやく全て読み終わっての感想は、これは推理小説というよりも、怪奇小説と呼ぶ方がふさわしい作品だと思いました。浦登家のドロドロの家庭事情、そして黒魔術を思わせる描写。どれもが黒くて重かったです。
また、推理小説として見た場合、このトリックはちょっとアンフェアな気がしました。謎解きを楽しむよりは、作品の雰囲気を楽しむのであれば、充分に楽しめる作品だとは思いますが。

この作品の最大の驚きは、玄児から中也君と呼ばれていた青年の正体でした。重く陰鬱な作品なので、何度も読むのが辛くなったのですが、この正体が明かされた時に一気に暗雲が晴れ渡ってゆくような気持ちを味わうことができました。

分量もありますし、重い作品なので読破するのはたいへんですが、それでも館シリーズのファンならば、ぜひ一読すべき作品だと思います。作品内で、これまでのシリーズに関わるお楽しみもありますので、読むならやはりシリーズの発表順に読むのがいいと思います。(^^)
暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)綾辻行人さんの館シリーズ第7弾、「暗黒館の殺人(上)」を読み終えました。

ようやく半分を読み終えたのですが、ノベルサイズで二段組みの上に600ページ以上の分量があったので、(上)を読み終えるだけで相当の日数を費やしてしまいました。(^^;
今回の物語では、明治の頃に建造されたという通称・暗黒館と呼ばれる4つの館からなる邸宅を舞台にした物語です。館シリーズでお馴染みの中村青司は、そのうちの北館が焼失したために、その再建に関わったという設定です。

母の四十九日を終えた江南は、そこで親戚から中村青司が関わった暗黒館なる建物があることを聞かされました。過去に何度も中村青司の館と関わっている江南は、その実物の見るために九州の山奥にあるという館を訪れてみました。しかし、そこで十角塔に昇った江南は、そこから転落してしまいました。幸い、大きなケガを負わずにすみましたが、それが原因で記憶喪失になってしまったのでした。

その後、物語は江南の視点を離れて、館の住人・浦登玄児と事故がきっかけで知り合った中也と呼ばれる青年の視点から物語が語られます。中也は事故をきっかけに、記憶を失ってしまいました。そこで玄児の暮らしていた東京の屋敷に同居させてもらうことになったのでした。
そこで暮らすうちに中也は、自分が地方から上京した建築科の学生だということを思い出しました。それと共に、中也は本当の名前を思い出しました。しかし、中也の容貌が詩人の中原中也に似ていたことから、玄児は引き続き彼のことを中也と呼び続けていたのでした。

中也は玄児に誘われて、玄児の生まれ故郷である暗黒館に招待されました。そこで中也は、屋敷の人々がダリヤの日と呼ぶ特別な宴に参加することになってしまいました。
物語の2/3くらいは、中也の暗黒館での生活ぶりと、そこで出会う様々な奇妙な人々との出会いが描かれました。シャム双生児の姉妹、早老症の男の子、精神に異常をきたした女性たち。屋敷の住人は、家人も使用人もどこか一癖あるような者ばかりです。

ミステリーのはずなのに、ちっとも事件が起こらないなあと思っていたら、湖に浮かぶ島にある屋敷と往復するための船の管理を任されていた男が、何者かに殺害されてしまいました。彼は船を桟橋に激突させて、重傷を負い風前の灯火の命だったのに、誰が何の目的で彼を殺害したのでしょうか!?

そして、第2の犠牲者が出ました。早老症の男の子の母親が、アトリエにこもっていたところを何者かに殺害されたのです。その時、中也と玄児は屋敷の中で怪しい人影を見つけます。それは近所の村に住む一朗という少年でした。一朗は、村で敬遠されている暗黒館をひと目みようとやって来て、いつの間にか島に取り残されてしまったのです。

嵐の中、島との連絡手段である船は壊れてしまい、島の裏手にあった老朽化した橋も一朗が渡ったことで壊れてしまいました。さらに雷雨が原因なのか、外部へも電話が繋がりません。
屋敷は湖の中に、完全に孤立してしまったのです。その島で、この先どんな事件が起きるのでしょうか!? そして、既に起きた殺人事件の犯人は一体誰なのでしょうか!?

とりあえず、上巻だけ読み終えたところでは、推理小説というより、怪奇と幻想小説といった感じでした。おどろおどろしい屋敷と人々の描写が、なんとも無気味でした。
ただ、その中でちょっとうれしかったのは、これまでの館シリーズに登場した人物や屋敷の名前が、時折顔を見せてくれることでした。さらに、これまでのシリーズには登場しない、瀬戸内海にあるという中村青司の館の存在も明らかになっています。その館を舞台にした物語が、別のシリーズとして書かれるのでしょうか!? それとも、その屋敷はこの暗黒館と深い関わりがあるのでしょうか!?
黒猫館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人さんの館シリーズ第6弾、「黒猫館の殺人」を読み終えました。

今回は探偵役である推理作家・鹿谷門実が、過去に出版した「迷路館の殺人」で中村青司のことに触れたことを繋がりとして、火事で記憶を失った鮎田冬馬から殺人事件について書かれた手記の内容を調査することになりました。

物語は、現在の鹿谷が調査を進める過程と、手記に書かれた黒猫館で起きた殺人事件の顛末が平行して語られてゆきます。前作の時計館がかなりの傑作でしたので、それと比べると少しこぢんまりした内容ではありましたが、館にまつわるトリックのスケールの大きさには驚かされました。

ただ、ちょっと不満だったのは、鹿谷に調査を依頼した老人の正体が見え見えだったことと、肝心の殺人事件が今ひとつ物足りないものだったこと、そして事件の結末に割り切れないものが残ったのが残念でした。
とはいえ、館シリーズの読者でしたら充分に楽しめる作品だと思いますので、他のシリーズを読まれた方はぜひ一読した方がいい作品だと思います。
時計館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人さんの館シリーズ第5弾、「時計館の殺人」を読み終えました。この館シリーズも、この作品で第1期完結となるだけに、これまでのシリーズを通して一番スケールの大きなお話でした。

今回舞台となるのは、鎌倉にある時計館です。その館では多くの死者が出て、付近の住民からは彷徨する美少女の幽霊を見たという噂まで流れています。そんな館の旧館で、とあるオカルト雑誌の降霊会が開催されることになりました。メンバーは、「十角館の殺人」で登場した江南君が新人編集者として登場するほか、その上司の副編集長、カメラマン、W**大の超常現象研究会の学生5人、そして霊能者の計9人です。

そんな彼らは、3日間の約束で旧館へとこもって、屋敷に住むという霊との交流を果たそうとします。ところが、例によってその閉鎖されて、外部から隔絶された状況の中で、次々とメンバーが殺されてゆく殺人事件が発生したのでした。

そんな江南君を追いかけて、作家となった島田潔も時計館へとやって来ました。物語は旧館内部での事件と、屋敷の外での島田たちの行動が交互に描かれてゆくのですが、そこには時計館ならではのとんでもないトリックが隠されていたのでした。そして最後のクライマックスで解き明かされる時計館そのものの謎。この結末の壮大さには、本当に驚かされました。

もしミステリー好きで、まだこの作品を未読の方がおられたら、「十角館の殺人」と合わせて一読されることをお勧めします。「十角館」の方は、読んでなくても楽しめる作品ではありますが、よりこの作品を楽しもうと思ったら、先に読んでおいた方が絶対に楽しみが増えると思います。
人形館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人さんの館シリーズ第4弾、「人形館の殺人」を読み終えました。

この作品は、これまでの館シリーズと比べると、かなりの異色作です。作品の雰囲気も、これまでのシリーズとは違い、何となくサイコ・ミステリーっぽい雰囲気が漂っています。それなりに面白い作品ではあるのですが、館シリーズとしてみるとこれはちょっと反則かなあとも思えました。

島田潔の友人・飛龍想一は、病を患った後で京都にある亡父の住んでいた屋敷に住むことになりました。そこは日本家屋の母屋と、アパートを経営している緑影荘という洋館が1つになった不思議な建物でした。そして、その屋敷には彫刻家であった父が晩年に残した、無気味なマネキン人形が屋敷の中に何体も置かれていたのでした。

親の遺産に恵まれ、病気がちでもあった想一は、その屋敷で生活を始めました。しかし、ある日彼の元に彼を告発する脅迫状が届けられたのでした。最初はそれは誰かのイタズラかと思った想一でしたが、いろいろと事件が重なり、ついには母屋が火事になり彼の叔母であり母親代わりでもあった沙和子が焼死してしまったのでした。

時折挟まれる、犯人の描写がなかなか無気味でした。トリック的には、ちょっと犯則というか、予測できてしまった結末ではありましたが、登場人物の1人が最後に見せた表情が無気味でした。
迷路館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人さんの館シリーズ第3弾、「迷路館の殺人」を読み終えました。

毎回凝った構成の作品となっている館シリーズですが、今回は「迷路館の殺人」の中に、作中人物が書いた「迷路館の殺人」が登場してくるという込み入った構成です。

推理作家として大御所である宮垣葉太郎は、屋敷の中が迷路になっているという迷路館と呼ばれる館に暮らしています。ある時、その屋敷に4人の推理作家と評論家、雑誌編集者夫妻に探偵役の島田潔が集められました。しかし、彼らが集まったその日に、宮垣は自殺して死んでしまいました。
残された4人の推理作家には、この屋敷でこの迷路館を題材にした小説を書くように遺言が残されていました。そして、その中で一番優れた作品を書いた者は、宮垣の巨額の遺産を相続する権利が与えられるのです。

異常な状況の中で行われた競作ですが、その最中に作者の1人が自分の書いていた小説通りの方法で殺害されているのが発見されたのです。そして、さらに事件は続きます。この事件の犯人は一体誰なのか!? それが作中の「迷路館の殺人」で語られてゆきます。

正直、作中の「迷路館の殺人」はそれ程たいした作品ではありません。しかし、全ての真相が明らかになるエピローグでは、本当に思いがけない結末が待っていて驚かされました。
まだ読まれてない方には、ぜひ一読されて、このラストの驚きと痛快感を味わって欲しいです。(^^)
水車館の殺人 (講談社文庫)綾辻行人さんの館シリーズ第2弾、「水車館の殺人」を読み終えました。

久しぶりに読み返した「十角館の殺人」が面白かったので、その勢いで館シリーズの続編にも手を出してしまいました。十角館と比べると、この水車館はトリックは弱いですが、ゴシックな雰囲気、過去と現在が交錯する構成は面白いと思います。

作品の舞台となるのは、十角館と同じく中村青司の設計した水車館です。その館で1年前に、不思議な怪事件が起きました。住み込みの家政婦が転落死し、屋敷を訪れた客の1人が失踪して、さらに屋敷に滞在していた男が焼却炉からバラバラにされた焼死体として発見されたのです。

それから1年、その時とほぼ同じような人物。同じような嵐の夜に、再び事件の関係者と探偵役である島田潔が館を訪れました。現在のやり取りが進行しつつ、その合間に過去の出来事が語られるという構成で、過去の事件の真相、そして新たな事件が解決されることになるのでした。

この作品の魅力はいろいろあると思いますが、私はその雰囲気がとても気に入りました。人里離れた山奥の館に、仮面をつけて人目を避けるように生きている主人。そして、屋敷に幽閉されるように塔で暮らしている美女。屋敷の城のような外観と、その外側で回り続ける巨大水車。
作品を読んでいる途中で、何度も水車が重い音を立ててゴトゴトと回り続ける音が聞こえてくるような気分を味わいました。
十角館の殺人 (講談社文庫)「涼宮ハルヒの憂鬱」の孤島症候群を見たせいか、久しぶりに綾辻さんの館シリーズが読みたくなって、シリーズ第1弾の「十角館の殺人」を読み返しました。

角島の十角館、そこはかって館の制作者でもあり、主でもあった中村青司が妻や使用人もろとも殺害された現場として知られていました。離れ小島で起こった事件ということもあり、その真相はいまだ謎に包まれています。

そんな島に、K**大学の推理小説研究会のメンバー7人が訪れました。彼らはその島の持ち主であった中村青司の娘・千織の死と関わっていたのでした。1週間をその島で合宿することにした彼らは、お互いを推理小説に関係したニックネームで呼び合っていました。
そして、彼らが島について間もなく、謎の犯人による殺人が開始されて、彼らは1人また1人と殺されてゆくことになるのでした。

この作品を読むのは2度目なので、犯人やトリックはわかっていたのですが、それでも十分に面白い内容でした。外部から隔絶された絶海の孤島。そこで起きる殺人事件。この設定と雰囲気には、読者を惹きつけてやまない魅力があるのだと思います。
霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)綾辻行人さんの「霧越邸殺人事件」を読み終えました。綾辻さんの作品は、館シリーズの「十角館の殺人」など何冊か読みましたが、このところ遠ざかっていました。

そんなわけで、久しぶりの綾辻作品でしたが、とっても面白かったです。
信州の山の中で、劇団「暗色天幕」のメンバーは吹雪に巻き込まれてしまいました。そこで偶然にたどり着いたのが、霧深い湖の側にたたずむ豪邸・霧越邸でした。そこには彼らより一足早く、近隣の医師が吹雪を避けてお客として迎えられていました。

屋敷の主人や使用人たちは冷たく無愛想で、さらにそれ以外にも客人たちの前には姿を見せない謎の人物も屋敷の中に潜んでいる様子です。吹雪に閉ざされて外界から孤立して、電話などの通信手段も絶たれた中、劇団のメンバーは屋敷に置かれている物の中に自分たちの名前が暗示されていることに気がつきました。

そして名前が暗示された物が壊れるごとに、1人また1人と屋敷に招かれた人間が殺されてゆきます。そして殺された遺体の側には、北原白秋の詩「雨」を彷彿させる品物が残されていました。一体誰が何の目的で、このような連続殺人を企てているのか。
劇団の主宰者の槍中という青年と、脚本家である鈴藤は、犯人を突き止めるべく推理を巡らせるのでした。

最終的に明かされた犯人とその動機、トリックも面白かったですが、それ以上に霧越邸という幻想的な雰囲気さえただよう舞台設定が見事な作品でした。屋敷の間取りだけでなく、そこに飾られている装飾品、書籍など、小物の1つ1つにまで作者の細心の注意が感じられて、この作品を読んでいる間、私自身が霧越邸の中にいるような気持ちになりました。