日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆


黄金の少女〈2〉 (トクマ・ノベルズ―ウルフガイシリーズ)平井和正さんのウルフガイ・シリーズ、「黄金の少女」第2巻を読み終えました。

前巻に登場した2人の東洋人の男女は、やはり神明と虎2でした。彼らは土地の有力者から犬を使って追われますが、その特異な能力で逆に犬たちを撃退するのでした。

そんな中、チェンバーズの街には危機が訪れていました。先行してやって来た暴走族の1人が、街の雑貨店に立てこもったのです。キンケイドは、その暴走族の男の人質になることにしました。そして男の隙を突いて、男を倒したのでした。この行為によって、キンケイドは市民から英雄として認められるのでした。

しかし、まだ本当の危機が去ったわけではありません。暴走族の本隊は、いまだにこちらに向かって進撃しているのです。キンケイドは、暴走族と本格的に激突することを覚悟したのでした。しかし、街の有力者たちはそんなキンケイドのやり方に反発します。そればかりか、暴走族を攻撃しないようにキンケイドに求めてくるのでした。

そんなキンケイドの手助けとなってくれたのは、大富豪のパットンでした。パットンは自分の武器コレクションから戦車を持ち出して、暴走族と戦う後押しをしてくれたのでした。パットンが手を出したことで、キンケイドに反発していた街の有力者たちも手を引くしかなくなったのでした。
幻魔大戦 11 (角川文庫 緑 383-25)平井和正さんの「幻魔大戦」第11巻を読み終えました。

死の病に冒されていた郁江でしたが、奇跡的な力によって見事にGENKENへの復活を果たしました。そんな彼女は、以前よりも妖精のような美しさを身につけたばかりでなく、その的確なものの見方が丈のようになってきたのでした。そして郁江を救ったことで、丈もまた大きく成長しました。これまでにはなかった、確固たる自信を感じさせるようになったのです。
そんな郁江に、秘書の杉村由紀は嫉妬じみた感情を持ってしまいます。何とか理性でそれを抑えていますが、それすらも丈には見抜かれているように思えるのでした。

そんな中、丈が執筆した「幻魔の標的」の出版が本格的に決定しました。担当の編集者は、最初この本に対して前向きではありませんが、丈の驚異的な洞察力で誤りを指摘されると、丈の本に対する態度を改めたのでした。
そして丈は、本の印税として多額の現金を手にすることになったのでした。しかし、丈には本を書いて儲けようとう発想は全くありませんでした。そのため丈は、大金を手にして戸惑ってしまうのでした。

忙しい仕事の合間を縫って、丈は田崎の元を訪れました。GENKENには入れないはみ出し者を集めて、田崎は独自に丈を支援するための組織、無名塾を作り上げていたのでした。無名塾のメンバーは、ひ弱な若者が多いGENKENとは違い、武闘派の人間が多く集まっていました。そして丈は、田崎から警察が丈を内偵しているという情報を得るのでした。しかし、そのことに丈は頓着しませんでした。

高鳥慶輔の暗躍も続いています。丈の元を訪れた女優を自分の奴隷のような存在にした高鳥は、表面上はいつもと変わらぬ態度でGENKENの活動に参加していました。そんな時、丈の姉・三千子がGENKENを訪れました。三千子と出会うように仕組んだ高鳥は、三千子に取り入ろうとしました。しかし三千子は、直感的にこの男は信頼できないと見抜いていたのでした。

さらに、そんな高鳥に郁江が追い打ちをかけます。高鳥が原因でGENKENにこなくなった女性会員のことを、郁江は真っ正面から問い詰めたのでした。単なる小娘と郁江をあなどっていた高鳥でしたが、郁江の前では丈に対しているのと同じような圧迫感を感じるのでした。そんな2人は、突然チンピラたちに襲いかかられました。郁江には不思議な守護の力が働き、そして高鳥は超能力をふるって自らの闘争心を満足させたのでした。

そして丈の新年最初の講演会が開かれようとしています。そんな時、丈のもとにアメリカの大富豪メインから電話が入りました。英語に堪能な者がいなかったために電話にでた高鳥は、そのチャンスを利用してまんまとメインに自分を売り込むのでした。
黄金の少女 (トクマ・ノベルズ―ウルフガイシリーズ)平井和正さんのウルフガイ・シリーズ、「黄金の少女」を読み終えました。

ウルフガイの続編ということで読み始めたのですが、なぜか舞台はいきなり日本からアメリカへと飛びました。リープピューマ湖のほとりに、キム・アラーヤという妖精のような少女が住んでいました。彼女は何らかの目的で、この地で保護されて生きているようです。キムは見た目は普通の少女ですが、知性の方はまるで幼児のようです。しかし、その身体能力は、人を超えた超人的なものを持っているのでした。

まだ何もかも謎に包まれているキムですが、彼女が首から提げているペンダントには犬神明の写真が入っていました。彼女はその写真をとても大切なものと思っているようです。そして明に会いたいと熱望しているのでした。

キムのところから舞台は変わり、今度はアメリカ南部の小さな街チェンバーズへと移ります。白人優位のその街に、1人の東洋人がやって来ました。彼の名前は、メイ・カムイ。その人相風体は、神明のような気がするのですが、なぜか彼はここでは別の名前を名乗っています。そんな彼の前に、この町の警察署長であるキンケイドが現れました。

キンケイドは、メイに難癖をつけるのかと思えば、逆に白人の暴虐からメイを救おうとしてくれるのでした。そんなメイは、別の街で騒動を引き起こしていました。凶暴な暴走族を叩きのめしたのです。それを恨んだ暴走族の集団は、メイがこの町にいると知って、彼を虐殺するためにこの町に向かっているのでした。

メイには、中国人女性の連れがいました。キンケイドはその女性も保護するために、女性がいるモーテルへと向かいます。そこでその女性、ミス・ハントレスと出会ったキンケイドは、持病の心臓病発作の治療をしてもらうのでした。そんな中、街には刻一刻と危機が近づいています。

キンケイドは、街を廃墟にすることも躊躇わない暴走族の暴虐をとめることができるのでしょうか。そして、政府の諜報員らしき人物に追われているメイとミス・ハントレスは、その追及の手から逃れることができるのでしょうか!?
平井和正さんのウルフガイ・シリーズ、「ブーステッドマン」を読み終えました。この作品も改題される前は、「狼のレクイエム第二部」として発売されていたらしいです。

西城は、インディアンの殺し屋チーフスンを仲間に引き込みました。しかし、完全に彼のことを信頼しているわけではないようです。そんな西城のターゲットは、CIA日本支部の長・ハンターです。米軍の駐留地に彼がいることを知った西城は、ハンターの住処に恵子、チーフスンと共に忍び込んだのでした。そして娘のエリーを人質にして、西城はハンターから情報を聞き出します。そして西城は、M部隊と呼ばれるブーステッドマン(強化人間)の軍団が、狼人間を捕獲するために動き出したことを知るのでした。

その頃、犬神明と虎4は、青鹿晶子を救うためにCIA日本支部へ潜り込もうとしていました。しかし、警戒厳重な日本支部へは、いかに超人的な狼人間とはいえ簡単に忍び込めません。そこで犬神たちが取った作戦は、地中に穴を掘り支部まで掘り進むというものでした。超人的な努力の末に、犬神たちはついに支部への潜入を果たしました。

しかし、そこで犬神を待っていたのは、青鹿の体を冒している麻薬の解毒剤はないという冷酷な真実でした。さらに、犬神たちはM部隊が虎部隊が潜伏している村を襲おうとしていることを知りました。さらに西城もそれを追ったことを知った犬神は、青鹿のいる村へと帰ろうとします。しかし、その時支部の防御システムが復活しました。そのせいで、犬神のパートナー・虎4は命を落としたのでした。

そして舞台は、長野県の伊那谷へと移ります。そこには先行したM部隊が、虎部隊を倒して狼人間を手に入れるための準備を着々と整えていたのでした。それに追いついた西城たちは、M部隊を襲おうと計画しますが、ここで西城の体に異変が起きました。狼人間の血清で手に入れた不死身の力が、西城の体から抜け出してしまったのです。

それでも西城は、M部隊に攻撃を仕掛けます。薬によって身体能力を強化されたM部隊は、恐るべき強敵でした。しかも彼らは、毒ガスをまいて虎部隊のいる村を全滅させようとしていたのでした。戦いの中、強化人間との戦いで恵子が命を落としそうになりました。それを救ったのは、駆け戻ってきた犬神明でした。そして犬神明は、西城が血清の力で不死身の肉体を得たことを知るのでした。

今回は、西城と犬神、2つの視点から物語が進行しました。M部隊の実力は狼人間に匹敵するものがありましたが、それでも満月の狼人間にかなうほどのものではありませんでした。果たして犬神は、青鹿を救うことができるのでしょうか。そして、西城はこの先どんな生き方を選ぶことになるのでしょうか。不死鳥計画の行方も気になりますし、この先の展開が楽しみです。
平井和正さんの「幻魔大戦」第10巻を読み終えました。

郁江のことを心配する丈は、秘書の杉村由紀にも行き先を告げず失踪してしまいました。そんな中、GENKENに1人のお客が訪れました。以前、丈に会いに来て暴言を吐いて帰って行った女優でした。彼女は何かに怯えて、丈に会わせろと由紀たちに迫ったのでした。しかし丈の居所を知らない由紀は、どうすることもできません。

そんな女優に声をかけたのが、高鳥慶輔でした。高鳥は女優に嘆願されて、彼女の自宅マンションまで同行することになったのでした。彼女は江田四朗と関わり、周囲の人間もその力の虜にされて、1人で怯えていたのでした。高鳥は、そんな女優を助けるために、丈に言われていた約束を破って、超能力を使いました。そうして彼は女優に近づこうとしていた襲撃者を撃退したのでした。

自分の超能力が思いの外強力なものであったことから、高鳥は変な自信を持ってしまいました。これで丈も自分のことを対等な超能力戦士として認めるしかないと思い込んだのです。そして高鳥は、自らの裡からわきあがってきた欲望の虜になり、女優をなぶり者にするのでした。

その頃、丈の自宅には手術のために入院した郁江が病院からいなくなったと知らせがありました。三千子はそれを心配しますが、丈の行方はわからずどうしようもありません。その時、なんと郁江は吹雪の大峰山脈にいたのでした。何者かに導かれるかのようにさまよっていた郁江は、凍死寸前のところを山で祈っていた丈に助けられたのでした。

丈は郁江を救うために、多くの生体エネルギーを郁江に注ぎ込みました。そのおかげで、これまで何度も明雄が力を送っても消えることがなかったお腹のしこりが、郁江の体から消え失せたのでした。そして郁江は、自分が生まれ変わったのかのような気分を味わうのでした。そして自宅に帰るため、郁江は丈と共に空を飛ぶことになりました。この場面は、とってもきれいでした。

そうそう。この巻では、田崎にも動きがありました。田崎や市枝、康夫のように、以前の行いがあまりよくなくGENKENに参加するのは敷居が高いものたちを集めて、田崎は新たな組織を作ろうとしているようです。
平井和正さんのウルフガイ・シリーズ、「虎精の里」を読み終えました。この作品は、かって「狼のレクイエム第一部」として発売されていた物が、何度か改題されて現在のタイトルになったらしいです。

狼人間の血清を手に入れて、CIAに反逆して殺されたかに見えた西城恵。しかし、彼は日本の諜報組織・内閣情報室に命を拾われて生き延びていたのでした。しかし生き延びはしたものの、日本のJCIAは西城を自分たちの犬として使おうとしました。なんと彼らは、西城を助けた時に彼の体内に爆弾を埋め込んでいたのでした。

そんな西城の監視役になったのは、青鹿晶子と同じ顔に整形された西恵子という女性でした。しかし西城は、監視がありながらも、自由気ままに振る舞うことをやめませんでした。そして西城は、自分を殺そうとしたCIAに復讐すると共に、密かに隠した狼人間の血清を手に入れるために動き始めたのでした。

そこで西城は、かって自分と共に戦ったインディアンの血を引く非合法工作員チーフスンと対決することになったのでした。しかし非情なCIAは、チーフスンすら捨て駒と考えていました。西城たちはCIAの暗殺部隊に囲まれて、絶体絶命の危機に陥りました。そんな中、西城は狼人間の血で手に入れた驚異的な力を発揮してその場を切り抜けるのでした。

しかし、その時に西城の監視役の西恵子が傷ついて瀕死の重傷を負ってしまいました。これまで自分のことだけを考えて生きてきた西城でしたが、なんと重傷の恵子のために貴重な狼人間の血清を使って彼女を蘇生させたのでした。そんな彼の行動を見たチーフスンは、西城と行動を共にすることを決めたのでした。

一方、その頃犬神明たちは中国の諜報機関・虎部隊の保護下にありました。しかし、数々の男たちに侵されてきた青鹿が妊娠していることが判明しました。しかし、青鹿は麻薬で廃人のようにされてしまったことが原因で、子供を出産すれば命が危ない状況に陥っていました。そんな状況から青鹿を救うために、犬神明は麻薬の解毒剤を手に入れるためにCIAの日本支部長を人質にする計画を立てたのでした。

「狼の怨歌」に続いて、この作品でも犬神明よりは西城恵に重点が置かれた展開でした。日系二世である西城は、戦時中に日系人であることを理由にさまざまな迫害を受けていました。それが彼が殺人者として生きるきっかけとなっていたのでした。そして誰も信じず、一匹狼として生きていく西城という人間ができあがったのでした。
この作品は、そんな殺人マシンのような西城に、人間的な心が蘇ってくる過程が丁寧に描かれていました。今はまだ西城の心に起きた変化は小さなものでしかありませんが、今後彼がどう変わっていくのか気になります。
平井和正さんのウルフガイ・シリーズ、「狼の怨歌」を読み終えました。

「狼の紋章」において死んだと思われていた犬神明、彼はまだ生きていました。重傷を負って心停止に至りながらも、驚異的な再生能力で犬神明は蘇っていたのでした。しかし、そんな彼は名誉欲に取り憑かれたキチガイ医者に捕らわれて、人体実験の材料にされていたのでした。

ルポライターで狼人間でもある神明は、中国の工作員・虎4と出会い犬神明がまだ生きていることを教えられました。そして犬神明を狙っていたのは、キチガイ医者だけではありませんでした。一部の白人だけによる世界を築こうという不死鳥計画を推進するCIAもまた、犬神明の体を狙っていたのでした。

そんなCIAの非合法工作員・西城恵もまた、不死身人間の秘密を知りました。秘密を探る神明を尾行した西城は、人体実験で不死身の怪物に変えられた看護婦と対決することになってしまったのでした。凄惨な戦いが行われる中、神明はなんとか犬神明を救出することに成功しました。

逃げ出した神明と犬神明を捕らえようと、CIAは容赦なく捜索の手を広げてきます。そんな包囲網から彼らを守ったのは、虎人間でもある中国の工作員・虎4たちでした。しかし卑劣なCIAは、犬神明にとって大切な青鹿晶子を囮として彼らをおびき出そうとします。

ウルフガイ・シリーズ第2作ですが、あまりにも過激な殺戮描写があって驚きました。平井和正さんの作品を読んでいるというよりは、大藪春彦さんの作品を読んでいるような気分になりました。今回から登場したキャラの中では、CIAの殺し屋・西城がちょっと気になる人物でした。
平井和正さんの「幻魔大戦」第9巻を読み終えました。

郁江を襲う病魔は、いまだに去っていません。毎日明雄が郁江の元に通って心霊治療を行っているのですが、翌日には症状が再び元に戻ってしまうのです。その原因は、毎晩深夜2時に郁江を襲う怨念にあると見た丈は、その時刻に郁江の元を訪れることにしたのでした。

秘書の杉村由紀、そして郁江と共に丈は、その怨念と立ち向かいました。それはなんと、これまで一緒にGENKENでがんばってきた久保陽子の怨念だったのでした。怨念の暗黒の力をサイコバリヤーで防ぎつつ、丈は怨念を撃退しました。しかし、そんな丈に対して郁江は放っておいて欲しかったと言い放ちました。

普段は感情を表にしない丈ですが、この時ばかりは郁江に張り手を浴びせました。そんな丈の一撃を受けて、ようやく郁江は正気に戻ったようです。これまで人間関係だけでなく、病気に対しても構えたところを見せていた郁江でしたが、丈の叱責を受けて一変して素直になったのでした。

そして、1967年も終わろうとしています。GENKEN本部では、年末まで多くの会員が詰めかけていました。そんな中に、押しかけ会員の高鳥慶輔もいました。おとなしい会員が多いGENKENの中にあって、高鳥は熱意のある若者でした。高鳥は丈が挨拶するところを見計らって、丈に質問をぶつけようとしました。しかし、逆に丈から質問をぶつけられ、みんなの前で自分が持っている超能力を公開することになりました。

ところが、どれだけ高鳥が念を送っても、超能力は働きません。そんな高鳥の未熟な超能力を、そしてそれを公開実験という形で世に広めればどんな結末が待っているかを丈は厳しく教えるのでした。ただ、高鳥から提案のあったGENKENの青年部を作ることは承認しました。来年は、GENKENの中に新たな動きが起きそうです。

由紀と共に自宅に帰った丈は、田崎たちの訪問を受けました。田崎の元には、元不良でありながら丈に心服している人間が集まり始めていたのでした。そんな中、後に残った市枝から、丈は郁江が癌の摘出手術を受けようとしていることを知りました。自分の力を信じてくれないのかと、丈は大いに悩むことになるのでした。

この巻では、年末のGENKENの慌ただしさが描かれました。いつも自分に厳しい丈ですが、その厳しさはますます強まっています。そのあまりのストイックさに、読んでいて辟易してしまうところがありました。以前、ソニーが指導者の器のことを言っていましたが、今ひとつ丈には指導者としての器の大きさが欠けているように思えました。
平井和正さんのウルフガイシリーズ、「狼の紋章」を読み終えました。

青鹿晶子は、街で不思議な雰囲気をたたえた少年と出会いました。それが青鹿先生と、犬神明の出会いだったのでした。やがて犬神明は、青鹿先生が教師を務める博徳学園へと転校してきました。しかし、その中学は影では悪徳学園と呼ばれる、不良少年たちがやりたい放題に振る舞っている無法地帯だったのでした。

そこで犬神明は、学園のボスである羽黒獰と出会いました。羽黒は、犬神に目をつけて彼を倒す機会を窺っています。しかし犬神は、そんな彼らを相手にしませんでした。彼は狼のように高貴で孤立した存在だったのでした。羽黒の手下たちは、そんな犬神を一方的に痛めつけます。しかし、犬神は全く手を出さないばかりか、逆に手を出した少年たちの方が自らを傷つけてしまう結果になるのでした。

そんな犬神に勇気づけられて、学園の中に暴力を追放しようという機運が生まれます。しかし、それに対しても犬神は無関心だったのでした。狼人間である彼にとって、人間たちの争いなど歯牙にかける価値もないものだったのでした。

しかし、羽黒に青鹿先生を人質に取られた時、犬神は爆発しました。羽黒の手から青鹿先生を取り戻すために、犬神はたった1人で暴力団事務所である羽黒の自宅へ乗り込んでいくのでした。

この作品、かって一度読んだことがあるはずなのですが、その内容はほとんど記憶に残っていませんでした。しかし、今読んでも孤高の少年・犬神明が魅力的ですし、ヒロインとしての青鹿先生も可愛げがありますね。狼男という超常的なものを扱いながら、作品の内容は腐敗した教育現場を告発する内容になっていて、そういう意味ではこの作品はまだ古くなっていないと感じました。
平井和正さんの「幻魔大戦」第8巻を読み終えました。

この巻から、丈の秘書として才媛の杉村由紀が就任することになります。由紀は、クリスマス講演会で丈の話を聞いて、ようやく巡り会うべき相手に会うことができたのだと、全てをなげうって丈の元へとはせ参じたのでした。そのために、これまで勤めていた大学教授の秘書を辞めて、丈の秘書となることを決意しました。しかし、お金がない丈には、由紀に満足な給料を支払うことすらできないのでした。由紀はそんなことを気にしていませんが、それでも丈は申し訳なく思ってしまうのでした。

そんな中、これまで丈の秘書役を務めていた井沢郁江がGENKENに姿を見せなくなりました。友人の圭子には、単なる風邪だと言っていましたが、実は郁江は深刻な病に冒されていたのでした。なんと郁江は、幻魔からの攻撃を受けて、子宮癌を患っていたのでした。それを察知した丈は、郁江に会おうとしますが、それすらも郁江は拒否する構えです。

そこで丈は、自分の代理として木村市枝と明雄の姉弟に郁江の元へと行ってもらうことにしました。難病に冒されていた明雄ですが、今ではかなり回復して超能力者としての素質も開花していました。そんな明雄と、テレパシー能力者でもある杉村由紀とが連携して、丈の力を郁江に送り届けようというのです。

郁江に会おうとした市枝たちは、最初郁江の母親に頑強にそれを拒否されます。しかし、郁江自身が姿を見せたことで、引き下がるしかなくなりました。そして郁江の治療が始まりました。郁江の体の中には、いつの間にか黒いボールのようなものが入れられていたのでした。そして、それが郁江を病ませているのでした。丈は明雄を通して力を送り、その黒いボールを破壊するのでした。

しかし、郁江の危機がまだ完全に去ったわけではありません。何者かが毎晩深夜2時に、郁江に怨念のような想念を送ってきているのです。丈はその何者かと対決することを覚悟するのでした。

その間にも、丈は忙しい毎日を送っていました。講演会が噂となり、各界の著名人が丈に会いたいと申し入れてきていたからです。その一方で、以前に書いた原稿が本になることも決定して、丈はこれからますます忙しくなっていきそうでした。しかし、そんな中で丈は肥大化しすぎたGENKENを見なおし、さらに会を縮小させることを決意しました。その裏には、丈を敵視している江田四朗の存在がありました。

四朗もまた、丈をなぞるように霊能者としての名声を高めていました。そんな四朗の攻撃でぐらつかない堅固な組織を作るためにも、丈は会の縮小を決意したのでした。

前巻でお話が盛り上がったので、今回はやや拍子抜けするところもありました。丈は多くの人と語り合い、演説をしますが、やはりその話し方は高校生らしくない・・・というか、ある意味おっさん臭いなあと思いました。(^^;
平井和正さんの「サイボーグ・ブルース」を読み終えました。作者自身の言葉によれば、この作品は8マンへの鎮魂歌として書かれた作品だそうです。

主人公のアーネスト・ライトは、同僚に熱線銃で撃たれて殺されました。しかし、彼の脳細胞は、サイボーグへと移植されて、彼はサイボーグ特捜官として生まれ変わったのでした。そんな彼の心には、怨恨や憎しみしかありませんでした。サイボーグとなった彼からは、人間だった時の喜びは全て失われてしまっているのですから・・・。

物語は連作短編の形で、ライトがサイボーグ特捜官をやめる原因となった事件、そして超能力者集団との出会い、サイボーグ特捜官のライバルであるシンジケートの殺し屋サイボーグとの戦い。そしてシンジケートとの戦いが描かれました。作品全体には、退廃的で哀愁に満ちた雰囲気が漂っていて、かなりハードボイルドな雰囲気の作品です。

ライトの生きる世界では、世界は1つの連邦政府によって統治されています。しかし、その世界でも白人による黒人差別などの人種差別はなくなっていないのでした。そして闇の勢力として大きな力をふるっているのが、犯罪者のシンジケートです。サイボーグ特捜官は、そんなシンジケートの生み出した怪物、殺し屋サイボーグを倒すために生み出された存在だったのでした。

8マンと同じく、サイボーグ特捜官には特別な力が秘められています。その中でも最大の力は、加速能力です。通常の何万枚もの速さで動けるサイボーグ特捜官を倒せる者は、この世界のどこにもいないのでした。
加速装置と聞いて思い出したのはサイボーグ009ですが、なんとこのアイディアは8マンの方が先だったんですね。
平井和正さんの「幻魔大戦」第7巻を読み終えました。

この巻では、丈が再び江田四朗と対決することになりました。
丈の姉・東三千子は、丈と共にGENKENを立ち上げた久保陽子の母親から電話を受けました。深夜にも関わらず、陽子が帰ってこないというのです。陽子は丈から呼び出されたと陽子の母は決めつけて、一方的に丈を非難します。しかし、三千子には今丈がどこにいるのかさえわからないのでした。

そして三千子は、丈に心で呼びかけます。その最中、三千子の幽体は体を離れて、陽子のいる江田四朗の元へと赴いたのでした。そこで三千子は、幻魔となってしまった四朗と対面することになるのでした。四朗とその手下たちは、三千子を脅かしますが、彼らには三千子を傷つけることはできません。そればかりか三千子は、自らの秘められた力、炎を操る力で彼らを焼き尽くすのでした。

三千子が正気に返ると、そこには丈がいました。丈は今まで田崎と共にいたのでした。しかし、三千子の身に異変が起きたことを知って帰ってきたのです。三千子から陽子が消えたことを聞かされた丈は、自ら江田四朗のところに乗り込む決意をしました。そんな丈に、三千子や田崎、郁江も同行するのでした。

四朗は、とあるお寺を本拠地として自らの支持者を集めていました。そこにやって来た丈は、四朗に陽子を返すように要求しました。意外とあっさりと四朗は陽子を返しましたが、陽子はまるで人形のようで自らの意志を失っていたのでした。陽子がそんなに変わり果ててしまったのは自分の責任だと、丈はまた自らを責めるのでした。

そして、陽子の騒動で睡眠も取らぬまま、とうとう丈はクリスマス講演の日を迎えました。そこには、会員たちの予想を超えた人数が集まっていました。集まった人々に丈は、世界の真実を語り始めます。そして自らは救世主ではないことも断言するのでした。さらに丈は、いつか必ず真の救世主が現れることも伝えました。そして、その一方で偽物の救世主、悪の救世主が現れて人々を惑わすことを教えたのでした。

そして丈は、人々に偽物に惑わされることなく、本物を見抜く目を持って欲しいと訴えかけました。そして真の救世主の姿も人々に伝えました。真の救世主、それは不思議な力であっという間に世界に平和と安らぎをもたらす存在ではありませんでした。自らにも、そして他者にも厳しく、人々を正しき道へと導いていく者だと教えたのでした。

こうして大喝采の中、丈のクリスマス講演会は終了しました。そこには丈を祝福する多くの人々が集まっていました。これまでに丈に導かれてきた者、そしてこれから丈と共に歩もうとする人々でした。

丈の講演内容を今回あらためて読み返して、その内容に愕然としてしまいました。オウム真理教が現れるずっと前に、そのような存在が現れて人々を惑わすことが既にこの本の中で予見されていたからです。そして、現在の私たちの状況の厳しさ、悲しさもまた、この講演で語られていました。この本が書かれた時代よりさらに、今の時代は幻魔にとって人類につけいりやすい時代なのだと感じました。

それにしても、この作品はSF小説という枠を越えたとんでもないお話だと思います。特に、作品が内在しているパワーが凄いです。じっくり読み込むと、論理的に破綻している部分が指摘できるかもしれませんが、そのような細事を越えて作者が読者に何かを伝えようとしている圧倒的な力を感じます。
平井和正さんの「幻魔大戦」第6巻を読み終えました。

GENKENのクリスマス講演会が近づいています。そんな中、丈の父・東龍介が久しぶりに自宅へ帰ってきました。丈を呼びつけた龍介は、いきなり頭ごなしに丈を叱りつけました。そして、新興宗教のような活動をやめろと一方的に命令するのでした。さらに激昂した龍介は、丈は自分の子供ではないとまで言い出すのでした。

しかし、丈はあくまでも冷静でした。そんな丈の様子に、龍介も冷静さを取り戻すのでした。そして、丈や三千子が知らなかった、幼い頃の丈のことを語り始めるのでした。なんと丈は、幼い頃にすでに超能力を使っていたことがあるというのです。庭の石灯籠を宙に浮かべたり、怪しげな怪物を呼び出して遊び相手にしていたことがあるらしいです。そんな丈の様子を見て、龍介は丈は我が子ではない、化け物だと思い込んでいたのでした。

GENKEN本部は、講演会の準備に追われています。そんな中、市枝が丈に電話してきました。康夫が何か情報をつかんだので話を聞いて欲しいと言うのです。郁江と共に康夫のところに訪れた丈は、江田四朗の驚くべき活動を知らされるのでした。

丈に対する憎しみから、江田四朗は魔王のような力を身につけていました。その力をふるって、四朗は都内の番長グループを仲間に引き込んだだけではなく、今では警察などの公的機関にも大きな力を持っているようです。
さらに四朗は、美しい女性を集めて黒ミサの儀式のようなことまで行っていたのでした。それを知った丈は、激しく動揺しました。危険が自分に及ぶだけなら覚悟はありますが、それがGENKENの会員に及んだ時、それを守りきれる自信が丈にはなかったのでした。

そんな丈を郁江は叱りつけます。しかし精神的に追い詰められていた丈は、危険を回避するためにGENKENを解散するとまで言い出すのでした。郁江の説得で、なんとか解散は思いとどまりましたが、それでもまだ丈は迷いの中にいます。この先、丈やGENKENはどうなっていくのでしょうか。
平井和正さんの「幻魔大戦」第5巻を読み終えました。

高校の文芸部の分科会としてスタートしたGENKENでしたが、平山圭子の父親が拠点となるビルを提供してくれたこともあり、一般人も対象とした組織へと大きく変わっていこうとしているのでした。しかし、丈の思惑とは別に、GENKENは大人が関わったことで腐敗の色を濃くしていたのでした。最初はそれを黙認していた丈でしたが、幹部が集まった会議での席上、ついにその怒りが爆発したのでした。

この巻から大きくクローズアップしてくるキャラが2人います。井沢郁江と木村市枝です。郁江はGENKEN会員がみな丈のことを先生と呼ぶのに対して、いまだに丈のことを東君と呼び続けていたのでした。そんな自由奔放な振る舞いから、郁江はいつしか男性会員から"郁姫"と呼ばれる存在になっていったのでした。
もう1人は、スケバンの木村市枝です。彼女は偶然、郁江に難癖をつけていて丈と知り合いました。市枝はかって両親が新興宗教に手ひどくだまされたことから、丈のGENKENにも胡散臭いものを感じています。しかし丈が病気の弟を救ったことで、心を入れ替えるのでした。

そして、丈から離れていくものもいます。GENKENで丈の右腕として働いていた久保陽子です。陽子は、GENKENがじょじょに変質していったこと、そして過去の自分が持っていた嫌いな人間を呪うことができる力を恐れて、丈と距離を置くようになっていったのでした。それを丈は寂しく思いながらも、どうすることもできません。

また、丈に対する反発心から、かっての親友だった江田四朗もまた丈に対抗する組織を作り上げているようです。
そんな四朗の周囲には、愚連隊のような怪しげな人間ばかりが集まっているようです。そして四朗は、丈を憎むあまり、彼自身も怪しげな力を手に入れたようです。

この巻から、丈の宗教活動もいよいよ本格化してきます。かって読んだ時には、丈の活躍にしびれていましたが、今読み返してみると、いきなり地球の超古代文明が幻魔と対決したことがあると言い出したり、話の内容が突拍子もないことに驚きました。そして、そんな丈にあっさり心服してしまう大人にも驚きました。

また丈は、自分の超能力は封印して使わないと度々言っていますが、丈を脅迫してきた市枝を咳き込ませたり、襲いかかってきたチンピラを撃退したりと、けっこうあちこちで力を発揮しています。(^^;
さらに、この巻では病気の市枝の弟を癒すという救世主のようなことまでやっています。こんな丈の活躍は、たしかにかっこいいのですが、その一方でやはり力をふるわなければ人は心服しないのかとも思えました。
平井和正さんの「幻魔大戦」第4巻を読み終えました。

この巻から、小説版「幻魔大戦」はマンガ版「幻魔大戦」と大きく異なっていくことになります。

ニューヨークから帰ってきた丈は、再び普通の高校生としての生活に戻っていました。しかし丈が大きく変わったことは周囲にも明白で、そんな彼に惹かれて丈の周囲には人が集まり始めました。最初に丈に声をかけてきたのは、文芸部に所属する久保陽子でした。彼女は丈が悪魔のような超能力を持っているという噂を聞き、丈に興味を持って話しかけてきたのでした。

これまで丈の話は姉の三千子以外には理解されませんでした。しかし、久保陽子は丈の宇宙を2分する大きな戦いや幻魔との戦いといった突拍子もない話を苦もなく受け入れたのでした。こうして丈は文芸部に籍を置くことになり、丈の周囲には丈に興味を持った生徒たちが集まり始めました。その多くは、丈の美貌に関心を持つ女生徒たちでした。

そして、丈に関する関心はとどまるところを知りません。そして丈たちは、幻魔研究会、通称GENKENという組織を立ち上げました。プリンセス・ルナのような大がかりな組織は無理でも、丈は自分なりに世界の真実を多くの人に伝えていこうと決意したのでした。

当然、丈に心酔する者ばかりではなく、丈に反発する者も数多くいました。その筆頭が、学園の番長さえも支配下に置いている、政治家の祖父を持つ田崎宏でした。田崎たちは、丈たちが計画するGENKENの総会を邪魔する気でいました。それを知った丈は、総会を前に田崎と1対1で会う約束を取り付けたのでした。

丈から果たし合いを申し込まれたと思い込んだ田崎は、丈をぶちのめすつもりで指定された場所へとやって来ました。しかし、丈は田崎に対して全く無抵抗で、田崎のなすがままに打ちのめされてやったのでした。そんな丈の姿を見て、田崎は心を動かされました。こうして丈の反対派の先鋒であった田崎は、丈に心服したのでした。

そして、いよいよGENKENの総会が始まりました。そこには丈の超能力に関心を持つ者、丈に反発する者など、多くの人間が集まってきました。そこで丈は、堂々と講演を行い宇宙の真実をみんなに伝えるのでした。しかし、その時、反対派のグループが騒ぎ始めました。その筆頭となったのは、かっての丈の親友・江田四朗でした。
荒れ狂った反対派は、丈に対して暴行を加えようとします。それを制したのは、丈に心服した田崎でした。

こうして丈の最初の講演は、大成功のうちに終了したのでした。しかし、GENKENは組織としてまだまだ未熟です。丈はこの組織を、幻魔に対抗できるような強固なものにしていけるのでしょうか。

この巻から、幻魔大戦は新興宗教のような様相を呈してきます。学生時代には、丈の講演シーンなどを熱狂しながら読みましたが、今読むと丈たちの活動にちょっと青臭さを感じてしまいます。それだけ私が年を取ったということなのかと、感慨深い気持ちになりました。(^^;
平井和正さんの「幻魔大戦」第3巻を読み終えました。

第3巻では、ハーレムでの戦いが描かれました。泥棒に入った兄を警察に逮捕されたソニーは、警察署に殴り込みました。ところが、その警察署の署長は既に幻魔に取り憑かれていたのでした。テレポート能力を封じられて、ソニーは幻魔に捕まってしまったのでした。

その頃、ソニーが起こした騒ぎをきっかけに、ハーレムでは大規模な黒人の暴動が起きようとしていました。ピンチに陥ったルナが放ったテレパシーは、東京にいる東丈のところまで届きました。プリンセスを助けるため、丈はアメリカへと向かったのでした。

その間にも、ソニーを取り込んだ幻魔は巨大なミートボールへと成長していました。その幻魔とベガは戦うことを決意しました。しかし、幻魔の防御は固く、ベガの超兵器でも破壊することができないのでした。そんな中、アメリカに到着した丈は、ルナがテレパシーで知った弱点を攻撃してソニーを救い出しました。ところが、今度はルナとベガが幻魔の触手に捕まってしまったのでした。

ルナとベガを救うには、ソニーのテレポート能力しかありません。しかし、ソニーは幻魔の恐ろしさに怖じ気づいて逃げ出してしまったのでした。為す術のない丈たちは、ソニーが帰ってくることを信じて待ち続けます。黒人たちを蹂躙する幻魔を目の当たりにしたソニーは、白人は嫌いだけれどプリンセスを助けることを決意したのでした。

こうして、丈、ソニー、ルナ、ベガが連携しての攻撃が始まりました。その攻撃で、ようやく幻魔の固い防御を突破して幻魔を倒したのでした。しかし、そんな超絶な攻撃でも幻魔の核を倒すことはできませんでした。追い詰められた幻魔は、手当たり次第に人間を集めて肉団子のようにして襲いかかってきました。人間を盾としたその攻撃に丈たちは躊躇しますが、より多くの人々を救うために幻魔を倒したのでした。

ここで丈は、超能力の使いすぎが原因で倒れてしまいました。倒れた丈たちが落ち着いたのは、プリンセス・ルナを支援してくれる大企業クェーサーのオーナー・メイン社長の下でした。そこでルナたちは、幻魔と戦うための超能力者集めを開始しようとしていたのでした。しかし、それよりも丈は姉の三千子のことが気になっていました。
簡単には幻魔が倒せないことを知った丈は、三千子が復活した幻魔に襲われるのではないかと心配したのです。
こうして丈は、プリンセス・ルナたちと別れて1人東京へと帰還したのでした。

ここまでの流れは、ほぼマンガ版の「幻魔大戦」と同じです。ただ、ルナの支援者である大企業が真幻魔大戦に登場する企業と同じ名前だったりして、シリーズを関連づけようとしていることが窺われます。
平井和正さんの「幻魔大戦」第2巻を読み終えました。

前巻で強大なエスパー戦士として覚醒した東丈。しかし彼はまだ悩みの中にいました。プリンセス・ルナと出会ったことで、世界を意のままにするという子供じみた夢は消えましたが、自分の強大な力をどう扱ったらいいのか、幻魔とどう立ち向かうべきなのか悩んでいたのでした。

そんな丈の心の支えとなったのは、幼い頃から丈をかばい育ててくれた姉・東三千子でした。三千子は、動揺する丈を落ち着かせると、いったい丈の身の上に何が起きたのかを問いただしました。そこで丈は、自分の体験した突拍子もない話を姉に聞かせました。そんな丈の言葉を、姉は当然のように全て受け入れてくれたのでした。

その日、丈はかっての恋人・沢川淳子に呼び出されていました。2人の関係はすでに切れたはずなのに、今更何をと思いつつ、丈は淳子と会うことにしました。しかし、淳子はこれまでの淳子とは違っていました。何か禍々しいものに取り憑かれていたのです。すでに幻魔の尖兵は、地球へと手を伸ばし、強大な戦士となり得る丈を取り込もうと活動を開始していたのでした。

幻魔に取り憑かれていたとはいえ、淳子を殺してしまったかもしれないと丈は悩みます。そんな丈に、三千子はきっぱりと事件のあった現場へと連れて行けと要求するのでした。そこを訪れた丈と三千子は、そこで淳子が何者かに体の中身を食べ尽くされて皮だけの存在になっていたことを知りました。そして、淳子だけでなく、淳子の家族や使用人までが幻魔の犠牲となっていたことを知るのでした。

淳子を使った幻魔の作戦は失敗しましたが、既に幻魔は次の手をうっていました。今度は刑事になりすまして、丈の姉・三千子を狙ってきたのです。幻魔に取り憑かれた刑事に襲われて、三千子は体を乗っ取られそうになりますが、突然激しい炎が巻き起こり、幻魔を焼き尽くしてしまったのでした。

そして物語は、ニューヨークへと飛びます。そこでは、ルナとベガが次のエスパー戦士を求めてハーレムへとやって来ていました。しかし、ルナの心は黒人への嫌悪感でいっぱいでした。ようやくテレポーテーション能力を持った子供・ソニーと出会いますが、2人は白人と黒人ゆえの対立から協力関係を築くことはできなかったのでした。
そんなルナたちの様子を見て、ベガは地球のエスパー戦士たちがまだまだ未熟な存在であることを痛感するのでした。

この巻も、基本はマンガ版の幻魔大戦にそった展開になっています。しかし、丈の姉・三千子の心情描写などにかなりの枚数が使われているなど、この先のマンガ版とは違った流れとなりそうな前兆は感じられます。
何十年かぶりで、平井和正さんの「幻魔大戦」第1巻を読み返しました。

元々この角川文庫版は、それより前に石森章太郎さんと共に制作されたマンガ版「幻魔大戦」をノベライズ化することを目的に執筆が始まったようです。ところが、書いている途中でマンガ版からは離れて、独自路線の物語へと進化していったのだそうです。

とはいえ、第1巻ではまだマンガ版にほぼ忠実な内容となっています。トランシルヴァニアのプリンセス・ルナは、アメリカへ向かう飛行機の中にいました。その機内で、ルナはとある未来を見るのでした。それは、この飛行機が墜落してしまうというものです。当然、ルナも一緒に命を落とすべきところですが、彼女の意識は墜落と共に遥か彼方の宇宙へと飛びました。そこでルナは、神にも等しい超意識体フロイと出会うのでした。

そこでフロイから幻魔の脅威を知らされたルナは、地球に戻って幻魔と戦うエスパー戦士たちを集めることになるのでした。そんなルナの参謀役としているのは、異世界で幻魔と戦い敗れたサイボーグ戦士ベガでした。2人は、超能力の素質を持つ者を求めて動き始めたのでした。

舞台は日本へ移ります。高校2年生の東丈は、チビだけれどガッツだけは誰にも負けない少年でした。しかし、彼は野球部のレギュラーには選ばれず、恋人からも別れ話を持ち出されてしまいます。そんな失意の丈の前に、ベガが現れます。鬼のような異相のベガに追われた丈は、ベガから逃れるためにたぐいまれな超能力の資質を開花させるのでした。

自分の隠された力に気づいた丈は、その力に酔いしれます。これまで他人に抑圧されることが多かった丈は、その力を使って今度は逆に他人を支配してやろうと考えたのでした。ところが、そんな丈にプリンセス・ルナはテレパシーで精神攻撃を仕掛けてきます。そこで幻魔の恐ろしさをしった丈は、エスパー戦士の1人として戦うことを決意するのでした。

この本を読んでいると、学生時代のことが思い出されます。その当時、学研のオカルト雑誌「ムー」が大好きだった私は、友人からこの作品を教えられて一気にはまりました。思い返してみれば、この「幻魔大戦」と「超人ロック」は、私に絶大な影響を与えた作品だと思います。
死霊狩り(ゾンビー・ハンター)〈1〉 (ハルキ文庫)久しぶりに、平井和正さんの「死霊狩り(1)」を読み終えました。

平井和正さんの作品といえば、学生時代に「幻魔大戦」に大はまりして、その後ウルフガイ・シリーズなども読んだりしましたが、作品として一番面白くて完成度が高いのは、この「死霊狩り」シリーズではないかと思います。

主人公のレーサー・田村俊夫はレース中に大事故にあったのを、奇跡的に生き延びました。レース界への復帰を目指す彼でしたが、彼を雇っていたチームはあっさりと彼を切り捨ててしまいました。そんな時、謎の秘密機関が彼に接触してきました。
その訓練に参加して生き延びれば、高額の報酬を手に入れることができることに釣られて、俊夫はゾンビー島へと赴きました。

そこで俊夫を待っていたのは、想像を遙かに超えた恐るべき殺戮地獄でした。その殺人的な訓練を何とか生き延びた俊夫でしたが、やがて彼はその組織が宇宙からやって来た謎の侵略者・宇宙人と対決するために組織されたものだと知るのでした。

しかし、そんな荒唐無稽な話を信じられない俊夫は、ゾンビー島から日本へと帰還しました。久しぶりに日本で愛する姉と恋人と再会した俊夫でしたが、ゾンビーたちの魔手は既に俊夫の側まで迫っていたのでした。

この作品、あらすじだけ抜き書きすると陳腐な内容に思えますが、作者の迫力のある文体で書かれると、その世界観や人物像がリアリティを持ってくるのが凄いです。作品の設定としてはSFなのですが、主人公のストイックさや非情さ、そして殺戮のプロとしてのしたたかさは、一級のハードボイルド小説にも負けない魅力があると思います。