日々の記録

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銀河英雄伝説 〈10〉 落日篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」、本伝の完結編である第10巻を読み終えました。

最終巻となる10巻では、ラインハルトとヒルダの結婚式から始まりました。しかし、挙式の途中で再び惑星ハイネセンで反乱が勃発しました。皇子を身ごもっているヒルダをフェザーンに残し、ラインハルトは自らも再び出征を決意しました。

当面、惑星ハイネセンはワーレンが治安の任をつとめていました。そんな中、帝国内ではイゼルローン要塞に民主共和主義者が存在することが、すべての反乱の引き金になっているという意見がありました。イゼルローン要塞をつぶすことで、民主共和主義者たちの拠り所を奪うべきとする強硬論があったのです。

一方、イゼルローン要塞の司令官であるユリアンの下には、反乱を企てたものの決定的な力を持たない旧同盟領からの救援要請が届いていました。イゼルローンを出て数少ない戦力で帝国軍と戦うことは、イゼルローン軍にとって戦略的な重要度は高くありません。しかし、先にロイエンタールの反乱にあたり、イゼルローンがメックリンガー艦隊の回廊通過を認めたことで、民主共和主義者の中からイゼルローン要塞は自らの保身だけを考えているのではという声も出始めていたのでした。

こうして戦略的な意義は薄くとも、政治的な配慮からユリアンは帝国軍と戦うことを決意しました。戦いに先立ち、ユリアンには1つの作戦がありました。数において劣るイゼルローン軍が、帝国軍と対等に戦おうとすればイゼルローン回廊にワーレンの率いる艦隊を誘い込む必要がありました。いっけん難題と思えるこの課題を、ユリアンはヤン譲りの知略で実現しました。

それはイゼルローン艦隊を、旧同盟領方面に進出させるのではなく、旧帝国領へと進出させることで実現されました。ユリアンの動きを知ったワーレンは、旧帝国領の帝国軍と連携して、イゼルローン艦隊を挟撃するためにイゼルローン回廊へと踏み込みます。ここでユリアンは、巧みに艦隊を指揮して、敵軍をイゼルローン要塞の雷神のハンマーの射程圏へと引き込みます。これに対して帝国軍は、イゼルローン艦隊を平行追撃することで雷神のハンマーを無力化しようとしますが、わずかにユリアンの指示の的確さが敵を上回りました。

それが、この戦いを決することになりました。イゼルローン軍は、旧帝国領から引き込んだ艦隊を撤退に追い込み、それを救援しようとしたワーレンの艦隊にも手痛いダメージを与えることに成功したのでした。ワーレンの敗北を知った時、ラインハルトは病に倒れていました。以前から続いていた原因不明の発熱が、ラインハルトの体を蝕んでいたのでした。

そのためハイネセンへのラインハルトの親征は中止されましたが、その代わりに軍務尚書のオーベルシュタインが皇帝の代理人として派遣されることになりました。オーベルシュタインを補佐する艦隊指揮官としては、ビッテンフェルトとミュラーが派遣されることになりました。日頃からオーベルシュタインとそりの合わないビッテンフェルトは、軍務尚書への反発を隠そうとはしません。

ハイネセンへと赴任したオーベルシュタインは、驚くべき施策を実行しました。なんとかっての同盟で重要な地位にいた者を、大量に強制的に連行したのです。その上でオーベルシュタインは、彼らを人質としてイゼルローン軍に要塞の明け渡しを要求するつもりでした。戦場で雌雄を決するのではなく、政略によって敵を屈しようとするやり方に、ビッテンフェルトは激怒しました。そしてオーベルシュタインに殴りかかろうとしたビッテンフェルトは、そのまま拘留されることになったのでした。

そしてユリアンの下には、オーベルシュタインからの通信が届きました。拘留した捕囚を解放してほしければ、イゼルローン軍の代表者がハイネセンへと出頭しろというのです。難しい立場に立たされたユリアンとフレデリカでしたが、状況を打開するために交渉に挑むことを決めました。

そんな中、ハイネセンは思わぬ事件が発生していました。強制連行された多くの人々が収監されているラグプール刑務所で、大規模な暴動が発生したのです。囚人たちと憲兵隊は激しく激突することになり、共に多くの犠牲を出しました。しかし、ワーレンの的確な指揮のおかげで、事態はようやく終息したのでした。

この時ラインハルトは、病を得ながらもハイネセンへの途上にありました。そこにオーベルシュタインからの報告が届きます。これまで行方不明だった、フェザーンの元領主ルビンスキーが逮捕されていました。ルビンスキーの体は、脳腫瘍に冒されて、余命はあと1年と言われていました。

ハイネセンへと到着したラインハルトは、再びイゼルローン軍へと通告を行いました。ハイネセンで勃発した動乱のために、オーベルシュタインが用意した交渉は流れていました。ラインハルトの通告にイゼルローンが従えばよし、さもなければ再び戦争が始まります。

ラインハルトの留守中、フェザーンでも動きがありました。地球教の残党が、皇妃ヒルダと生まれてくる子供を狙ってテロを企てたのです。その試みは、警護を任されたケスラーの活躍と、我が身をかえりみずヒルダをかばったアンネローゼの働きによって、阻止されました。その襲撃で産気づいたヒルダは、そのまま病院へと搬送されて、そこでラインハルトの後継者となる皇子を出産しました。

ラインハルトとユリアンの会見が迫る中、不幸な偶然から帝国軍とイゼルローン軍は戦闘へと突入してしまいました。それを知ったラインハルトは、自ら先頭に立ってイゼルローン軍と雌雄を決しようとするのでした。しかしラインハルトの体は、想像以上に病に冒されていました。そのため帝国軍の戦いは精彩を欠き、ユリアンたちに突き入る隙を与えました。

戦力的に圧倒的に劣るイゼルローン軍は、少数の精鋭部隊を編成してラインハルトの旗艦であるブリュンヒルトに強襲攻撃を仕掛けたのです。そしてユリアンは、ついに血路を開いてラインハルトの前へとたどり着きました。ラインハルトを前に、ユリアンはローエングラム朝が衰えた時に、それを治癒する方法を教える提案しました。ラインハルトがそれを受け入れて、ついに帝国軍とイゼルローン軍の戦いは終わったのでした。

しかし、ここまでに払った代償は小さなものではありませんでした。ユリアンと共にブリュンヒルトに突入した、カリンの父でもあるシェーンコップの戦死、ヤンに客将として迎えられたメルカッツ提督の死。その他にも、多くの犠牲がありました。そんな中でも、いつ死んでもおかしくないような状況にありながら、イゼルローン軍の撃墜王ポプランが生き延びたのは、いかにもポプランらしいと思いました。(^^;

そしてラインハルトとの会見の結果、ユリアンたちはイゼルローン要塞を明け渡す代わりに、惑星ハイネセンを含むバーラト星系を与えられることになりました。それと共にユリアンは、ラインハルトに専制政治ではなく君主をおきつつ議会を持つ立憲君主制を提示しました。

その間にも、ハイネセンでは事件が起きていました。余命幾ばくもないルビンスキーは、自らの死と共にハイネセン各所に配置された爆薬が爆発するように仕組んでいたのでした。しかし、それはラインハルトの命を奪うことはなく、ルビンスキーの最後の悪あがきといった感じでした。

そしてラインハルトは、フェザーンへと帰還しました。それにはユリアンたちも同行することになりました。ラインハルトは、残された時間を使い、自分の死後のことを淡々と決定していました。そしてラインハルトの死が間近となった時、再び地球教の残党が最後の戦いを挑んできました。しかし、それはワーレンを中心とした各提督の的確な行動と、その場に居合わせたユリアンたちの働きで阻止されました。

そしてついに、ラインハルトはその短い生涯を終えました。ここで物語の時間は凍結されたので、その後の帝国やユリアンたちがどうなったかは、読者の想像に任されることになりました。

今回、あらためて作品を再読してみて、気づいたことがいくつかありました。初めて読んだ時は、その華麗な文章にただただ圧倒されましたが、今読むと著者の若さゆえの青さが垣間見えるところもありました。
それだけ自分が年を取ったということでもあるので、複雑な心境ではありますが・・・。(^^;

それから物語の盛り上がりは、第5巻くらいまでがピークでしたね。特に個人的に一番好きなキャラであるヤンが退場した後は、今ふたつくらい物語の魅力が薄れてしまった気がしました。田中芳樹さんの他の作品でもそうですが、物語の序盤から中盤くらいは面白くても、終盤が今ひとつなことが多い気がします。先日まさかの^^;完結をした「タイタニア」もそうでしたしね。

最後に「銀英伝」を読み終えて痛感したのは、何をやろうがやらなかろうが、"後世の歴史家"は間違いなく好き勝手なことを言うでしょうから^^;、その時代を生きる人はただ自分の信じる道を迷わず進めばいいということです。
銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」第9巻を読み終えました。

この巻のメインは、さまざまな謀略の末に、ついにロイエンタールがラインハルトに叛逆することです。前巻でヤン・ウェンリーが物語から去り、これでしばらく大きな戦いは起きそうにないと思われていた中での、衝撃的な出来事でした。

ヤンの後を継いで、イゼルローン要塞の司令官となったユリアンですが、残された者の中には彼を支えようとする人たちだけでなく、彼に対する不満を公然と口にする者もいました。そんなユリアンをかばったのは、これまでギクシャクした関係が続いていたカリンでした。

フェザーンに都を移したラインハルトでしたが、彼に反発する者の正体がラインハルトの心を揺るがすことになりました。その男は、かってラインハルトがオーベルシュタインの進言を入れて犠牲となったヴェスターラントの関係者だったのでした。その男から罪を告発されたラインハルトは、今までになく動揺します。そして救いの手を求めるかのように、ヒルダと一夜を共にすることになったのでした。

戦争の天才であるラインハルトでしたが、恋に関しては未熟でした。ヒルダと関係を持ったラインハルトは、その翌日にはヒルダの元を訪れて求婚したのでした。それが今度は、ヒルダを大いに動揺させることになったのでした。恋において未熟という意味では、優れた識見を持つヒルダもラインハルトと同じだったからです。

そんな中、帝都に再びロイエンタールに関する噂が流れます。彼がラインハルトに叛逆しようとしているというのです。
その噂をラインハルトは取り合いませんでした。そして予定されていた旧同盟領への訪問を実施します。そこで思いもかけない事件が、ラインハルトを待っていました。旧同盟領の重要拠点であるウルヴァシーに立ち寄ったラインハルトは、駐屯していた兵士の叛逆が襲ったのです。

危機を切り抜けて、危地を脱したラインハルトでしたが、その代償は小さなものではありませんでした。ラインハルトを守るために、ルッツが犠牲になり、ミュラーも負傷したのです。この事実を知ったロイエンタールは、大きな決断を迫られることになりました。かってラインハルトに対する謀略を疑われながらも、ロイエンタールは新領土の総督に任命されました。しかし、それには査問という苦い経験をしなければなりませんでした。再びそれを繰り返すのか、それとも今を好機と考え、ラインハルトに対抗するのか。

結局ロイエンタールは、後者を選びました。そして事態は急速に動きます。ロイエンタールは、イゼルローン要塞へ申し入れを行い、彼らが帝国領土からイゼルローン回廊を通る帝国軍を阻止すれば、旧同盟領を返却すると提案したのです。
時を同じくして、帝国側からはイゼルローン回廊の通行許可を求めてきました。どちらの言い分を飲むのか、ユリアンは決断を迫られることになりました。

そしてユリアンの得た答えは、帝国側に貸しを作ることでした。一時的にラインハルトが劣勢に追い込まれることがあっても、大局はラインハルトの側にあると読んだのです。その結果ロイエンタールは、フェザーンから出撃した親友ミッターマイヤー率いる軍勢の他に、イゼルローン回廊を通過した軍勢をも迎え撃たねばならぬ状況に追い込まれたのでした。

ロイエンタールとミッターマイヤーの戦いは、ほぼ互角でした。しかし援軍の出現と、グリルパルツァーの裏切りによって、戦いの趨勢は決したのでした。惑星ハイネセンへと帰還する途上、グリルパルツァーの裏切りに遭ったロイエンタールは重傷を負いました。しかし彼は、最期の最期まで前線で指揮を執り続けます。

惑星ハイネセンへと到着した時は、ロイエンタールは瀕死の状態でした。しかし、そこで彼は旧同盟首席で、現在は帝国の参事官であるトリューニヒトを呼び出し、抹殺しました。自分の利益のためなら、同盟だろうと帝国であろうと平気で売り渡す。そんなトリューニヒトが、この先もラインハルトを煩わせるのが許せなかったのでした。

そしてロイエンタールは、門閥貴族の末裔であるエルフリーデが産んだ彼の子を、親友ミッターマイヤーに託して息を引き取ったのでした。その死は、親友ミッターマイヤーだけでなく、皇帝ラインハルトにも惜しまれるものでした。

そんな中、ヒルダは自分がラインハルトの子供を懐妊していることを告げました。消えていく命がある一方で、新しく生まれてくる命もあります。ラインハルトは、ヒルダを正式に自分の皇妃としました。そしてイゼルローン要塞では、ユリアンとカリンの恋も着実に進展しているようです。

というわけで、ロイエンタールの叛逆が描かれた第9巻でした。魅力的な登場人物が数多く登場するこの作品も、前巻のヤンの死、この巻のロイエンタールの死と続いて、なんだか寂しくなってきました。
次の10巻で、いよいよこの作品も完結です。・・・できれば今年中に再読し終えることができるといいなあ。
銀河英雄伝説 〈8〉 乱離篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」第8巻を読み終えました。

旧同盟領を支配下に収め、ラインハルトの覇業はほぼ完成していました。しかし、それでもなおラインハルトは、宿敵であるヤンとの戦いに、自らの手で決着をつけることを望んでいました。こうしてイゼルローン要塞を拠点とするヤンたちの前に、大軍を率いてラインハルトが向かいます。

単純に戦力比で見れば、戦いの勝者は既に決まっているともいえる戦いでしたが、イゼルローン回廊という宙域の特殊性をヤンは最大限に利用します。その一方で、用兵学の常識に反した作戦で、ヤンは敵の指揮官たちを翻弄するのでした。
ラインハルトが戦場に到着するまでの前哨戦で、ファーレンハイトが命を落とします。

その後、ラインハルトが前線に到着してからも、イゼルローン回廊の狭さゆえに、帝国軍はせっかくの大兵力を自由に展開することができません。激しさを増す戦いの中で、帝国軍のシュタインメッツが戦死します。一方のヤン艦隊も無傷とはいえず、艦隊運用で重要な役割を果たしてきたフィッシャーが戦死していたのでした。

このまま戦いは、双方共に流血を続ける消耗戦になるかと思いきや、ラインハルトの体調不良により中断。ラインハルトからヤンに、会見の申込が行われたのでした。会見に赴いたヤンに、地球教の謀略が迫ります。それを察知したユリアンは、ヤンの後を追いますが、ヤンを救うことはできず、ヤンは帰らぬ人となったのでした。(;_;)

今回は再読でしたが、初めてヤンの死の場面を読んだ時、とても大切な友人を亡くしたような気がしました。今回はそれがいつ、どんな形で訪れるか知っていただけに、その場面が迫ると自然と本を読むペースが鈍りました。
「ごめん。フレデリカ。ごめん、ユリアン。ごめん、みんな…」というヤンの最期の言葉は、いつまでも忘れられません。

ヤンの死は、味方だけでなくラインハルト陣営にも大きな衝撃を与えました。そして、その死に敬意を払い、帝国軍はイゼルローンから撤退していったのでした。ヤンという最大のライバルを失ったことで、ラインハルトは当初からヒルダが提案していた、拡大した領土を盤石なものにすることに力を注ぐことになるのでした。

そしてかねてより予定されていたように、旧同盟領はロイエンタールが総督となり、その統治に当たることになりました。
しかし、以前からロイエンタールに私怨を持つラングは、ロイエンタールを陥れるために、フェザーンの元領主ルビンスキーと手を結び、陰謀を巡らしています。さらに、元同盟首席であったトリューニヒトが、ロイエンタールの治める旧同盟領の弁務官に任命されました。

一方ヤン亡き後、その政治的な後継者としては妻であるフレデリカが、軍事的な後継者としてはユリアンが立つことになりました。彼らは自らの力が未熟であることを自覚しつつも、ヤンの志したものを無にしないために、その意志を受け継ぐことにしたのです。そして彼らは、イゼルローン要塞を拠点に、民主共和制を守るために、イゼルローン共和政府を樹立したのでした。
銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」第7巻を読み終えました。

同盟領に駐在させたレンネンカンプが自縊したことは、ラインハルトの知るところとなりました。しかし、ここで再び兵を動かすか、ラインハルトには迷いがありました。またラインハルトには、同盟を追われることになったヤンを自らの臣下として迎えたい気持ちもありました。

そんなラインハルトを行動に移させたのは、黒色槍騎兵を率いるビッテンフェルトでした。ラインハルトは再度出兵する代わりに、このまま同盟が勝手に滅びるに任せるという選択肢もありました。しかし、それはラインハルトらしくないとビッテンフェルトが主張したのです。その言葉を入れて、ラインハルトはついに自ら動いて再び同盟領に侵攻することを決めたのでした。

一方、惑星ハイネセンから脱出したヤンたちは、同盟からの独立を宣言したエル・ファシルと手を組むことになりました。
それはヤンにとって不本意なことでしたが、独立した部隊を維持するにはお金がかかります。フェザーンの商人を利用して、その費用を引き出そうと考えたヤンたちでしが、商人を動かすには利があることを示さねばなりません。そのためエル・ファシルとつながり、大きな作戦を成功させて自分たちの将来性を証明する必要があったのでした。

大きな作戦とは、再び帝国軍に奪い返されたイゼルローン要塞を奪還することでした。イゼルローンを捨てた時に、再び帰ってくる時のための細工はしてありました。しかし限られた戦力と状況の中で、詐欺のような作戦を実行するのは、ヤンにとってもたいへんなことでした。唯一の救いは、地球へと赴いていたユリアンたちと、エル・ファシルで合流できたことでした。

そしてヤンは、再び奇跡を起こしました。難攻不落のイゼルローン要塞を、再び奪還することに成功したのです。しかし、そんなヤンの元に、悲しい知らせが届きました。同盟領に侵攻した帝国軍に、最後まで立ち向かったビュコック提督が戦死したことを知ったのです。ビュコックたちは、ヤンに残された戦力や人員の一部を託して、最後までラインハルトに従うことを拒んで死んだのでした。

ラインハルトは、ビュコックの死に敬意を払います。それとは対照的に、同盟内部では再び内部抗争が起きていました。
前巻でレベロがヤンを売ろうとしたように、同盟軍統合作戦本部長のロックウェルが、自らの保身のためにレベロを暗殺したのです。しかし、ラインハルトがこのような卑劣な行為を許すはずもなく、暗殺に荷担した者たちはことごとく粛正されたのでした。

こうしてラインハルトは、再び同盟領に侵攻するもヤンにイゼルローン要塞の奪還を許すこととなりました。そしてヤンは、要塞の奪還には成功したものの、敬愛するビュコック提督を失いました。さらにヤンは、あくまで一軍人としての立場にとどまりたいと思いながらも、政治的な宣伝と資金獲得のために、不本意ながらも指導者的立場に身を置くことを求められ続けています。

そして銀河帝国では、新たな事件が勃発しました。ラインハルトを支える双璧の一方である、ロイエンタールに皇帝への叛意があると告発されたのです。それはロイエンタールに私怨を持つ、内国安全保障局長ラングによる謀略でした。ロイエンタールが、ラインハルトの敵リヒテンラーデ公の一族につらなる女性エルフリーデを、愛人として自らの屋敷に置いていたことが問題視されたのです。

この事件は、帝国軍を大きく揺るがしましたが、結果的にラインハルトはロイエンタールの罪を問わなかったばかりか、総督として同盟領を管理する権限を与えたのでした。しかし、それが施行されるのは、ラインハルトがヤンと雌雄を決した後と決められました。こうして再びラインハルトとヤンが、宇宙を部隊に激突する時が近づいています。

そうそう。前巻でユリアンの心を揺さぶったカリンは、シェーンコップの娘でした。カリンは、父であるシェーンコップに屈折した思いを抱いていたようですが、今回ようやくそれを本人にぶつけることになりました。

そしてユリアンが地球からもたらした情報により、地球教とフェザーンとの関係が明るみに出ました。そのフェザーンでは、元領主のルビンスキーが身を隠して、密かに自らの野望を果たす機会をうかがっています。
ラインハルトの後継者問題も解決されていませんし、それはラインハルト個人だけでなく、姉であるアンネローゼの未来にも影響を与えかねません。

というわけで、世界はまだ混沌とした状況が続きそうです。未来への光明が見られるまでには、あとどれだけの血が流れることになるのでしょうか。
銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」6巻を読み終えました。

前巻で、帝国と同盟の戦いは終了しました。そしてラインハルトは皇帝となり、ヤンは妻のフレデリカと共に待望の年金生活に入りました。しかし、平和な時間は長くは続きませんでした。

まずは、ラインハルトが地球教が目論んだ事件に遭遇します。それはラインハルトの主席秘書官である、ヒルダがきっかけとなりました。ヒルダの父マリーンドルフ伯が後見してきた、病弱なキュンメル男爵の願いを聞き入れて、キュンメル男爵の元をラインハルトが訪れることになりました。

そこでキュンメル男爵は、ラインハルトを暗殺しようとしました。生まれた時から病弱で、死ぬ時期を引き延ばしているだけのような生活を送ってきました。そんなキュンメル男爵は、自らの才覚で帝国を手に入れたラインハルトを妬むようになっていたのでした。そしてラインハルトの命は、キュンメル男爵の手に握られたのでした。

事件解決の糸口は、思わぬところからもたらされました。かっての同盟元首トリューニヒトから、地球教によるラインハルト暗殺計画が実行されるという情報がもたらされたのです。その情報を得たケスラーは、キュンメル邸に異変が起きていることを察知しました。ケスラーはすぐに、ラインハルトの元へ兵を差し向けるとともに、地球教の支部への攻撃を命じました。

こうしてラインハルトは、危ういところで難を逃れました。事件の背後に地球教があることを知ったラインハルトは、地球教の本部である地球へ軍を差し向けることを決定したのでした。

一方、待望の年金生活に入ったヤンは、フレデリカと共に新婚生活を送っていました。しかしヤンの周囲には、監視がつけられて、その生活は窮屈なものとならざるを得ませんでした。そんな中、かってヤンに敗れ、今では同盟の駐在弁務官を務めるレンネンカンプは、硬直した思考とヤンへの個人的な恨みから、この先の帝国の憂いを除くためという名分で、ヤンを抹殺しようと謀りました。

レンネンカンプから、ヤンは帝国と同盟の間に結ばれた平和を乱す者だと通告された同盟政府は、ヤンを逮捕して政府の存続をはかろうとします。ヤンの妻フレデリカは、シェーンコップ、アッテンボローと共にローゼンリッターを率いて、同盟の最高評議会議長レベロを拘束しました。そうして稼いだ時間で、彼らは見事にヤンを奪還したのでした。

しかし、このままレベロを拘束していれば、帝国に同盟への介入を許すことになります。そこでシェーンコップたちは、帝国の駐在弁務官レンネンカンプを拘束して、レベロを解放しました。レンネンカンプは、敵の手に落ちたことを恥じ、自殺してしまいました。ヤンたちは、そんなレンネンカンプを生きているように見せかけて、惑星ハイネセンから脱出したのでした。

2つの大きな事件の間に、ユリアンは地球を訪れるという目的を果たしていました。その途中で、ユリアンは密かに軍を離れたメルカッツの元を訪れました。そこでユリアンは、カーテローゼ・フォン・クロイツェルこと通称カリンという魅力的な少女と出会いました。初めて会ったはずのカリンに、ユリアンはなぜか親近感を持つのでした。

そしてユリアンは、地球教の本拠へと乗り込みました。そこで教団の秘密を探ろうとしたユリアンたちは、教団が提供する食事に麻薬が含まれていることを知りました。教団は麻薬を使って、信者を教団から離れられない道具に仕立て上げていたのでした。

そこに帝国軍の教団本部への攻撃が開始されました。ユリアンたちは、フェザーンの商人だと偽り、帝国に協力したのでした。帝国の攻撃で、教団本部は壊滅しました。しかし、幹部の死は確認できませんでした。しかし地球教の信者は、思わぬところにまで潜り込んでいます。地球に攻撃を加えるに先立ち、軍を率いるワーレンは地球教信者である部下に襲われて重傷を負っていたのでした。

こうして表面的には、地球教の目論見は失敗して、本拠は壊滅しました。またヤンたちは、同盟を捨てて宇宙をさすらう放浪者となってしまいました。そしてユリアンが地球で手に入れた地球教の情報には、何が記されているのでしょうか。

帝国と同盟の長い戦いは終わりましたが、状況はまだ不安定です。せっかく待望の年金生活に入ったヤンでしたが、周囲の状況がそれを許してくれませんでした。(^^;
全体的に暗い展開でしたが、ユリアンとカリンの出会いにちょっと救われたかも。
銀河英雄伝説〈5〉風雲篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」5巻を読み終えました。

この巻では、ラインハルトとヤンの直接対決、そして帝国と同盟の長きにわたる戦いがついに終わります。
フェザーンを制圧したラインハルトは、フェザーン回廊を通り同盟領へと侵攻を開始します。フェザーン回廊という新たな通路を得たことで、ヤンの守るフェザーン回廊とイゼルローン要塞はその意義を失ったのでした。

そんなヤンの前には、ロイエンタールに率いられた艦隊が控えています。イゼルローン要塞に固執することは無意味だと認識していたヤンは、あっさりとイゼルローン要塞を放棄することを決めたのでした。とはいえ、彼らの前面にいるロイエンタール艦隊は、ヤン艦隊が目の前を通過していくのを黙認してくれることはありません。

こうしてヤンは、いかにしてイゼルローン要塞を放棄するかに知恵を絞ることになりました。ヤンの心中を察していたロイエンタールには、特に積極的にヤンと雌雄を決する意思はなく、それも幸いしてヤン艦隊は多数の民間人と共にイゼルローン要塞からの脱出に成功するのでした。・・・とはいえ、脱出にあたり何らかの罠を仕掛けていったようではありますが。また、フェザーン領から脱出してきたユリアンは、ここでようやくヤンと合流することができました。

一方、同盟の首都ハイネセンを目指す先鋒を任せられたのは、ミッターマイヤーでした。しかし、こちらには帝国からの戦線が長くなりすぎる不利がありました。かってラインハルトがアムリッツァの会戦で取った戦略を用いられれば、今度は帝国軍が大敗北を喫する恐れがあります。それに対するラインハルトの答えが、双頭の竜でした。これは全ての艦隊を縦横に展開して、ひとたび同盟が戦端をひらけば、各部が連携して同盟軍を包囲して、一気に決着をつける作戦でした。

同盟艦隊の指揮を執るのは、宇宙艦隊司令長官であるビュコック自身でした。老練なビュコックは、帝国軍に対して善戦しますが、やがて窮地に追い詰められました。それを救ったのは、イゼルローン要塞から脱し、急行したヤン艦隊でした。ヤンの登場で、戦いの流れは大きく変わっていくことになりました。

同盟領へと侵攻した帝国軍にとって、その広大さが敵となりました。さらにヤンは、ラインハルトに後継者がいないことをついて、帝国軍からラインハルトを除くことで、帝国軍を無力化しようと考えたのでした。そのためには、ヤンとラインハルトが直接対決する状況を作り出す必要があります。

そこでヤンは、帝国の補給線を狙った攻撃、ラインハルト麾下の艦隊を各個撃破するゲリラ作戦に出ました。ヤンの作戦に苦しめられた帝国軍は、ラインハルト自身を囮とする作戦をとらざるを得ないところまで追い詰められました。しかし、それはラインハルトにとっても望むところでした。尊敬すべき敵との戦いに、自らの手で決着をつける。常に軍の先頭に立って戦ってきたラインハルトにとって、それは避けては通れない道でした。

こうしてついに、ラインハルトとヤンが激突することになりました。強敵ヤン艦隊との戦いを前に、ラインハルトは極端な縦深陣と幾重にも重なる防衛網を用意しました。そのためヤン艦隊は、目の前の敵の壁を突破しても、さらに眼前に敵が現れる状況に置かれることになりました。しかし、ついにヤン艦隊はラインハルトの旗艦に迫ります。

そこへ駆けつけたのは、かってイゼルローン要塞で苦杯をなめたミュラーでした。ミュラーの鉄壁の防御に、ヤン艦隊も決定的なダメージを与えることができません。しかし、ラインハルトの運命は風前の灯火・・・と思われたその時、首都ハイネセンからの通信がヤン艦隊の動きを止めさせました。

ラインハルトの身を案じたヒルダの行動によって、ミッターマイヤーとロイエンタールの艦隊は本来の目的とは違う行動をとっていたのです。彼らは同盟の首都ハイネセンを落とすことにより、戦いを終結させたのでした。ヒルダは、ヤンには政治的な野心がないことを見抜いていたのでした。

こうして決定的な勝利を目前に、ヤン艦隊は停戦しました。そのおかげでラインハルトは生き延び、帝国の同盟への勝利が確定したのでした。しかし、誰もがこの停戦を受け入れられるものではないこともヤンは知っていました。そこで同盟の客将となっていたメルカッツをはじめとした一部の人々を、戦死したと報告することで帝国と同盟の双方から救ったのでした。

戦いが終わり、ヤンはラインハルトと直接対話する機会を持ちました。ラインハルトは、ヤンに自分の配下とならないかと誘いました。しかしヤンは、それをきっぱりと断りました。ラインハルトが象徴する専制国家よりも、腐敗してなお民主国家の意義をヤンが信じていたからです。

そしてヤンは、帝国の監視下に置かれつつも、ようやく告白した副官のフレデリカとの結婚生活に入りました。その邪魔をせぬようにと、ユリアンはフェザーンから脱出する時に知った地球教の実情を探る決意をするのでした。

1巻から続いた帝国と同盟の戦いが、ついに決着しました。とはいえ、帝国には同盟領までを完全統治するだけの余裕もなく、当面は同盟の体制を利用する状況が続きます。大きな戦いに勝利しても、その後にはそれによって得たものを有効に統治しなければならないのですから、支配者もたいへんですね。(^^;
銀河英雄伝説〈4〉策謀篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」4巻を読み終えました。

この巻では、銀河帝国、自由惑星同盟、フェザーンの均衡がついに崩れます!
きっかけはフェザーンの手引きによる、銀河帝国の現在の皇帝であるエルウィン・ヨーゼフ二世の誘拐計画でした。フェザーン領内に亡命してきた貴族たちを利用して、まだ7歳の皇帝を誘拐させて、銀河帝国と自由惑星同盟の対立を決定的なものにすべく謀ったのです。フェザーンは既に自由惑星同盟の将来を見切り、今後の宇宙を支配するのはラインハルトだと見ていたのでした。

ラインハルトは、事前にそういった計画があることを察知しました。しかし、彼は"あえて"それを黙認しました。結果として、旧門閥貴族の計画は成功して幼い皇帝は彼らと共に自由惑星同盟へと亡命することになりました。そこで彼らは、自分たちこそが正当な銀河帝国だと独自の政府の樹立したのでした。そして信じられないことに、同盟の上層部もそれに手を貸し、旧門閥貴族を支援する決定を下したのでした。

これはラインハルトにとって、自由惑星同盟への侵攻の絶好の口実を与えることになりました。さらに、それだけでなくラインハルトはイゼルローン回廊ではなく、フェザーン回廊を利用した自由惑星同盟への進撃を計画していたのでした。

その頃、イゼルローン要塞に駐留するヤンにも変化が訪れていました。ヤンの愛弟子であるユリアンが、フェザーン駐在弁務官への転属を命じられたのです。これは先日、ヤンに対して行われた査問会と同じく、政府だけでなく軍部の実権も握ったトリューニヒト派の嫌がらせ的な行為でした。

こうしてユリアンは、イゼルローン要塞からフェザーンへと移りました。この時、既にヤンはラインハルトがフェザーン回廊を使って同盟領に攻め込むであろうことを見抜いていました。ヤンはユリアンに、フェザーン商人の独立心を煽り、ラインハルトの目論見を阻止させる計略を託しました。しかし、時既に遅く、事態はユリアンの努力でどうにかなるレベルを超えていました。

そしてついに、帝国軍の同盟への侵攻が始まりました。もちろん、いきなりフェザーン回廊に戦力を向けるのではなく、まずは陽動として派遣されたロイエンタールの艦隊が、イゼルローン要塞への戦いを挑みます。その後を遅れて発進したミッターマイヤーの艦隊がイゼルローンに向かうと見せて、フェザーンへと向かいます。そしてあっという間に、フェザーンは帝国に占領されてしまったのでした。

占領時の目的は、3つありました。1つは、フェザーンの領主ルビンスキーを確保すること。2つめは、フェザーンの航路局を占拠して同盟領の詳細な航路図を手に入れること、3つめは、同盟の駐在弁務官事務所をおさえてコンピューターに保存された情報を入手することでした。

しかし、1つめは息子のルパートに命を狙われながらも、ルビンスキーが逆襲してルパートの命を奪い、そのまま彼はどこかへ姿を消しました。2つめの、航路局の航路図の確保には成功しましたが、3つめの同盟の駐在弁務官事務所から情報を手に入れる計画は、赴任していたユリアンの迅速な行動によってデータを消去されていました。

そしてラインハルト自身が、フェザーンへと赴きます。そんな彼を迎えた兵士たちは、「皇帝ばんざい」という声でラインハルトを迎えるのでした。

4巻に突入して、物語が大きく動きました。今回のメインは、帝国側の動きでしたが、その裏で描かれる同盟の民主制の腐敗ぶりが心に残りました。そこで描かれている同盟の様子は、現在の私たち自身の置かれている状況と重なるところが多い気がしました。この閉塞感をやぶるには、ラインハルトのような専制君主が現れることに期待するしかないのでしょうか!?
銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)前巻を再読したのが、なんと2007年(!)。本当に久々に、銀英伝の3巻を読み終えました。(^^;

前巻でラインハルトは、銀河帝国の実権を手にしました。一方のヤンは、なんとか首都でのクーデターを阻止しました。両軍共にちょっとした空白状況が生まれようとする中、銀河帝国の科学技術総監であるシャフトは、とんでもない計画をラインハルトの元へと持ちかけていました。

先の貴族連合との戦いの場となったガイエスブルク要塞を、ワープ航法によってイゼルローン回廊にまで運び、イゼルローン要塞に対して、要塞対要塞の戦いを仕掛けようというのです。成功すれば儲けもの、失敗しても元々というその案にラインハルトは実行許可を与えました。

その頃、イゼルローンではユリアンが正式な軍人となるべく訓練に励んでいました。ヤンはユリアンに軍人になって欲しくないと思いつつも、ユリアン自身がそれを望んでいることも知っていて、相反する思いで揺れています。
そんな中、ヤンに対して自由惑星同盟の首都ハイネセンから召喚状が届きました。フェザーンからヤンの反乱という毒を注ぎ込まれた政治家どもが、ヤンに対する査問会を開こうとしていたのでした。

こうしてハイネセンに赴いたヤンは、そこで精神的に消耗させられる不毛な戦いを査問会と繰り広げることになるのでした。ここで描かれる権力者の腐敗ぶりは、現実世界の誇張されたコピーを見せつけられているようで、気分が悪くなりました。(^^; 戦争賛成・武力拡大を推進される権力者の皆様におかれましては、くれぐれも安全地帯で大衆を煽るのではなく、自ら進んで最前線へと赴き戦いに身を投じて、率先してその主張を実践していただきたいと思います。(笑)

そんなヤンを救ったのは、皮肉にも銀河帝国のイゼルローン要塞への侵攻でした。この時に至り、ようやく査問会のメンバーは今回の召還という名を借りた精神的なリンチが、自らの首を絞める行為だということに気づいたのでした。
愚劣な査問会から解放されたヤンは、仲間たちの待つイゼルローン要塞へと急ぎます。

ヤンがいない間、イゼルローン要塞は留守を預かるキャゼルヌ少将を中心に、必死の防衛戦を続けます。銀河帝国から亡命しヤンの客将となっていたメルカッツが、それに力を貸してくれます。さらにユリアンも、ヤンから受けた教えを的確に実践して、敵の狙いを正確に見抜いてみせました。それにより、援軍として駆けつけたヤンと絶妙な連係攻撃を加えることに成功したのでした。

こうしてイゼルローン要塞は、ヤンの不在という最大の危機を乗り越えることができました。しかし、水面下では相変わらずフェザーンの謀略が進行しています。そしてフェザーンの背後には、地球教という狂信者の集団が潜んでいます。

ということで、久々の銀英伝でした。再読ということもあるのでしょうが、これだけ時間が経過していながら、特に違和感なく物語に入り込むことができました。田中芳樹さんの作品はいろいろと読みましたが、やはり銀英伝が一番面白いですね。(^^)
タイタニア5 <凄風篇> (講談社ノベルス)田中芳樹さんの「タイタニア」第5巻、凄風篇を読み終えました。4巻が22年ぶりに発売された後、続きは1〜2年の間に出るといいな〜と感想を書いたのですが、本当に1〜2年の間に続編が出て驚きました。しかも、この第5巻が完結編となります。

藩王の陰謀により、ジュスランと共に戦っていたアリアバートは、イドリスの12歳の弟ゼルファの手で暗殺されました。これを受けてアリアバート・ジュスラン連合は、一時的に茫然自失の状態になります。この時、イドリスが手を打てば、ジュスランたちを壊滅させることも用意でしたが、イドリスは溺愛する弟がジュスランの手に落ちたことに動揺して動けませんでした。

そんな中、藩王の命を得て、イドリスのもう1人の弟・ラドモーズが黒太子と呼ばれる超弩弓戦艦でウラニボルグから出撃しました。その戦いで、ラドモーズは味方を犠牲にして敵を討つという、常識では考えられない作戦に出ました。そんな中、流星旗軍からジュスランにある申し入れがありました。なんとジュスランの手にあるゼルファと、ヒューリックを交換しようというのです。

こうしてファン・ヒューリックは、アリアバート亡き後のジュスランに手を貸すことになったのでした。そしてヒューリックは、黒太子に苦しむジュスラン艦隊を、その奇計で救うことになるのでした。そしてジュスランとイドリスは、藩王に立ち向かうことを決めました。時を同じくして動いた2人は、藩王府で対面することになるのでした。

またジュスランの元にいるヒューリックのところには、いつもの流星旗軍の面々が合流しました。こうして最後は、ジュスランたち自身が藩王に立ち向かうことになったのでした。結果的に藩王は、ジュスランに殺害されることになるのでした。また、その戦いの中で、一時的にジュスランと手を結んだイドリスは命を落としたのでした。

こうして長い戦いは終わりました。しかし、世界は藩王が不在という、かってない混沌の中にあります。藩王を殺害したものの、藩王位に執着がないジュスランは、フランシアと共に表舞台から姿を消しました。そして、バルアミーも、エルビング王国の王女リディアの元へと帰りました。そしてヒューリックもまた、セラフィンと共に去りました。こうして1つの時代が終わり、新しい時代が始まろうとするところで物語は完結しました。

まさか、これだけの短期間で続刊が発売されるとは思いませんでしたので、本当に驚きました。(^^;
とりあえず、物語は完結しましたが、5巻の後半はかなり急ぎ足の展開で、雑な部分が目についたのが残念でした。できれば藩王との戦いは、肉弾戦ではなく、ヒューリックも加えた艦隊戦で決着をつけて欲しかったです。
タイタニア4<烈風篇> (講談社ノベルス)田中芳樹さんの「タイタニア」第4巻、烈風篇を読み終えました。もう続きは出ないものと諦めていただけに、実物を手にした時は感慨深いものがありました。

ジュスラン+アリアバートとイドリスは、タイタニアを真っ二つに分けて戦うことになりました。それに先立ち、イドリスはファン・ヒューリックたち一行を自らの陣へと招き入れたのでした。もちろん両者の間に信頼関係はなく、緊張感のある状況が続いています。そんな中イドリスは、リディア姫の故国であるエルビング王国に宣戦を布告しました。ジュスランが大切にしているリディアの祖国を攻撃することで、精神的な動揺をさそっています。

ですが、これに対するアリアバート・ジュスラン連合の動きは速かった。エルビング王国への救援に赴いたと見せて、転進して一気に敵の本拠地であるウラニボルグをつく作戦に出たのです。イドリスはヒューリックに命じて、これを迎撃させようとしますが、お目付役としてイドリスの弟のラドモーズをつけられて、おまけに従う兵士からも信頼されていないのでは、さすがのヒューリックも戦いようがありません。三度目の戦いにして、アリアバートはついにヒューリックを破ったのでした。そのままそこに居続ける義理もないので、ヒューリックたちはさっさと遁走を決めました。

そして、戦いはウラニボルグへと移りました。アリアバート・ジュスラン連合の2万隻に対して、イドリスは4万隻の戦力を持っていました。しかし、権限を委譲できる信頼できる部下がいないために、イドリスは全てを自分でこなす必要に迫られました。そのため、本来なら自ら艦を率いて戦うところを、ウラニボルグ内で戦闘指揮を執らざるをえなくなってしまったのでした。こうして2対1という戦力比であったにも関わらず、イドリスはアリアバートの巧妙な指揮に翻弄されることとなってしまったのでした。

戦いの趨勢がほぼ見えたところで、これまで沈黙を守っていた藩王が動きました。両軍に刃をおさめるように命じた藩王は、和睦の使者としてイドリスの弟でまだ12歳のゼルファを差し向けたのでした。そしてゼルファの手にかかって、アリアバートが命を落としました。衝撃を受けるジュスランに、藩王は告げました。これでジュスランとイドリス、対等の立場になったと。さらに戦いを続けてみせろというのです。アリアバート亡き今、ジュスランはどう戦っていくのでしょうか!?

ということで、22年ぶりのタイタニアの続編でした。創竜伝の頃から、変な方向に走ってしまった著者ですが、ようやく本来の場所に帰ってきたなあと思いました。でも、最盛期から比べると、構想力、文体など衰えがみえるところもあって、完全復活とはいかなかったのが残念でした。
次は5巻ですが、できれば今度は1〜2年の間に続きを出してもらいたいですね。(^^;
タイタニア3 旋風篇 (講談社文庫)田中芳樹さんの「タイタニア」第3巻 旋風篇を読み終えました。

この巻では、物語が大きく動くことになりました。
バルガシュへと軍を向けたアリアバートでしたが、いくら探してもファン・ヒューリックとバルガシュ軍を見つけることができませんでした。なんと、バルガシュ軍はヒューリックたちに乗っ取られて、どこかへ姿を消したというのです。もちろん、こんな説明にアリアバートは満足しません。残されたバルガシュを制圧する一方で、消えたヒューリックたちの行方を捜させたのでした。

そしてアリアバートは、ようやくヒューリックたちの居所を突き止めました。それはなんと、宇宙空間ではなく、バルガシュの海の中だったのでした。宇宙には慣れているアリアバートも、慣れない海での戦いには苦労させられます。そして、アリアバートはヒューリックの罠にはまり、2度目の敗北を喫することとなったのでした。その時の戦いで負傷したアリアバートは、自ら遠征軍総司令官の座を辞任する辞表を藩王アジュマーンへと提出したのでした。その上、藩王につぐ5家族会議の席からもアリアバートは姿を消したのでした。

そんな中、ウラニボルグでも陰謀が進行していました。イドリスの情婦となって伯爵位を得たテオドーラの野望はそれだけにとどまりませんでした。テオドーラは、今度はザーリッシュの母・テリーザを背後から操って、テリーザを空位となっていたザーリッシュの椅子に座らせようとしたのでした。
そしてジュスランにも動きがありました。リディアやフランシアなど、自分の身内に危機が及びそうだとみたジュスランは、ウラニボルグから離れるためにアリアバートに代わって遠征軍総司令官を引き受けました。ジュスランがウラニボルグから旅立った直後、アジュマーンは何者かの凶弾に倒れたのでした。

イドリスは、ジュスランが藩王暗殺の首謀者だとして、ジュスランを追撃する軍を差し向けました。機知でそれをかわしたジュスランは、アリアバートと合流してイドリスに反旗を翻すことになりました。こうして、藩王を擁するイドリス側と、ジュスランとアリアバートの連合軍という2つの巨大勢力ができあがりました。ジュスランたちの意図とは別に生まれたこの図式の裏では、どうやらアジュマーンが手を回していそうです。

そして、今回蚊帳の外に置かれていたヒューリックたちに、ようやく声がかかりました。反タイタニア勢力とのパイプ役であったエルマン伯爵から、アジュマーンに味方してくれないかという話がもちかけられました。イドリスの軍事的な才能だけでは、これから先アリアバートと戦うことに不安があったからです。これを飲んだヒューリックたちは、今度はアジュマーンの手駒としてアリアバート&ジュスラン連合と戦うことになります。

一筋縄ではいきそうにない、この戦い。最終的な勝者となるのは誰なのでしょうか!?
タイタニア2 暴風篇 (講談社文庫)22年ぶりに続編が発売される「タイタニア」の、第2巻・暴風篇を読み終えました。

前巻では、数奇な運命からファン・ヒューリックがタイタニアと戦うことを決意するまでが描かれました。第2巻では、そんなヒューリックと4公爵の1人・ザーリッシュが戦うことになりました。とはいえ、強大な勢力を持ったタイタニアの前に、今日もヒューリックは追われる者の立場です。そればかりか、あっさりザーリッシュの配下に捕らわれてしまったのでした。

そんなヒューリックを助けようと、ドクター・リーが知恵を巡らします。その作戦は成功して、ヒューリックは脱走したかに見えました。ところが、ヒューリックを助け出したのはリーの手下ではなく、同じくタイタニアに反抗している流星旗軍の一員だったのでした。

簡単に捕まえたヒューリックに逃げられたことで、ザーリッシュは強引な手段に出ました。それが、ヒューリックのいた星・バルガシュ政府の怒りを買うことになりました。とはいえ、本気でタイタニアとことを構える気のなかったバルガシュ政府でしたが、あまりにも強引なザーリッシュのやり方に手を出さねばならざる状況に追い込まれてしまいました。

そんなバルガシュ軍をヒューリックも援助して、まさかのザーリッシュの旗艦撃墜という事態が発生しました。しかし、ザーリッシュは戦うことをやめません。洞窟の奥深くへと隠れたヒューリックを追って、あくまでも軍を進めます。そんなザーリッシュは、ヒューリックに撃たれてついに命を落とすこととなったのでした。

4公爵の1人のまさかの死。これにはタイタニアの頂点であるウラニボルグも動揺しました。しかし、表面的にはそれを明らかにすることなく、ザーリッシュの死を徹底して利用しようとするのはタイタニアらしいです。
そしてタイタニアは、バルガシュ政府と戦うことを決めました。これに対して、バルガシュ政府は激しく動揺しましたが、戦う意外に道はないと悟ったのでした。今回、軍を率いるのはアリアバートです。前回は奇策でアリアバートに勝利したヒューリックですが、次は勝つことができるのでしょうか!?

ウラニボルグといえば、もう1つ動きがありました。イドリスの弟ラドモーズにからまれているリディアを、バルアミーが助けるという事件がありました。地位のある2人だけに事は単なるケンカでは済まず、バルアミーは辺境の惑星へ参事官として派遣されることになり、ラドモーズも近衛司令官という地位を追われることとなりました。

さて、もうすぐ4巻が発売されますが、それまでに3巻を読み終えることができるかなあ。(^^;
タイタニア 1<疾風篇>2<暴風篇>3<旋風篇> (講談社ノベルス)本屋に行った時に、田中芳樹さんの「タイタニア」第4巻の発売がわかったのでメモしておきます。

4巻は、9月25日に発売だそうです。それまでに前の巻を読んで、しっかり復習しとかないといけませんね。(^^;
タイタニア1 疾風篇 (講談社文庫)アニメ化もされたこの作品ですが、なんと22年ぶりに続巻が発売されることになったそうです。そこで久しぶりに、第1巻から読み返してみることにしました。

まず最初は、この世界の成り立ちから説明されます。宇宙へと進出した人類は、その版図を広げて銀河系各所に居住しています。そんな中、従来とは違った勢力が誕生して、その1つが星間都市連盟でした。そして連盟の敵となるのが、ヴァルダナ帝国でした。2つの勢力の戦いは膠着状態に陥っていましたが、連盟の有力メンバーであるタイタニアの一族が帝国へと寝返ったことから、一気にバランスが崩れてしまいます。

こうして連盟は滅びて、ヴァルダナ帝国が強大な力を握ることとなりました。しかし、ヴァルダナに勝利をもたらしたタイタニアの一族は、さらなる野心を持っていたのでした。帝国の重大勢力となったタイタニアは、さまざまな手段を使って自分たちの権力を盤石なものとしていきます。そして、表面上は帝国の臣下という形を取りつつも、実態は帝国はタイタニアの傀儡となったのでした。

巨大な力を得たタイタニアに刃向かうことができるものはいなくなってしまいました。しかし、とある惑星の艦隊と対決したことから、この絶対に盤石であったタイタニアという巨人に小さな罅が生じました。その立役者となったのは、艦隊の指揮をとったファン・ヒューリックでした。彼は、これまで負けることがなかったタイタニア軍に勝ってしまったのでした。

普通であれば勝利は喜ばしいことです。しかし、ファン・ヒューリックは勝ってはいけない戦いに勝ってしまったのでした。紛争の原因となった問題は、既に水面下で惑星の大統領とタイタニアとで和解が成立していたのです。しかし市民の手前、戦うこともなく降参するわけにはいきません。そこでヒューリックたちは、"負けるために"戦場に送り出されたのでした。

こうして勝って首脳部の怒りを買ったヒューリックは、そのまま惑星から逃げ出すことになりました。そんなヒューリックにさまざまな人間が近づいてきます。タイタニアと戦うために、タイタニアに勝ったヒューリックを旗頭に祭り上げようという面々、そしてヒューリックの非凡な才能を見抜いてタイタニアへとスカウトしようとする面々。

両方の誘いを断ったヒューリックでしたが、それはタイタニアを完全に敵に回すことでもありました。タイタニア側に追い回されたヒューリックは、結局知り合った女の子・リラのところに転がり込むことになりました。しかし、そこも危なくなり、リラのツテで元小国の王女だったミランダの船で逃げ出すことになったのでした。

ところが、それを怒ったタイタニアの変態貴族が、リラを殺してしまいました。これまでタイタニアは気に入らないけれど、積極的に戦おうとまでは思ってなかったヒューリックは、この死をきっかけにタイタニアと戦うことを決意したのでした。

久しぶりに読んだ田中芳樹さんの作品でしたが、この時期の田中さんの作品はやっぱり面白いですね。銀英伝と比べると小ぶりな感じですが、タイタニア側・ヒューリック側それぞれに魅力があるキャラがいて飽きさせません。
銀河英雄伝説 2 野望篇 (2) (創元SF文庫 た 1-2)第1巻を読んだ勢いで、引き続き第2巻を読み終えました。

この巻では、ラインハルトがいよいよ銀河帝国での支配権を確立するために、反目する貴族達と戦いを繰り広げることになります。それに先だって、アムリッツァの会戦で大敗を喫したものの、万全の体制で内部の体制固めを行うために自由惑星同盟内部にクーデターを起こさせる作戦をラインハルトは立てました。

その謀略を同盟のヤン・ウェンリーは見抜いていました。そのために、事前に打てる手は打ったものの、事態はヤンの予測を超えて推移して、同盟内部でのクーデターを許してしまいました。
そのクーデターを制圧して、首星であるハイネセンの防衛兵器である12個の軍事衛星を知略によって味方は無傷のまま破壊する場面が、ヤン側としては一番迫力のある展開でした。

一方、ラインハルト側は自尊心が高いだけで無能な貴族達を次々と破ります。そして、ついに貴族達の盟主であるブラウンシュヴァイク公を打ち破ることに成功します。
しかし、貴族達の残虐さを民衆に知らしめるために核攻撃を受けた惑星を見捨てたり、組織の中にナンバー2を作るべきではないというオーベルシュタイン参謀長の意見をラインハルトがいれたために、予想もしなかった悲劇が起こってしまいました。

ラインハルトが帝位に就くのを阻むため、アンスバッハ准将はブラウンシュヴァイク公の遺体の中に武器を隠して、ラインハルトへと近づいたのです。その奇襲攻撃は、キルヒアイスの活躍で防がれましたが、キルヒアイス自身は重傷を負って命を落としてしまいました。

最大の友の死を嘆き悲しむラインハルトでしたが、姉のアンネローゼの言葉で自分を取り戻し、キルヒアイスの死は政敵であるリヒテンラーデ公の陰謀であったという容疑をかけて、ついに銀河帝国の政治と軍事の最高権力をその手にすることに成功したのでした。

この巻では、何といってもラインハルトの親友キルヒアイスの死が衝撃的でした。
後に作者自身も、このタイミングでキルヒアイスを殺してしまったことは物語の構成上の失敗だったと認めていますが、逆にこのタイミングでキルヒアイスがいなくなったからこそ、それまで今ひとつ影が薄かったラインハルト麾下の提督たちの存在感が増したようにも思えます。
銀河英雄伝説 1 黎明編久しぶりに田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」を読み返しています。

田中芳樹さんの「創竜伝」や中国物、冒険小説は好みではありませんが、銀河英雄伝説だけは大好きで何度も読み返しています。その中でも第1巻は、ラインハルトとヤン・ウェンリーの初めての対決ということで読み応えのある内容になっています。

遙か未来、宇宙へと進出した人類は、銀河系に版図を広げます。しかし、銀河連邦の支配に陰りが出てきた時、ルドルフ・ゴールデンバウムによる銀河帝国という独裁政治の時代が始まってしまいます。
そんな帝国から逃れた人々が、自由惑星同盟という新たな勢力を生み出しました。そして、長きにわたり2つの勢力は、それぞれを唯一の体制とするべく戦い続けていたのでした。

しかし、長い戦いの中で銀河帝国は腐敗し、自由惑星同盟もかっての理想を失って堕落してゆきます。
そんな歴史の中で時を同じくして、銀河帝国にラインハルト、同盟にヤン・ウェンリーという2人の天才が登場します。そして歴史は急速に動き始めるのでした。

アスターテの会戦ではラインハルトの華麗な戦いぶりが印象的ですし、続くイゼルローン攻略戦では魔術師ヤンの大胆な作戦が痛快です。それに続いてアムリッツァの会戦と、銀河を舞台に様々な勢力の思惑や陰謀を取り混ぜながら戦いは続きます。

最初にこの物語に出会った時は、ラインハルトの華麗で苛烈な生き方に惹かれましたが、読み返すたびに本来は歴史家になりたかったのに軍人になってしまったヤン・ウェンリーの方により惹かれるようになりました。
ラインハルト自身やその周囲のキャラが少女マンガのような浮世離れした雰囲気を感じさせるのに対し、早く軍隊をやめて年金生活がしたいとぼやくヤンに、より親しみを感じるからかもしれません。(^^;