日々の記録

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QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)QEDシリーズ第10弾では、崇や奈々が学校薬剤師会の旅行で熊野に出かけることになるお話でした。

今回は今までとは視点を変えて、奈々たちと同じ薬剤師の神山禮子(みわやまれいこ)の視点から物語が描かれました。奈々は崇のやり方に慣れているので、彼の奇矯な言動も温かい目で見守ってくれますが、部外者から見たらやはり崇は変人だということが非常によくわかりました。(^^;

熊野を旅行するにあたって、崇は今回もここぞとばかりに蘊蓄を披露します。その様子を神山さんが冷たい視線で眺めているのが、実に爽快でした!(笑)
崇のような男性は愛想を振りまくと誤解して気があると思い込まれるとか、ああいうタイプはストーカーになるとか^^;、崇のことを滅多切りにしてくれたのには大笑いしました。まさかQEDでこんなに大笑いできるとは思いませんでした。

ただ、今回は崇の説明だけでは熊野の謎を理解するのは、かなり厳しかったです。というか、次々に古の覚えにくい神様の名前が登場するので、それを次に登場する時まで覚えておくのもたいへんでした。このシリーズの読者は、歴史の専門家ではないのですから、もう少し読みやすくする配慮が欲しかったです。

今回は珍しく、崇や奈々は殺人事件に巻き込まれませんでした。その代わりに展開したのが、語り手である神山さんの過去でした。果たして彼女は過去に殺人を犯したことがあるのか、それが物語のもう1つのキーポイントになっていました。
こちらもなかなか凝った構成で、今までのシリーズの中でも面白かったです。(^^)
銀子の依頼で、ヤクザの事務所へ揉め事処理に向かった真九郎でしたが、交渉の場に紫がついてきてしまいました。

銀子から頼まれた幼稚園の揉め事を解決するために、ヤクザの事務所へ乗り込んだ真九郎。しかし、夜中に真九郎が抜け出したことを知った紫は、真九郎の後をつけてヤクザの事務所までついてきてしまいました。

それでも何とか仕事を果たして、帰宅しようとした真九郎でしたが、ヤクザの手下が襲いかかってきました。彼らは真九郎を痛めつけるだけでなく、紫にまで手をあげました。それを見た真九郎は初めて怒りをあらわにして、右腕に隠された崩月流の角と呼ばれる武器を駆使して、ヤクザたちを叩きのめしたのでした。

そこへ紅香と弥生が姿を現しました。紫を危険に巻き込んだことで、真九郎は弥生から激しく非難されるのでした。そして弥生は、紫をなぜ真九郎に任せたのかと紅香に問い詰めます。そして真九郎の過去が少しだけ明らかになったのでした。

昔、真九郎と銀子は怪しげな男たちに拉致されたことがあったようです。そこに現れて、真九郎たちを助けたのが紅香でした。そんな紅香に憧れて、真九郎は揉め事処理屋の世界に足を踏み込むことになったのでした。
しかし、その当時から真九郎には生きようとする意志が感じられませんでした。そんな真九郎と紫を一緒にすることで、お互いに何か得るものがあると紅香は考えているようです。

いつも飄々として頼りない感じの真九郎ですが、今回ヤクザに紫を痛めつけられて初めて見せた怒りの感情が印象的でした。右肘の骨が巨大化して銃弾まで弾いていましたが、あれが真九郎が崩月流を学んで得た力なんですね。何だか痛そうな力だなあ。(^^;

それから紫の家である九鳳院も、いろいろと事情を抱えていそうですね。紫の母親と紅香が話をしている場面では、妖怪でも出てきそうなおどろおどろしさがありましたが、大きな家だけにいろいろと人を人とも思わぬ扱いとかしていそうですね。
クーちゃんとコウが高上家にやって来て、家計はかなり圧迫されているようです。

家計圧迫の理由の1つは、コウのお手伝いでした。悪気はないのですが、料理をしてはお鍋に穴をあけ、皿洗いをしてはお皿を割ってしまいます。
お手伝い中に透にお母さんの話をしたコウは、透の様子がおかしいことに気がつきました。透が生まれてすぐに美夜子が亡くなってしまったために、透にはお母さんとの思い出がないのでした。

昇と透の母親・美夜子ですが、予想外に可愛い物好きだったようです。大学でお父さんと知り合ったのも、お父さんが新入生の勧誘のために着ていた着ぐるみがきっかけでした。
三槌の司祭として、30歳までしか生きられないことを知っていたようですが、その30年をしっかりと生き抜いた人だったようです。

お出かけした透は、なぜか道にエンドウ豆が落ちているのを見つけました。逼迫する家計を助けようと、マメを拾い集めるうちに、透は妖怪のところへとおびき出されてしまったのでした。
透の危機を知ったコウは、水気の術を使って妖怪と戦います。しかし、妖怪は木気の力を持っていたため、コウは苦戦することになりました。

妖怪の触手に透がからめとられてしまいましたが、透はその時にお母さんの霊が長い間自分を守ってくれていたことを知ったのでした。透を人質に取られて大ピンチのコウでしたが、そこにクーちゃんが駆けつけて、一気に形勢は逆転しました。

妖怪が透の気持ちを傷つけたことに怒ったコウは、普段以上の力を発揮して透を守り抜いたのでした。常識知らずで、いろいろと迷惑をかけてしまうことも多いコウですが、護り女としてはとても優秀なようですね。