日々の記録

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陋巷に在り〈4〉徒の巻 (新潮文庫)酒見賢一さんの「陋巷に在り」第4巻を読み終えました。今回は顔回は脇に回り、妤(よ)と五六、少正卯(しょうせいぼう)が顔儒の本拠地へと乗り込むお話でした。

前巻で、あれだけの死闘を繰り広げながら、子蓉(しよう)は陋巷にある顔回の家を訪れていました。しかし、あいにく顔回は留守で、顔回の父・顔路が子蓉の相手をすることになりました。下品でとぼけた感じの顔路には、さすがの子蓉も気をそらされて媚術を活かすことができません。

そこへ妤が顔を出しました。妤と対面した子蓉は、顔回を守る力を与えたのはこの娘だと気づきました。妤は単に子蓉の美しさに圧倒されていただけでしたが、そんな妤に子蓉は小さな鏡を与えました。その鏡には、恐るべき蠱術が仕込まれていたのですが、妤はその恐ろしさに気づきません。

妤の異変に気づいたのは、顔穆を失い自らの道に迷う五六でした。五六が妤を見つけたのは、各地からの旅人が集まる陋巷よりもいかがわしい場所でした。そこで妤は、男を誘惑するようなことをしていたのです。五六に救われた妤は、ときどき意識がなくなって知らないうちに出歩くことがあると話しました。それを知った五六は、妤を守ることにしたのでした。

しかし、子蓉の蠱術に操られた妤は、何度も五六の目をかいくぐってみせました。鏡のことは誰にも言ってはいけないと釘を刺された妤は、それを五六にも教えなかったのです。そんな妤のガードに、五六は苦心することになるのでした。

その頃、孔子はかねてからの謀略である、三桓家の3つの城を破壊する計略を実行しようとしていました。事前に季桓氏を動かしていたにも関わらず、3つの城の破壊が議題にあがると議論は紛糾しました。子服景伯の頑強な抵抗に、季桓氏も最初の勢いを失ってしまいました。孔子の謀略が敗れたかと思った時、それを後押しする行動に出たのは、なんと少正卯でした。孔子はそれは危険な道だと知りつつ、自らの謀略をすすめるために少正卯の協力を利用したのでした。

こうして3つの城の破壊が決定しました。しかし、いまだに費城を占拠している公山不狃(こうざんふちゅう)は、簡単にはその決定に同意できません。公山不狃の元を訪れた公伯寮は、先に他の城を破壊した上でなければ受け入れられないと、不狃は断固として譲りません。そんな公山不狃を動かしたのは、公伯寮に同行してきた少正卯の手下・悪悦でした。悪悦は、間違いなく他の城が先に壊されると断言しました。事前にそんな話は聞かされていなかった公伯寮は慌てますが、それを聞いてようやく公山不狃も納得したのでした。

そして悪悦の言葉通り、叔孫武叔(しゅくそんぶしゅく)の城である郈城(こうじょう)の破壊が開始されました。その先頭に立つのは、城の持ち主である武叔です。武叔は少正卯の術に操られて、自らの手で城を壊さずにはいられない精神状態に追い込まれていたのです。その日は雨が降っていましたが、武叔は全くかまわず破壊を強行するのでした。

その頃、少正卯は大胆不敵にも、顔儒の里である尼丘山を訪れていました。そこで少正卯は、太長老から秘礼とされる封の礼を得ようとしていたのです。封の礼とは、天子のみが行うことのできる礼であり、周の時代に行われたのを最後に、誰にも行われていません。それを顔儒が受け継いでいると、少正卯はみていたのです。

もちろん、太長老はそれを本当に知っていても知らなくても、それを少正卯に教える気はありません。あっさりと太長老の前から引き下がった少正卯に、顔儒が放った戦闘犬が襲いかかります。犬が相手では、少正卯は得意の言葉による術を使うことが出来ません。少正卯と犬たちとの戦いは、凄惨なものとなりました。急所は守ったものの、少正卯はこの戦いで大きな傷を負いました。しかし、常人ならば絶対に不可能な戦闘犬との戦いから、なんとか少正卯は生き延びたのです。

というわけで、今回は妤と子蓉の顔合わせと、子蓉が妤に仕掛けた恐るべき蠱術。妤と五六の思わぬつながり。少正卯が孔子に手を貸したことで、ついに実行される城の破壊。そして顔儒の里を訪れた少正卯の死闘と、読み応えのある内容でした。
須藤の暴行事件に関する、審議が行われるお話でした。

事件を目撃しているのに、なぜか証言することを拒否する佐倉。単に内向的なのかと思ったら、思いもかけない趣味を佐倉は持っていたのでした。普段はもじもじっ娘の佐倉ですが、ネットにはかなり刺激的なポーズの写真を掲載していました。
須藤の証言をするためには、その趣味についても言及しなければならず、そのために佐倉は迷っていたのでした。

前回、佐倉が落として壊してしまったデジカメの修理に、綾小路と櫛田が付き合うことになりました。佐倉もこういったことで他人の手を煩わせたくはないのですが、修理担当の受付はかなり粘着質そうな男性でした。彼は仕事を利用して、佐倉の連絡先を知ろうとします。それを綾小路はかばったのでした。

そして綾小路は、佐倉に自分の思いを伝えました。佐倉は須藤のためとか、クラスのためではなく、自分のために行動すればいいと綾小路は教えてくれました。ここで証言しないと後で後悔すると佐倉が考えるのであれば、そうした方がいいと言うのです。最終的にその人がどう動くのか、決めるべきは自分自身ということですね。
それを聞いて、佐倉は少し気持ちが楽になったようです。そして佐倉は、自分の意思で証言することを決めました。

審議当日、DクラスとCクラスの代表が生徒会長の前で顔を合わせました。このような些細な問題に、生徒会長が顔を出すのは異例のことらしいです。Cクラスは、須藤が自分たちを呼び出して一方的に痛めつけたと言い張ります。それを聞いて須藤が怒声をあげるのは、こういった場では悪印象しか与えません。

2つのクラスの議論は平行線をたどります。生徒会長は審判を下そうとしますが、本来なら何か言うべきはずの堀北は兄である生徒会長がいることで萎縮してしまっています。そんな堀北の緊張をほぐしたのは、綾小路でした。堀北に実力を発揮させるためとはいえ、いきなり脇腹をもみしだく綾小路は大胆不敵ですね。(^^;

堀北は手始めに、Cクラスの被害者たちを尋問して情報を引き出そうとします。しかし、このあたりは彼らもよく鍛えられていて、簡単にはしっぽを出しません。そこで堀北は、佐倉を証人として呼び出しました。審議の場で、佐倉は自分が隠れて写真を撮ろうとしていた時、須藤の事件を目撃してしまったことを話しました。

佐倉の撮った写真の中には、須藤がCクラスの生徒たちともみ合っている写真が含まれていました。これが提示されたことで、Cクラスはやや譲歩してきました。須藤を退学ではなく2週間の停学に、Cクラスの生徒たちを1週間の停学にしてはどうかと提案してきました。

しかし、堀北はその提案をはねのけました。堀北は今回の事件が、Cクラスによって仕組まれたものであると確信していたからです。しかし、今のところそれを証明できる証拠はありません。DクラスとCクラスは、次の審議までにそれぞれの主張を裏付ける証拠を用意することになりました。佐倉の証拠写真があったのも奇跡的なのに、これ以上の証拠が本当に何か見つかるのでしょうか!?

というわけで、審議があったこともあり、今回のお話は何となく「逆転裁判」みたいでした。
そういえば生徒会長は、綾小路にいきなり壁ドンしてましたね。告白するつもりなのかと思いました。(^^;