日々の記録

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一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF―シェリー・タークルさんの「一緒にいてもスマホ」を読み終えました。タイトルだけ見ると、スマホを否定するような本に見えますが、原題を見ると「会話を取り戻そう」という内容の本ですね。

作中に「森の生活」で有名なソローの言葉が引用されていたりするので、先に「森の生活」を読んでいると著者の考えを理解する助けになると思います。全編通して語られているのは、顔を合わせて会話することの大切さです。オンラインでのコミュニケーションが普及したことから、親子や上司と部下、顧客と会社の間で直接顔を合わせることなく物事が進むことも珍しくなくなりました。

その結果、子供たちの共感能力や実際に顔を合わせて会話する力が損なわれていると著者は指摘します。スマホなどを使った文章でのやり取りでは、言葉の微妙なニュアンスやそれを伝えた相手の表情などは伝わりません。それがトラブルの原因となったり、相手とのつながりの不確かさにつながっていることを著者は繰り返し主張しています。

全6章の大作ですが、第2章から第5章の途中までは、その実例をさまざまなケースとして紹介しています。多様な事例を知ることに意味はあると思いますが、すべてに目を通すのはたいへんだと思われる方は、途中をとばして第5章の「時の刻む一瞬」からを読んでもいいと思いました。

その中の、スマホの持つ予想以上の影響力を忘れない、自分自身との対話に時間をかける、創造性と静かな時間との関係、邪魔されずに会話できる場所の大切さ、一度に複数のことをせず1つのことに集中できる時間の必要性、自分と異なる意見を持つ人と会話する、便利なツールが必ずしも適切なツールとは限らない、ソーシャルメディアを完全に否定するのではなく関わり方を見直してみる必要性、などが参考になりました。

最後にこの本を読んで一番心に残ったのは、介護などにロボットが導入されるのはそれがベストだからではなく、人手不足などに対応するために、ロボットに頼らざるをえないという視点でした。そして、衰えた身体機能を補助する部分では、それは上手く機能するかもしれませんが、話し相手になって感情を理解したり共感したりできるのは、同じ人間同士だからこそと思えました。
棋匠戦が決着するお話でした。

前回のラストで優位に立ったと思われた島田八段でしたが、柳原棋匠も簡単には心が折れません。肉体的にも精神的にも、ボロボロの状態なのに、思いがけない手を指して島田さんや零たちをあっという言わせたのでした。

大駒の角を狙った島田さんの手に、なんと柳原さんは思わぬ銀で対抗してきました。その意図は最初は分かりませんでしたが、島田さんが角を取って攻め進めようとした時に、柳原さんは香打ちで応じてきました。それを防ぐにはせっかく手に入れた角を防御にまわすしかありませんでした。

さらに柳原さんの神業のような手が続きます。思わぬ方向に玉が逃げたのです。それは定石外れの手に見えましたが、実際に指されてみると、これ以上の手はない最高の一手でした。そんな柳原さんを、島田さんは攻めあぐねることになりました。そして長時間にわたった勝負の末、ついに柳原さんが勝利を決めました。

こうして通算10期の棋匠位を保持した柳原さんは、永世棋匠の名を手に入れたのでした。ギリギリのところで柳原さんを踏みとどまらせたのは、いろんな人たちから背負わされたものでした。それは常に、柳原さんの心にのしかかっていましたが、裏を返せばそれがあったからこそ柳原さんはギリギリを踏みとどまれたのです。

そして勝負の後は、柳原さんを囲んでみんなで記念撮影をすることになりました。そのカメラマンは、対局前に仕事をリタイアすることになったと告げた柳原さんの友人でした。そしていつの間にか、島田さんを応援に来ていたはずのおじさんたちも、すっかり柳原さんのファンになってました。(^^;

というわけで、今回も棋匠戦の様子が描かれました。プロ棋士の対局は、こんなにも凄まじいものなんだなあと驚かされました。あまりの激しさに、対局中に柳原さんがお亡くなりになってしまうのではないかと心配しましたが^^;、まだまだ現役でがんばってくれそうですね。