日々の記録

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バウドリーノ(上) (岩波文庫)ウンベルト・エーコの「バウドリーノ(上)」を読み終えました。

ウンベルト・エーコの作品は「薔薇の名前」の頃から興味があったのですが、これまで読む機会がありませんでした。
それが今回、初めてエーコの作品に手を出せたのは、文庫という形で発売されていたからです。文庫サイズだと、気軽に持ち歩いて、ちょっとした空き時間に読むことができるのがいいですね。(^^)

物語は主人公のバウドリーノが、手に入れた羊皮紙に書かれていた文字を削って、自らの記録を残そうとしているところから始まります。それが彼独自の言葉で書かれた、彼自身の物語でした。ところが、その物語を彼は失ってしまうことになります。

そして舞台は、いきなり13世紀のコンスタンティノープル陥落へと飛びます。既に壮年になっていたバウドリーノは、そこでビザンツ帝国の書記官長をつとめた、ニケタス・コニアテスという人物を救いました。コンスタンティノープルで略奪が行われる中、バウドリーノの用意した隠れ家に潜んだニケタスに、バウドリーノは自分の奇妙な生涯を聞き、記録して欲しいと頼みます。

こうして物語は、バウドリーノの過去が語られつつ、時折それが語られている時代へと帰りを繰り返しながら進んでいきます。ここで面白いと思ったのは、バウドリーノがニケタスに状況を語るうちにも、彼らを取り巻く状況が刻々と変化している様子も描かれていることです。上巻の最初は、隠れ家に潜伏しているバウドリーノとニケタスでしたが、状況の変化によって、街からの脱出計画も進んでいるのです。

そしてバウドリーノは、ニケタスに自分の生い立ちから話し始めます。バウドリーノは、元々はイタリアの貧しい農民の息子でした。そんなバウドリーノの運命は、神聖ローマ皇帝フリードリヒと出会ったことで大きく変わります。フリードリヒはバウドリーノを気に入って、彼を自分の養子として迎え入れたのです。

そこからのバウドリーノの人生は、波瀾万丈です。イタリアの都市国家をすべて自分の支配下に置こうとするフリードリヒの戦いを目撃し、フリードリヒの新たな妻として迎えられたベアトリスに恋心を抱くようになり、その思いを振り切るようにパリに学びに出かけ、個性的な友人たちと知り合い、フリードリヒの権力を強化する後ろ盾として、はるか東方にある司祭ヨハネの王国をでっち上げます。

でっち上げた王国は、すぐには役に立ちませんでしたが、後年それが思いもかけない形でバウドリーノの運命に関わってくることになります。そして、その幻の王国への地図を持っていると言う修道士ゾシモスの裏切りと再会。そしてゾシモスの口車に乗せられて、バウドリーノたちは幻の王国への旅を計画します。

というところまでが、上巻での展開でした。史実とフィクションが交錯して、その上にバウドリーノの過去とコンスタンティノープルでの物語もあり、とても込み入った構成の物語です。しかし、小さなエピソードの1つ1つが面白くて、どんどん続きを読みたくなるような物語です。

このように複雑に織り上げられた物語が、最終的にどんな形を見せてくれるのか、とても楽しみです!(^^)

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