日々の記録

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オホーツク海戦―覇者の戦塵 (C・NOVELS)谷甲州さんの覇者の戦塵シリーズ第3作、「オホーツク海戦」を読み終えました。

これまでの物語では、満州を中心に話が動きましたが、「オホーツク海戦」では米ソの動きも活発化してきます。その発端となったのは、駆逐艦・島風が遭遇した不審な船でした。座礁したその船は、島風の接近をしると強引に逃走を図ろうとします。そして、それが不可能だと知った時、その船は自沈したのでした。

表向きはノルウェー船籍のその船は、実はソ連の船でした。その積み荷は、アメリカから輸送される大量の武器弾薬だったのです。米ソは表面的には満州の動向を見守りつつ、背後では黒竜江省軍を援助していたのです。そして物語が進むにつれて、アメリカの援助は物資だけでなく、遊撃戦を指導する人材にも及んでいました。

海軍陸戦隊の小早川大尉は、黒竜江での戦いで敵対する馬占山軍の背後にソ連がいることを知りました。ソ連は民間人の捕虜を、精鋭部隊で奪還しようとします。しかし、それは小早川大尉らの活躍で阻止されました。その捕虜こそが、アメリカが送り込んだ工作員だったのでした。

戦いの後、小早川大尉は日本国内へと帰還しました。これまでの戦いで強襲揚陸艦の必要性を痛感した小早川大尉は、舞鶴へと立ち寄り、そこで改装されている艦艇を視察させてもらうことにしました。そこで小早川は、新たな艦艇の設計者である佐久田少佐と出会うのでした。

佐久田少佐は、これまでの日本海軍の方針とは違う、全く別の考えを持っていました。それは1つ1つの艦艇を研ぎ澄ませるのではなく、極力部品の共通化や工作の用意さに主眼を置いた設計でした。どんな艦艇も、いざ戦いに出れば損傷を免れません。また戦況が長引けば、未熟な工員が作業に加わることになります。だからこそ、補修・改修が容易で、熟練者でなくても作ることができる船が必要だと、佐久田少佐は考えたのでした。

とはいえ、佐久田少佐も元々今のような考えをしていたのではなく、作中にありながら本来の歴史を知っているのではないかと思われる、上村尽瞑との出会いから今の基本構想を持つようになったのでした。今はまだ小さな動きでしかありませんが、小早川や佐久田のような人間の登場が、これからの未来に大きく影響してきそうですね。

小早川と同じく、満州にいた石原大佐も国内へと帰ってきていました。そこで石原大佐は、陸軍の永田軍務局長の力を借りて海軍を動かして、満州に干渉しようとする米ソの動きを牽制しようとしていました。なんと石原大佐は、陣内機関と呼ばれる独自の諜報網を作り上げていました。

陣内大尉を中心としたその部隊は、独自に満州で工作活動を行っているグループを追跡していました。長い追跡の末、陣内らは工作員の1人を確保しますが、敵は工作員の口をふさごうと動きます。敵に情報を与えぬために、自らの命が危機にさらされていることを知った工作員は、陣内たちへの協力を約束するのでした。

物語の終盤は、オホーツク海での戦いでした。アメリカから武器を輸送してくる船団を護衛するために、ソ連の極東艦隊が動きました。それに応じて、日本海軍もオホーツク海に戦力を投入します。ところが、運悪く襲った台風のために、艦隊は大きな被害を受けてしまいます。そして戦いは、ソ連の巡洋艦と日本の駆逐艦との戦いへと突入します。双方に少なくない被害を出した戦いでしたが、日本海軍は物資の輸送船をペトロパブロフスに追い込み、戦略的な勝利を手にしたのでした。

とはいえ、これは前哨戦にすぎません。これからの戦いは、どのように推移することになるのでしょうか。

また同時収録の短編「昭和十年十一月 東京」では、これからの戦いの土壌を作り上げる密会が進行していました。井上大佐と共に、外交官の東郷局長と会った佐久田は、期限切れが間近に迫った軍縮条約を延長させると共に、大艦巨砲主義の海軍上層部を押さえて、将来の航空戦を念頭に置いた防空巡洋艦を構想を推進しようとしています。

こういった動きが、どんな方向に歴史を動かしていくことになるのか気になります。












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