桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を読み終えました。これまで桜庭さんの作品には、暗くて痛いイメージがあったのですが、それはこの作品の評判を聞いていたからかもしれません。
鳥取の中学に通う山田なぎさ。お父さんは漁師だったけれど、事故で亡くなり。今ではパートで働くお母さんと引きこもりのお兄さんと一緒に暮らしています。そんななぎさのクラスに、1人の転校生がやって来ました。
かっては有名な芸能人だった海野雅愛の娘、海野藻屑。彼女は父親から虐待を受けていました。普通の少女とはちょっと言動が違い、自分のことを人魚だと言い張る藻屑は、なぜかなぎさにまとわりつきてきます。
そんななぎさと藻屑が出会って、藻屑がバラバラ死体として発見されるまでの、わずか1ヶ月ほどの物語です。読んでいて、なぎさや藻屑の置かれている境遇がとにかく痛かったです。藻屑のお父さんが、飼っていた大型犬を鉈で切り裂いて山に捨ててきたのを確かめる場面では、ホラー小説を読んでいるような気持ち悪さがありました。
物語は藻屑の死によって終わりますが、救いがなくて重く苦しいお話でした。こういう痛みを伴う小説がなぜ多くの人に支持されるのかわかりませんが、個人的には2度と読み返したくない作品、でも忘れられない作品になるだろうと思いました。
鳥取の中学に通う山田なぎさ。お父さんは漁師だったけれど、事故で亡くなり。今ではパートで働くお母さんと引きこもりのお兄さんと一緒に暮らしています。そんななぎさのクラスに、1人の転校生がやって来ました。
かっては有名な芸能人だった海野雅愛の娘、海野藻屑。彼女は父親から虐待を受けていました。普通の少女とはちょっと言動が違い、自分のことを人魚だと言い張る藻屑は、なぜかなぎさにまとわりつきてきます。
そんななぎさと藻屑が出会って、藻屑がバラバラ死体として発見されるまでの、わずか1ヶ月ほどの物語です。読んでいて、なぎさや藻屑の置かれている境遇がとにかく痛かったです。藻屑のお父さんが、飼っていた大型犬を鉈で切り裂いて山に捨ててきたのを確かめる場面では、ホラー小説を読んでいるような気持ち悪さがありました。
物語は藻屑の死によって終わりますが、救いがなくて重く苦しいお話でした。こういう痛みを伴う小説がなぜ多くの人に支持されるのかわかりませんが、個人的には2度と読み返したくない作品、でも忘れられない作品になるだろうと思いました。
最終更新日 : 2022-10-30
語り手の山田なぎさは鳥取の片田舎に暮らす女子中学生。 父は他界し、母のパート代でやっとの暮らし。 早く卒業して社会に出たいと思ってい... …
2009/05/12 00:49 粋な提案