日々の記録

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キアズマ近藤史恵さんの「キアズマ」を読み終えました。「サヴァイヴ」までは、プロの自転車ロードレースの世界を舞台にした物語でしたが、この作品では大学生のアマチュア・ロードレースの世界が描かれています。そのため、主人公も今まで登場したチカではなく、フランスからの帰国子女である岸田正樹が主人公です。

フランスで3年間を過ごした後、一浪して正樹は新光大学へと入学しました。しかし、入学して間もないのに、正樹は自転車部の連中から絡まれてしまいました。なんとか彼らを振り切ろうとバイクで逃げた正樹でしたが、自転車部の男たちはしつこく正樹を追ってきます。結局、それが原因で自転車部の男は交通事故を起こして負傷してしまったのでした。

その男のお見舞いに行った正樹は、彼が自動車部の部長を務める村上だと知りました。自転車には全く興味がなかった正樹ですが、部員数が少ないからと村上に頼み込まれて、1年だけという約束で自転車部に入部することになったのでした。

その部にいたのは、事故の日にも正樹に絡んできたヤンキーのような櫻井でした。しかし、この櫻井口は悪いけれど性格は悪くありませんでした。正樹に自転車レースのDVDを貸してくれたりと、意外とあれこれ世話を焼いてくれます。そんな中でも、堀田という先輩は正樹を目の敵にしていました。しかし、正樹がめきめきと実力をつけているのを妬んで嫌がらせしたところを櫻井にたしなめられて、それから堀田は部に来なくなりました。

最初は櫻井の背中を追いかけることさえ難しかった正樹ですが、意外にも自転車の才能に恵まれていたようです。各クラスごとに別れて戦うレースでの優勝を皮切りに、インカレでも優勝をなしとげて他の大学からも注目される選手になったばかりでなく、プロからも気にかけられる選手になりました。

しかし、絶好調だった正樹はとある事情から自転車を辞めようと決意することになるのでした。
正樹には、豊という中学時代の友人がいました。豊は頭も良く運動神経もよかったのですが、中学時代の部活で顧問が無茶な柔道の組み手を続けたせいで負傷して、それが原因で障害者になってしまったのです。
作中でははっきりと書かれていませんが、豊は高次脳機能障害ですね。その障害のせいで、豊は長い間物を覚えておくことが苦手で、動作もゆったりとしてしまっています。これだけの障害を負わせながらも、顧問は部の担当をはずされただけで、のうのうと教師を続けています。

事故の後も、正樹はできる限りこれまでと同じように豊に接してきました。そんな正樹を、豊の両親も頼りにしてくれています。通っている施設で知り合った女の子と付き合うようにもなり、豊の方も順調なように思えました。しかし豊の心には消えない闇があったのでした。

それが原因で自転車から離れようとした正樹でしたが、村上との約束もあって1年は部に残ることになりました。そして正樹は、櫻井の過去を知ることになるのでした。あまりネタバレしてもなんですので、これ以上は書きませんが、これからの正樹や櫻井がどうなっていったのか知りたいと思いました。

物語の展開は単純で、少し読み進むとこの先何が起こるか察せられるところもあります。しかし、主人公の正樹を中心とした人物の描写がうまいので、ついつい物語に引き込まれてしまいます。

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(書評)キアズマ
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