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ヴォルテール、ただいま参上! (新潮クレスト・ブックス)ハンス=ヨアヒム・シェートリヒの「ヴォルテール、ただいま参上!」を読み終えました。

この本の主人公は、思想家のヴォルテールとプロイセンの王フリードリヒ二世です。2人の名前は、世界史の授業で習ったように思いますが、名前を知っている以上の知識はありませんでした。この本では、2人の間で取り交わされた書簡なども引用しつつ、2人の複雑な友情と駆け引きが描かれた作品です。

有名な思想家ではあるものの、宮廷からはちょっと煙たい存在と思われているヴォルテール。そんな彼の理解者は、愛人であるエミリー・ド・シャトレ侯爵夫人です。エミリー自身も当時の女性としてはかなり高い教養の持ち主で、ニュートンの書いた「プリンキピア」をフランス語に翻訳したりしています。

そして、遠く離れたプロイセンの地でヴォルテールに熱を上げていたのが、当時はまだ王子だったフリードリヒ二世でした。フリードリヒからの絶賛の手紙を受け取ったことから、ヴォルテールとフリードリヒの交流が始まりました。
そしてヴォルテールは、フリードリヒの熱烈な要請を受けて、プロイセンを訪れることになるのでした。

ヴォルテールと交流する一方で、フリードリヒは勢力を拡大していきます。そんな中ヴォルテールは、時にフランス王室の思惑で、フリードリヒの動向を探るためのスパイに仕立て上げられそうになったりもします。

やがてヴォルテールは、フランスを去り、フリードリヒの招きでプロイセンで暮らすことになりました。最初はいい関係が続いていたヴォルテールとフリードリヒでしたが、ヴォルテールの投機を巡る問題や、フリードリヒが後援する学者をヴォルテールが批判したことから、2人の関係は冷え切っていくのでした。

結局ヴォルテールは、フリードリヒの元を去り、フランスへともどることになります。物語はここで終わりますが、「あとがき」によれば、その後もヴォルテールとフリードリヒの間には手紙のやりとりはあったそうです。

歴史上の人物が主人公なので、堅い作品なのかと思ったら、ヴォルテールの金銭への執着ぶりや、フリードリヒの横暴さなど、人間らしい一面も描かれていて、かなり楽しく読み終えることができました。
メインとなるのは、この2人の関係なのですが、ヴォルテールの愛人エミリーの、最愛の人はヴォルテールだけれど、それ以外にも愛人はつくる。そして、お互いの仕事を尊重し合うクールな関係はかっこいいなぁと思いました。

最後に、この本を読んでいて一番笑ったのは、ヴォルテールがフランス宮廷を去りプロイセンに行った時、ルイ十五世が言った「こっちの宮廷から狂人が一人減った」でした。(^^;

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