日々の記録

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キマイラ11 明王変 (朝日ノベルズ)夢枕獏さんのキマイラ・シリーズ第11巻、「キマイラ 11 明王変」を読み終えました。

織部深雪を助けようとした菊池は、ボックとの戦いに敗れて、彼もまた謎の組織に囚われの身となりました。今回の事件の背後には、雪蓮族の遺跡から発見された人が人ならざる者に変わる秘密の一端を知った中国、そしてそれを軍事利用しようと目論むアメリカも動いていたのでした。

そんな事情はもちろん知らない菊池の前に、謎の青年が現れました。彼も大鳳と同じくキマイラ化する力を持っているようです。そんな相手に菊池がどう対抗するのか、そして深雪はどうなるのか。それが気になっていたのに、物語は唐突に周の時代の中国へと飛びました。

そこに赤須子と呼ばれる不思議な男がいました。彼は酒楼で昼間から酒ばかり飲んでいるような人間ですが、人のなくした物を見つけるアドバイスをしたり、病気を治したり、災いを予知する力を持っていたのでした。しかし、赤須子の目の前で貧しさのあまり食べ物を盗んだ親娘が痛めつけられた時、赤須子は豹変しました。なんと赤須子もまた、キマイラ化する人間だったのでした。

そんな赤須子と、唯一親しく話をしていたのは、李耳という官吏でした。この李耳こそが、古代中国の哲学者・老子だったのでした。李耳は、赤須子のことを以前から知っていました。そして、赤須子の家族に起きた悲劇を知っていたのでした。そして李耳と赤須子は対決することになりますが、なんと李耳は自分の意志で背中に翼をはやすことができる超人でした。

さらに物語は、古代のインドへと飛びます。そこでは、仏陀になる以前のシッダールタが苦行の日々を送っていました。そんなある日シッダールタは、友人のセキから不思議な修行者の話を聞きました。その男は、修行を通じて自らの意思でキマイラ化する力を得ると共に、それを制御するソーマのチャクラを覚醒させる方法にもたどり着いていたのでした。

ここまでの話は、雲斎が亜室健之から聞いた話でした。今回はここまでの展開でしたが、いよいよキマイラの核心に迫ってきた感じです。とはいえ、ようやく西域での話が終わり、現代の物語が動き始めたところだったので、また昔話が始まるのかと多少うんざりしました。存在や真理についての哲学的なやりとりは面白かったですけど。

そして何より納得できなかったのは、雲斎が九十九に今回の件からは手を引けと話したことです。雲斎の優しさから出た言葉だとはわかりますが、ここまで事件に深入りしておいて、そんなことできるはずがないだろうと思いました。

やはりこの物語は、30年以上にもわたって書き続けられるのではなく、一気に書き上げるべき作品だったと思います。著者が他の作品に浮気している間に、せっかくの物語が腐ってしまったような気がします。それが本当に残念です。

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