日々の記録

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スティル・ライフ (中公文庫)池澤夏樹さんの「スティル・ライフ」を再読しました。

初めて読んだ時も、その静かな世界が魅力的でしたが、再読してもその魅力は変わりませんでした。どこかファンタジックでありながら、その中に凄く深い哲学的なものが潜んでいて、読んでいてはっとさせられることが何度もありました。
前回読んだ時は、図書館で借りて読みましたが、この本はこれから先も何度も読み返すことになりそうな気がしたので、買って手元に置くことにしました。

一緒に収録されている「ヤー・チャイカ」も、不思議な作品です。父と娘だけで暮らしている親子が、それぞれの生活を語りつつ、その合間には娘の書いた恐竜と一緒に暮らしている作文が挿入されます。途中から父が出張の途中で出会ったロシア人もお話に加わり、彼は親子と仲良くなります。

日本で暮らして10年というロシア人は、日本語も達者ですが、国(この時代はまだソ連でした)への忠誠心は薄れていますが、故郷に帰りたいという願いは強くなっています。父が知っている軍事機密がらみの情報を、教えてくれないかと不穏な話も持ち出しますが、それも本気でそう考えているとは思えません。

物語は、不思議な雰囲気に包まれたまま、特に大きな事件が起きることもなく終わりますが、不思議と心に残る作品ですね。この作品を読んでいると、やっぱり榛野なな恵さんの「Papa told me」を連想しますね。

池澤さんは、このところ世界文学全集や日本文学全集の編纂に力を入れられています。それは、とても意義があることだと思いますが、この作品のような優れた作品を読むと、もっと池澤さん自身の作品も読んでみたいと思いました。

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