日々の記録

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ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)ジョージ・ギッシングの「ヘンリ・ライクラフとの私記」を読み終えました。北方謙三さんがお薦め本として紹介されていたのがきっかけで、この本を手に取ることになりました。

ヘンリ・ライクロフトは、若い頃はロンドンで文筆業で暮らしをたてていましたが、多くの文章を書いたものの世間にはほとんど知られる存在となりませんでした。彼は生活のために、さまざまな文章を書き綴ってきましたが、50歳になった時に資産家だった知人が彼にまとまった資産を残してくれたことで、以後は悠々自適の生活を送ることができるようになりました。
南イングランドに移り住んだライクロフトは、そこで文筆から離れて、穏やかな生活を送りました。彼の死後、友人が残された私記を発見し、それを春・夏・秋・冬に分類して発表したのがこの本、という設定です。

ヘンリ・ライクロフトは架空の人物ですが、そのここかしこに著者であるギッシングの思いがあふれています。
この本の良さはいろいろあるのですが、まずはそこに流れているゆったりとした時間が心地よかったです。300ページもない本なので、その気になれば一日で読破することもできるでしょうが、作品の雰囲気に浸りつつゆったりと楽しみたい作品ですね。

ゆったりとした時間以外にも、美しい風景描写に、心を和まされました。その一方で、本を愛すること、文章を書くこと、歴史についての思いなども綴られています。その全てに賛同するわけではありませんが、それが架空の人物であるライクロフトに存在感を与えています。

この本で描かれたライクロフトの晩年の生活は、読書好きな人や知的な生活を送りたいと考えている人にとって、憧れの生活ですね。生活の苦労から解放され、都会の喧噪から離れて静かな自分が満足できる生活を送る。できることなら、私もこんな晩年を送ってみたいものです。(^^; でも、お金持ちの親戚や知人はいないので無理でしょうけどね。(笑)

人生において、何度も読み返したくなる本はそんなにたくさんはありませんが、この本は再読を重ねていく数少ない本の1つになりそうです。












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