日々の記録

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アメリカン・マスターピース 古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)著名な翻訳家である柴田元幸さんが、アメリカ文学の短編小説から名作を集めた本です。

この本には、8人の作家の作品が収録されています。ナサニエル・ホーソーンの「ウェイクフィールド」、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」、ハーマン・メルヴィルの「書写人バートルビー」、エミリー・ディキンソンの詩が数編、マーク・トウェインの「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」、ヘンリー・ジェームズ「本物」、O・ヘンリー「賢者の贈り物」、ジャック・ロンドン「火を熾す」です。

これまでに柴田さんの翻訳は、ポール・オースターの作品を手に取ったことがありました。しかし、その作品はどうも私にはなじめないものでした。そこでポール・オースター以外で柴田さんが翻訳された本を探していて、この本を見つけました。気に入った作家、今ひとつだった作家がありましたが、この本1冊で複数の作家の作品に触れられたのはよかったです。

個人的に一番気に入ったのは、ジャック・ロンドンの「火を熾す」でした。厳冬のユーコン川の側を、1人の男が仲間と合流するために歩いて行く話なのですが、リアリティのある寒さの描写が強烈に印象に残りました。ジャック・ロンドンは、「白い牙」や「荒野の呼び声」を書いた作家という知識はありましたが、これまでその作品を読んだことはありませんでした。この機会に、他の作品も読んでみたくなりました。
その他に気に入ったのは、ホーソーンの「ウェイクフィールド」とメルヴィルの「書写人バートルビー」です。

「ウェイクフィールド」は、突然妻の前から夫が失踪するお話です。失踪した夫は、密かに自宅の側に部屋を借りて、変装してそこで暮らしています。そして彼は、妻の様子を観察し続けるのです。その異常な設定と、何者からも隔絶されたような孤独感が心に残りました。

「書写人バートルビー」も、やはり不思議なお話です。とある法律家の元に書写人として雇われたバートルビーという男は、書き写しの仕事の手が空いている時に別の仕事を頼んでも、「それは好ましくないのです」と聞き入れません。法律家は、そんなバートルビーを持て余しますが、かといって首にすることもできずというお話です。
この作品も不思議なお話ですが、バートルビーと法律家のやり取りを読んでいると、世間で正しいと思われていることは本当に正しいのだろうかと、ふと疑問に思いました。

この「アメリカン・マスターピース」は、古典篇に続いて、準古典篇、現代篇も刊行される予定らしいので、続きが発売されたら読んでみたいです。(^^)

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