日々の記録

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郷愁―ペーター・カーメンチント (新潮文庫)久しぶりにヘッセの「郷愁 ペーター・カーメンチント」を読み終えました。

今回読んだのは、新潮文庫の高橋健二さんの翻訳によるものです。思い返してみれば、初めて読んだヘッセの作品が「郷愁」でした。この時は、講談社の世界文学全集に収録されていた登張正実さんが翻訳されたものでした。最初は山間の村の厳しい自然描写が延々と続くのが苦痛だった覚えがありますが、いつの間にかその作品世界に引き込まれていました。

その後、新潮文庫や新潮社から発売されていたヘッセ全集に収録されている高橋健二さんの翻訳と出会いました。さらにずっと後になって、臨川書店から発売されたヘルマン・ヘッセ全集に収録されている春山清純さんの翻訳を読んで、今回再び新潮文庫に戻ってきました。

自分自身の中では、高橋健二さんの翻訳が決定版だと思ってきましたが、今回読み返してみたら思っていた以上に古風な翻訳で驚きました。作品はずっと変わらずそこにあり、自分自身も精神的にはそれほど変わっていないつもり^^;だったのですが、歳月は知らない間に人の心を変えていくものだなあと、しみじみした気持ちになりました。

今回の再読での発見は、作中で言及されているアッシジの聖フランチェスコ(本文中では、アシジの聖フランシスとなっていましたが)に、ヘッセが大きな影響を受けていることに気づいたことです。この聖人については、私は昔は何の関心も持っていませんでした。しかし、エクナット・イーシュワランさんの「スローライフでいこう」を何度も読み返しているうちに、いつの間にか気にかかる存在になっていました。

特に心に残るのが、「平和の祈り」という文章です。Wikipediaを読むとこの文章は聖フランチェスコが書いたものではないようですが、誰が書いたものにせよ、その内容は読み返すほどに心に響くものがあります。

その崇高な教えは、私は一生かかっても実践し抜くことはできないでしょうが^^;、疲れた時や傷ついた時、腹立たしい時、この言葉と向き合うことで穏やかで謙虚な気持ちを思い出させてくれます。
話がヘッセの「郷愁」からかなり脱線してしまいましたが、「平和の祈り」と同じく「郷愁」も再読、再々読に耐える優れた作品だと思います。

作品の後半では、老いや死も顔をのぞかせます。若い頃に読んだ時にはよくわかりませんでしたが、それなりに年取ってから後半を読むと、老いを自覚した主人公の心境に共感できるものがありました。
しかし、ヘッセがこの作品を書いたのは、まだ20代後半です。優れた作家の洞察力、想像力の凄さに感服させられました。あらゆる年代の心に響く何かを持っているからこそ、この作品は今でも読み継がれているのでしょうね。(^^)












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