日々の記録

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世界文学を読みほどく (新潮選書)池澤夏樹さんの「世界文学を読みほどく」を読み終えました。

この本は、2003年の9月に京都大学で行われた7日間に渡る講義をまとめたものです。扱っている作品は、スタンダールの「パルムの僧院」から始まり、トルストイの「アンナ・カレーニナ」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」、メルヴィルの「白鯨」、ジョイスの「ユリシーズ」、マンの「魔の山」、フォークナーの「アブサロム、アブサロム!」、トゥエインの「ハックルベリ・フィンの冒険」、ガルシア=マルケスの「百年の孤独」、ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」、そして創作方法について語るということで自作の「静かな大地」を著者がどう考えて構成していったのかが語られています。

以前読んだ時は、書かれている順番に取り上げられた本を読んでいこうと思ったのですが、最初の「パルムの僧院」が完全に私の好みから外れたお話で^^;、いきなり挫折してしまいました。著者はこの本が大好きで、何度も読み返されているそうですが、私は主人公のファブリスがどうしても好きになれなかったからです。

トルストイの「アンナ・カレーニナ」は未読です。トルストイの作品は、いつかきちんと読んでみたいと思っているのですが、いまだに果たせていません。もっとも、著者によれば「アンナ・カレーニナ」はメロドラマらしいですが。(^^;

ドストエフスキーは、「罪と罰」は読みましたが、「カラマーゾフの兄弟」はまだ読んでいません。いつか読もうと思って購入して、本棚の比較的手に取りやすいところに置いてあるのですが、上・中・下の3分冊の分厚い背表紙を目にすると、かなり気合いを入れないと読み始められない感じです。(^^;

メルヴィルの「白鯨」は、自宅にあった世界文学全集で途中まで読んで挫折しました。今回、この本を読んだことでなぜ挫折してしまったかがわかりました。私はあくまで物語として読んでいたのですが、その内部は導入部と結末こそ物語だけれど、真ん中は鯨の百科事典のような作品なのだそうです。
本を読むにも、物語を読もうとする時と百科事典を読む時では、読み手の心構えがちがってきます。それに気づかず挑戦したために、私は途中で挫折してしまったのでした。次に読む時は、心構えを切り替えて挑んでみたいですね。

ジョイスの「ユリシーズ」、マンの「魔の山」、フォークナーの「アブサロム、アブサロム!」、トゥエインの「ハックルベリ・フィンの冒険」も未読です。ジョイスの「ユリシーズ」は、「フィネガンズ・ウェイク」と共に気になる作品なのですが、とっても難解な作品らしいと知って、これまで手を出せずにいました。今回、この本を読んだことで作品の構造が少し見えたので、作品への抵抗感が少し薄れました。

マンは短編の「トニオ・クレーゲル」は読んだことがありますが、長編の「魔の山」や「ブッデンブローク家の人々」などには手を出せずにいます。この時代の作家は、ヘッセ、ツヴァイクなども好みなので、なかなかマンの作品にまで手が回らないので困ります。(^^;

フォークナーは「八月の光」を読んで以来、気になる作家の1人になりました。「アブサロム、アブサロム!」は一度挫折していますが、「八月の光」を読破したことで心理的な抵抗感が少し薄れました。でも、あの濃厚な作品はやはり読むのにかなり気合いがいりそうです。(^^;

トゥエインの「ハックルベリ・フィンの冒険」は、アニメとして放映されたものを見たことがあったような・・・。
でも私は、トゥエインの「トム・ソーヤー」や「ハックルベリ・フィン」はどうも苦手です。トムやハックに、読者や視聴者として共感できないからなのか、黒人問題が出てきたりする重さが苦手なのか、その理由はいまだによくわからないんですけど。

ガルシア=マルケスの「百年の孤独」は、先日読み終えたばかりなので、一番興味深く池澤さんの考えを読むことができました。さらに親切なことに、この本の巻末には「百年の孤独」を読む時の助けになる、池澤さんが作成された資料が収録されています。この資料は確かに分かりやすいですが、個人的には最初に読んだ時にこれを参照せず、家系図だけを頼りに「百年の孤独」を読破してよかったと思いました。何だかわからない混沌も、「百年の孤独」の魅力の1つになっていると思うからです。

最後のピンチョンの作品は、「ヴァインランド」しか読んだことがありません。「V.」、「重力の虹」、「メイスン&ディクスン」と共に気になり、この「競売ナンバー49の叫び」は文庫版を購入してあるのですが、いまだに読み始めることができずにいます。「ヴァインランド」と同じく、「競売ナンバー49の叫び」もピンチョンの作品としては読みやすい部類のようですが、安易に手を出すと簡単に撃墜されてしまいそうな気がしてしまいます。(^^;

今回この本を読んだことで、それぞれの作品の構造を一端を知ることができました。それを頼りに、この中の1つでも2つでも、読み始めることができたらいいなあと思います。
最後にこの本全体の感想ですが、池澤さんの各作品への解説はとてもわかりやすかったです。未読の作品の内容に触れている部分があるので、自分なりにその作品を読んでからこの本を読んだ方がいいのでは!?とも思いましたが、無防備な状態で作品に挑んで撃墜されるよりは、簡単な地図のようなものを手にして作品を読む方が、読破できる確率は高くなると思いました。

1つだけ残念だったのは、この本には池澤さんの講座の内容だけしか収録されていなかったことです。できれば、それを聞いた学生たちがどんな質問をして、それに池澤さんがどう答えたのかまで収録して欲しかったです。












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