日々の記録

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ビッグデータ・コネクト (文春文庫)前に読んだ「オービタル・クラウド」が面白かったので、藤井太洋さんの「ビッグデータ・コネクト」を読みました。

今回のテーマは、サイバー犯罪です。京都府警の万田は、かってXPウィルスと呼ばれる凶悪なウィルス作成容疑者を逮捕・尋問したことがありました。しかし、その容疑者・武岱の逮捕は、警察の完全な勇み足でした。武岱はウィルスの作成者ではなく、何物かによって犯人に仕立て上げられたのです。有能な弁護士・赤瀬が武岱についたこともあり、警察は彼を釈放することになりました。しかし、警察内部ではその後も武岱こそが真犯人だという意見が根強く残りました。

それから数年が経過して、万田は新たな事件の捜査を担当することになりました。今回の事件は、滋賀県の大津市に建設中の官民複合施設コンポジタのシステム開発を行っているエンジニアが、何者かに誘拐されたのです。悪趣味なことに、犯人は脅迫メールと共に、被害者の指を切断して送りつけてきたのです。そして、この事件にもXPウィルスが関わっていることが明らかになりました。

捜査にあたり万田は、かって自分が尋問した武岱に捜査協力を依頼することになりました。XPウィルスが関わっていたことから、この事件にも武岱が関与していることが疑われていました。しかし、明白な証拠は全くありません。そこで捜査協力という形で、武岱の動きを監視することが当初の万田の任務でした。

しかし捜査が進展するにつれ、万田は今回も武岱が何者かに利用されただけだと気づきました。武岱と共に操作を続ける万田は、やがて事件の背後に隠されていた闇と直面することになるのでした。

おぞましい描写もあって、引いてしまう部分もありましたが、作品全体としては面白かったです。
マイナンバー、各種カードやサイトの利用で収集される個人情報、防犯カメラなどの複数の情報が必要以上に利用されることで、一部の権力者にとってのみ都合のいいシステムが構築可能になる恐ろしさが感じられました。
そして便利さの代償として、私たちはどれだけのプライベートな情報を差し出しているのか考えさせられました。

作中で一番共感したのは、コンポジタのシステム開発に関わる描写でした。これほど大がかりなものではありませんが、あるシステムをある会社に導入した時、天下りで発注先に在籍していた関係者に手を焼いたことを思い出しました。(^^;

その方は役所流の考えが抜けなくて、個人名が印刷される部分を戸籍通りの字で印字しろと要求しました。印刷物の提供先は、そこまでの精度を求めておらず、本人と識別できればOKという返事でした。単に要求に応えるだけなら、外字で対応すれば済みますが、いずれそのシステムはネットワーク経由で接続されることになる予定でしたので、そういう形で対応すると後日困りますよと説明したのですが、頑として自分の主張を変えませんでした。
結局、外字を利用して対応することになりましたが、あのシステムは今はどうなっていることやら。(笑)

その時も思ったことですが、コンピュータがあまりに急速に普及したせいで、さまざまな弊害が出ている気がします。
特に官公庁でその弊害が大きい気がしますが、民間の場合でもITに全く通じてない人間が決定権を握っていることがあり、現場の技術者が悲惨な状況に追い込まれているように思います。

話が本の内容から脱線してしまいましたが、どんなシステムでも最もやっかいなのは、それに関わる人間ですね。
政・官・財のお粗末さを見せつけられるたびに、これなら人工知能に管理される社会の方が庶民が安心して暮らせる世界になるんじゃないかと思えてしまいます。(^^;

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