日々の記録

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停電の夜に (新潮文庫)ジュンパ・ラヒリさんの「停電の夜に」を再読しました。

この作品を読むまで、私の読む海外文学作品は、世界文学全集に収録されているような作品が主体でした。現代の海外文学作品も凄いと気づかせてくれたのが、このラヒリさんの「停電の夜に」でした。

今回読んだのは文庫版の方ですが、新潮クレスト版も手元にあります。その時々の気分によって、文庫版と新潮クレスト版を読み分けるのも楽しみの1つです。(^^)

この本には、9編の短編が収録されています。日本での本のタイトルでもある、「停電の夜に」を初めて読んだ時の衝撃は今でも忘れられません。子供を失いすきま風が吹いている夫婦が、工事の影響で停電してしまう時期にロウソクの明かりの中で打ち明け話をする静かな物語です。

書き方によっては、もっとドロドロした内容になりそうなところを、重くなりすぎず幻想的な雰囲気さえ感じさせながら物語る語り口。そして、最終的にこの夫婦がどうなるのかという静かな緊張感が、読者を先のページへと誘います。

この他に、「ピルザダさんが食事に来たころ」「病気の通訳」「本物の門番」「セクシー」「セン夫人の家」「神の恵みの家」「ビビ・ハルダーの治療」「三度目で最後の大陸」が収録されています。個人的な好みは、「停電の夜に」と「三度目で最後の大陸」ですが、どの作品もとても質が高いです。

「本物の門番」と「ビビ・ハルダーの治療」はインドが舞台のようですが、どちらも社会の底辺にいる人物にスポットが当たっていて、読むたびに痛みを感じます。特に「ビビ・ハルダーの治療」は障害者虐待と思える描写もあり、読んでいて悲しくなります。
「三度目で最後の大陸」は今読み返すと、その後に発表された長編「低地」へのつながりを特に感じました。

今現在はラヒリさんはローマへと移住されて、英語ではなくイタリア語で創作を続けているそうです。次の作品がいつ発表されるのか、そしてそれがいつ翻訳されるのか、全くわかりませんが新作の発売を心待ちにできる作家がいるのはいいものですね。(^^)

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