日々の記録

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ヒートアイランド (文春文庫)久しぶりに垣根涼介さんの「ヒートアイランド」を再読しました。

この後、「ギャングスター・レッスン」、「サウダージ」、「ボーダー」と続いていくシリーズの第1作です。
渋谷のストリートギャング雅を束ねるアキは、相棒のカオルと共に血の気の多い若者を集めて戦わせる興業をしていました。アキとカオルのコンビは絶妙で、荒事はアキが担当して、経理などの実務面はカオルが担当していました。

そんな2人の配下のチンピラが、思わぬ大金を持ち込んだことから、やっかいなトラブルを抱え込むことになるのでした。
その金は、裏金を専門に狙うプロの分配金の一部でした。事件の被害届が出てないことから、アキたちはそれが危ない筋の金だということに気がつきました。

金を奪われた男は、他の仲間に、その金を取り返してくれるよう頼みます。そして仲間の柿沢と桃井が、大金の行方を探り始めます。アキたちがこの物語の表の主人公だとすると、柿沢たちは裏の主人公といった感じです。荒さや粗雑さ未熟さが目につくアキたちと、徹底してプロフェッショナルな柿沢たちとの対比も面白いです。

金の行方を追うのは、柿沢たちだけではありません。柿沢たちに大金を奪われたヤクザも、自分たちの面子に賭けて大金を取り戻そうと動き始めます。さらにアキたちの商売を知った別のヤクザが、アキたちの稼ぎを巻き上げようとします。

状況を打開するために、アキはある思い切った作戦に出ます。この作戦の巧妙さと、予想外の勢力の乱入、アキとヤクザの駆け引きが見所です。後半の物語のスピーディーさは、何度読み返しても面白いですね。(^^)

物語の中で印象的なのは、アキとカオル、柿沢と桃井の2つのコンビです。柿沢の過去はほぼ不明ですが、アキとカオル、桃井の過去には引き込まれるものがあります。特に大好きなのが、桃井が柿沢と仲間になるまでのエピソードです。

車のチューンショップを営む桃井は、利益よりも技術を優先する姿勢が災いして、店じまい間近の状況でした。そこに柿沢が、自分の愛車のメンテをして欲しいと依頼してきます。その時に柿沢が、桃井に言ったセリフが大好きです。
自分のメンテ料金が高いことを持ち出した桃井に、柿沢は平然とこう答えます。

「値段が適切かどうかは、あくまでその内容との兼ね合いだ。五の請求でも三の仕事内容しかないなら、それは法外だ。だが、十の請求でも十二の仕事内容なら、それは高くはない」
「最近は、そんな簡単なことさえ分からない奴が多い。だが、おれはあんたの工賃が高いと思ったことは、一度もない。仕事とは、そういうものだ」

このプロの誇りある心意気に、しびれました。自分が仕事をしている時、つい楽で安易な道を選びそうになると、このセリフを思い出します。自分は本当に代価以上の仕事をしたのか。自分の仕事に誇りを持つなら、この問いかけは忘れてはいけないと思います。

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