日々の記録

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銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」第9巻を読み終えました。

この巻のメインは、さまざまな謀略の末に、ついにロイエンタールがラインハルトに叛逆することです。前巻でヤン・ウェンリーが物語から去り、これでしばらく大きな戦いは起きそうにないと思われていた中での、衝撃的な出来事でした。

ヤンの後を継いで、イゼルローン要塞の司令官となったユリアンですが、残された者の中には彼を支えようとする人たちだけでなく、彼に対する不満を公然と口にする者もいました。そんなユリアンをかばったのは、これまでギクシャクした関係が続いていたカリンでした。

フェザーンに都を移したラインハルトでしたが、彼に反発する者の正体がラインハルトの心を揺るがすことになりました。その男は、かってラインハルトがオーベルシュタインの進言を入れて犠牲となったヴェスターラントの関係者だったのでした。その男から罪を告発されたラインハルトは、今までになく動揺します。そして救いの手を求めるかのように、ヒルダと一夜を共にすることになったのでした。

戦争の天才であるラインハルトでしたが、恋に関しては未熟でした。ヒルダと関係を持ったラインハルトは、その翌日にはヒルダの元を訪れて求婚したのでした。それが今度は、ヒルダを大いに動揺させることになったのでした。恋において未熟という意味では、優れた識見を持つヒルダもラインハルトと同じだったからです。

そんな中、帝都に再びロイエンタールに関する噂が流れます。彼がラインハルトに叛逆しようとしているというのです。
その噂をラインハルトは取り合いませんでした。そして予定されていた旧同盟領への訪問を実施します。そこで思いもかけない事件が、ラインハルトを待っていました。旧同盟領の重要拠点であるウルヴァシーに立ち寄ったラインハルトは、駐屯していた兵士の叛逆が襲ったのです。

危機を切り抜けて、危地を脱したラインハルトでしたが、その代償は小さなものではありませんでした。ラインハルトを守るために、ルッツが犠牲になり、ミュラーも負傷したのです。この事実を知ったロイエンタールは、大きな決断を迫られることになりました。かってラインハルトに対する謀略を疑われながらも、ロイエンタールは新領土の総督に任命されました。しかし、それには査問という苦い経験をしなければなりませんでした。再びそれを繰り返すのか、それとも今を好機と考え、ラインハルトに対抗するのか。

結局ロイエンタールは、後者を選びました。そして事態は急速に動きます。ロイエンタールは、イゼルローン要塞へ申し入れを行い、彼らが帝国領土からイゼルローン回廊を通る帝国軍を阻止すれば、旧同盟領を返却すると提案したのです。
時を同じくして、帝国側からはイゼルローン回廊の通行許可を求めてきました。どちらの言い分を飲むのか、ユリアンは決断を迫られることになりました。

そしてユリアンの得た答えは、帝国側に貸しを作ることでした。一時的にラインハルトが劣勢に追い込まれることがあっても、大局はラインハルトの側にあると読んだのです。その結果ロイエンタールは、フェザーンから出撃した親友ミッターマイヤー率いる軍勢の他に、イゼルローン回廊を通過した軍勢をも迎え撃たねばならぬ状況に追い込まれたのでした。

ロイエンタールとミッターマイヤーの戦いは、ほぼ互角でした。しかし援軍の出現と、グリルパルツァーの裏切りによって、戦いの趨勢は決したのでした。惑星ハイネセンへと帰還する途上、グリルパルツァーの裏切りに遭ったロイエンタールは重傷を負いました。しかし彼は、最期の最期まで前線で指揮を執り続けます。

惑星ハイネセンへと到着した時は、ロイエンタールは瀕死の状態でした。しかし、そこで彼は旧同盟首席で、現在は帝国の参事官であるトリューニヒトを呼び出し、抹殺しました。自分の利益のためなら、同盟だろうと帝国であろうと平気で売り渡す。そんなトリューニヒトが、この先もラインハルトを煩わせるのが許せなかったのでした。

そしてロイエンタールは、門閥貴族の末裔であるエルフリーデが産んだ彼の子を、親友ミッターマイヤーに託して息を引き取ったのでした。その死は、親友ミッターマイヤーだけでなく、皇帝ラインハルトにも惜しまれるものでした。

そんな中、ヒルダは自分がラインハルトの子供を懐妊していることを告げました。消えていく命がある一方で、新しく生まれてくる命もあります。ラインハルトは、ヒルダを正式に自分の皇妃としました。そしてイゼルローン要塞では、ユリアンとカリンの恋も着実に進展しているようです。

というわけで、ロイエンタールの叛逆が描かれた第9巻でした。魅力的な登場人物が数多く登場するこの作品も、前巻のヤンの死、この巻のロイエンタールの死と続いて、なんだか寂しくなってきました。
次の10巻で、いよいよこの作品も完結です。・・・できれば今年中に再読し終えることができるといいなあ。












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