日々の記録

アニメと読書の感想をメインにしたブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆


絵ときデザイン史〈歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる!  画期的なデザイン史の本! 〉デザインのことをもっと知りたいな〜と思っていた時に、この本を見つけました。

この本では、デザインの歴史が簡潔に解説されています。
1つのデザインについて2ページを割り当て、1ページ目にデザインの雰囲気を伝えるイラストを掲載、2ページ目に簡単な文章でその特徴などを解説しています。

内容は本当に簡潔ですが、私のようにざっと大きなデザインの流れを知りたい、どんなデザインがあるのかをざっと知りたい、という目的で読むには最適でした。

本の中で紹介されているデザインには、知っているものも多くありましたが、こんなデザインもあるんだ!という発見もあって面白かったです。

普段、仕事に即役立ちそうな実践的な本ばかり目を通しているので、すぐには役に立たないかもしれないけれど、自分の引き出しやストックを増やすために、たまにはこういう本に目を通すのも楽しいなあと思いました。(^^)
スティグマータ自転車ロードレースの世界を舞台にした、「サクリファイス」から続くシリーズの4作目です。同じく自転車レースを扱った、「キアズマ」という作品も著者にはありますが、これは主人公がチカではないので別シリーズと考えた方がよさそうですね。

主人公の白石誓ことチカは、この作品でもフランスのチームに所属して、世界各地を転戦しています。前作となる「エデン」では敵チームの新鋭として登場したニコラが、今はチカと同じチームで戦っています。ロードレースの世界は、様々な事情でかっての仲間が敵チームになったり、敵チームだった相手が味方になったり、選手たちの所属が頻繁に変わる世界のようです。

そして今年も、ツール・ド・フランスの時期がやって来ました。そこへ衝撃的なニュースがもたらされました。かってロードレースの世界に絶対的な王者として君臨しながらも、ドーピング検査に引っかかり、過去の栄光を全て剥奪されて自転車界から去ったはずのメネンコが、新たに作られたチームのエースとして復活するというのです。

さらに、かって日本ではチカのライバルであった伊庭が、今シーズンから海外を拠点として活動を開始したのです。その伊庭が所属するのが、あのメネンコのチームでした。久しぶりの再会を喜ぶチカでしたが、伊庭はメネンコからある依頼を受けていました。

チカと同じチームに所属するアントニオ・アルギという選手が、メネンコを憎んで命を狙っているというのです。メネンコからの依頼は、アルギが何かしようとしていないか見張って欲しいというのです。その見返りとしてメネンコは、もしチカが来シーズン以降、新たなチームと契約を結ぶことが難しかったら、それをバックアップしてくれるというのです。

メネンコの申し出を快くは思わなかったものの、レース中にトラブルが起きることを好まないチカは、メネンコの申し出を受けることにしたのでした。そしてチカは、ツールへと参加することになりました。何週間にもわたる過酷な戦いが、再び始まりました。

レースが進む中、チカはアルギと親しくなる機会を得ました。アルギの妹ヒルダは、日本に留学して日本語にも堪能でした。そしてチカは、かってメネンコとアルギの妹の間にあった陰惨な事件のことを知るのでした。そのことで、アルギは今もメネンコを恨んでいたのでした。

そんな中、チカはメネンコの目的について疑問を持ちました。それが物語の鍵となる部分で、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、その謎が後半の物語を引っ張っていました。でも、その結末はちょっと不満だったかも。途中で伏線のように挿入されていた、ニコラが目撃した幽霊の話は、結局何だったんだろうという疑問も残りましたし・・・。(^^;
もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本デザインやレイアウトについてもっと知りたくて、この「もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本」を読んでみました。

この本以外にも、デザインやレイアウトに関する本は何冊か読みました。そこで説明されていることの1つ1つは、それなりに理解できるのですが、それを実際にどう使ったらいいのか今ひとつわかりませんでした。

そんな時、たまたまこの本を見つけました。この本ではクイズ形式で、2つの作例が提示されて、どちらがいいのかを考えます。OKとNG、どちらもクオリティが高いので、問題によっては間違いを連発することもありましたが^^;、その後の説明を読むと、NGのものは何がダメなのかきちんと説明されていて、とてもわかりやすかったです。

この本を読んだことで、デザインやレイアウトは論理的な構成力が大切なのだと再認識しました。デザインやレイアウトには目的があり、その目的を達成するためには、個々の要素をどう利用すればいいのか、そして作り上げたものについて、なぜこういう構成なのかをきちんと説明できることが必要なのだと痛感しました。

この本に書かれていたことを、すぐに全て実践することは無理ですが、ここで覚えたことの1つでも次の制作に役立てることができたらと思います。(^^)
ライト、ついてますか―問題発見の人間学ドナルド.C.ゴースとジェラルド.M.ワインバーグの「ライト、ついてますか」を再読しました。

昔読み終えた時も思いましたが、今回もこの本を読み終えた時、ものすごく重要なことに気づいたような気がするけれど、事例として紹介されている話があまりに笑えすぎて、肝心なことが今ひとつ記憶に定着しないのが困りものです。(^^;

むしろ読んでいる途中の方が、ある問題に対する答えを見つけることよりも、問題自体を発見すること、何が真の問題なのか、問題に見えるものは本当に問題なのか、などなど。いろいろと考えさせられました。

その事例は、かなり冗談めかした物語仕立てで語られています。それだけ抜き出したら、ジョーク本として立派に成立するような気がするくらいです。もしかしたら、この本は本当はジョーク集のつもりで発売しようと著者たちは考えていたのではないかと、疑いたくなるくらいです。(^^;
「受け流す心」をつくる3つのレッスン (メディアファクトリーのコミックエッセイ)『「受け流す心」をつくる3つのレッスン』を読み終えました。

精神的に打たれ弱かったり^^;、ネガティブになりやすいので、時々自分を見つめ直す本を読むことにしています。
今回選んだのが、この本でした。この本のいいところは、とにかくイラストが多くて読みやすいことです。落ち込んでいる時は元気がないので、せっかく素晴らしいことが書いてある本でも、あまり活字が多いと読む気力が出ません。この本くらいのゆるい雰囲気と内容が、そういう時にはぴったりきます。

3つのレッスンとタイトルにもあるように、この本では気持ちを上手に整理する方法、仕事の人間関係の悩みを解消する方法、楽な気持ちで人とつきあう方法が紹介されています。はじめから順に読んでも得るところがありますが、何か特定のことで悩んだ時に、参考になるところだけを読むのもOKですね。

これを読めば,どんな問題でも解決とはいきませんが、考え方の方向が間違ってないかチェックしたり、少しだけ元気をもらえる本だと思います。(^^)
宇宙になぜ我々が存在するのか (ブルーバックス)村山斉さんの「宇宙になぜ我々が存在するのか」を読み終えました。

先に読んだ同じ著者の「宇宙は何でできているのか」は、少し難しい感じでしたが、今回読んだこの本の方が素人にも取っつきやすい感じでした。

我々の住んでいる宇宙は、どうやって出来上がったのか。それを素粒子をキーワードに説明されています。この本の中で特に興味深かったのは、物質と反物質は対生成によって生まれ、対消滅によって消えること、2つがそろって生まれたり消えたりするのなら、どうして今我々が住んでいる宇宙は消えずに残っているのか、ということでした。

その謎を解くキーになるのが、ニュートリノではないかと著者は考えています。その説明が本の中心ですが、様々な例えでニュートリノの不思議が説明がされていて、ともてわかりやすかったです。(^^)

本の最後では、2013年時点でわかっていることをもとに、私たちの住む宇宙がどうやって出来上がったのかが解説されます。この先もっとニュートリノの研究が進めば、宇宙誕生の100億分の1秒後くらいまでわかるようになるかもしれないというのも、楽しみですね。
パロマーの巨人望遠鏡〈下〉 (岩波文庫 青 942-2)「パロマーの巨人望遠鏡」の下巻を読み終えました。

上巻では、天体物理学の発展に大いに寄与したヘールの功績、200インチという巨大な鏡を作り上げる苦労が描かれていました。しかし、それで全てが終わったわけではありません。この巨大な計画は、その後も多くの難題を解決することで、ようやく達成されたのです。

200インチの大きなガラスの輸送にまつわる問題、そしてそれを磨き上げて凹面鏡に仕上げる上での苦労。巨大な鏡を支えることのできる望遠鏡の本体と、自動的に目的の星を追い続ける装置の開発。鏡の表面に施されたアルミ鍍金技術の開発。様々な資材をパロマー山上へと運ぶための、道路の整備。

しかし、そうした困難を乗り越えることは、単に望遠鏡の製作に役立つだけではありませんでした。その過程で生み出された技術は、別の方面でも活用されました。さらに、こうした巨大プロジェクトの存在が、今まで不可能だと思われたものに多くの人を立ち向かわせる原動力となりました。

下巻で特に印象的だったのは、鏡を磨く技術者であるブラウンの物語でした。彼は養鶏農家の家に生まれましたが、最初に望遠鏡と関わることになったのは、技師ではなくトラックの運転手としてでした。しかし、元々何かを作り出すことに興味があったブラウンは、独学で鏡の加工技術について学び、ついに200インチの鏡を任される責任者となりました。

本当に何か心から打ち込めるものがあれば、人はその道で認められるほどの存在になれる。そして前人未踏のことを実現させようとする時、その答えは自らの手で探し出さなければなりません。

何かを新しく学ぼうとする時、私たちは本やネットに安易に頼ることがあります。でも、本当に新しいことを始めた時、その答えは自分で見つけ出す以外にありません。情報機器が発達して、手軽に様々な情報にアクセスできる時代だからこそ、自分自身の力で考えて答えにたどり着くことが大切なのだと痛感しました。

そして、ヘールをはじめとして計画に関わっていた人物の何人かは、その完成を見ること亡くなくなりました。しかし、彼らは後に続く者たちをきちんと育てていました。彼らの思いは、次の世代へと受け継がれました。こうしてついに、パロマーの巨人望遠鏡は完成したのでした。

日本人として少し悲しかったのは、第二次世界大戦の勃発によって、このパロマーの巨人望遠鏡計画も停止してしまったことです。そのため戦後の1948年になって、ようやく天文台が稼働することができました。もし戦争がなければ、もっと早く偉業が達成されていたかと思うと悔しいです。戦争は数多くの破壊をもたらしますが、人類の進歩という未来も奪うものなんですね。

それから本書の後半にあった、このような巨大な望遠鏡を作ることが、何の役に立つのかという問いも重いものだと思いました。建造にかかる費用を飢えに苦しむ人々にまわせば、多くの命を救うこともできるからです。しかし、それでもなお人は学び続け、無知という闇に消されないように、知恵という光を守り続けなければならないと思います。

最後に、「すばる望遠鏡」の建造にあたり、その関係者にこの本の旧訳が配布されたことを知ったことが、この本を読むきっかけとなりました。幸い「すばる」に関わった成相恭二さんの手によって、文章が現代表記に改訂されていたので、とても読みやすかったです。
本の中で描かれた時代から、かなりの時が経過していますが、そこに描かれている開拓者精神は、現代の読者の心にも響くものがあると思います。(^^)
パロマーの巨人望遠鏡〈上〉 (岩波文庫)「すばる望遠鏡」の本を読んで以来、天文学関係の読書が続いています。

今度読んでいるのは、「すばる」が作られた時にも参考にした、パロマーの200インチ望遠鏡にまつわる物語です。
まだ上巻を読み終えただけですが、この本を読んでいる時はいつもワクワクした気持ちになりました。物語のメインは、子供の頃から望遠鏡に魅せられて、天文学への道へと進んだヘールです。彼は裕福な家庭に生まれました。そのおかげで、彼は13歳にして、初めて自作の望遠鏡を作り上げたのでした。

そこからヘールの情熱は、さらに燃え上がりました。父を頼るだけでなく、自ら援助者を探し出して、より大きな望遠鏡を作り出そうとするのでした。そんなヘールは、天文学には物理学の知識も不可欠だと見抜いていました。優れた望遠鏡を作り出すことができなければ、解決することができない問題がたくさんあったのです。

そしてヘールは、マウント・ウィルソンに60インチの大きな望遠鏡を備えた天文台を作り上げました。そこには望遠鏡が設置されているだけでなく、観測のために必要になる道具を作り出す工場も用意されていました。それはヘールの理想を1つの形にしたものでした。

しかし、さらに大きな望遠鏡を作るチャンスがヘールに訪れました。なんと200インチの望遠鏡に挑戦することになったのです。もちろん、その仕事はヘール1人でできることではありません。様々な人々が、様々な形で計画に関わり力を貸してくれます。

上巻の最大の見所は、200インチという巨大な鏡をどうやって作り上げるかという難題に挑戦するところでした。
最初は石英での製作が試みられました。しかし、これは失敗続きでした。その間にアメリカの景気が後退したこともあり、これ以上は石英で鏡を作る実験が続けられなくなりました。

そうして次に選ばれたのが、すばる望遠鏡でも使われているパイレックスというガラスでした。もちろん、パイレックスを使うことが決まっても、その計画が順調に進んだわけではありません。200インチの巨大なガラスはまだ誰も作ったことがありませんので、全てが手探りで試行錯誤と失敗の繰り返しでした。

しかし、様々な苦労を乗り越えて、ついに200インチのパイレックス・ガラスが完成したのでした。

上巻を読んで驚いたのは、ヘールの優れた先見性でした。自分たちと同じ志を持つ者を、国や人種、性別などに関係なく広く受け入れる懐の広さ。巨大プロジェクトを途切れさせないために、積極的に若者を雇い入れて、自分たちの後を継ぐ者を養成することを怠らない継続性。

今も天文学の世界では、世界的に協力し合うことが当たり前だそうですが、優れた先人の精神が今も忘れず受け継がれているからなんでしょうね。(^^)
さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~さかなクンの自叙伝、「さかなクンの一魚一会」を読み終えました。

テレビのバラエティー番組でもおなじみの、さかなクンの生い立ちが語られている本です。小さな子供にも読みやすいように、漢字にはルビがついています。さかなクンは、最初からさかなクンだったわけではなく、それはちょっとした小さなきっかけから始まりました。

読んでいて驚いたのは、幼い頃からみせるさかなクンの集中力の強さです。気になることがあったら、徹底的にそれを追求する。そして、そんなさかなクンをお母さんが優しく見守り、さかなクンのやりたいようにさせてあげたのも凄いです。さかなクンが今のような凄い人になれたもの、このお母さんがいたからだと思います。

この本を読んで強く感じたのは、人は1人1人違っていていいんだという当たり前のことでした。自分の子供時代を思い起こしてみても、あの子は算数が得意、あの子は走るのが速い、あの子はいつも周囲を笑わせてくれる、などとそれぞれに凄いところを持っていました。

それが中学・高校と進むにつれて、成績がいいかスポーツが得意なことくらいしか、人を測る物差しがなくなっていったように思います。これはとっても寂しく、とってももったいないことだと思います。そして社会に出ると、仕事ができるできない、どれだけお金を稼ぐか、もっと物差しは寂しくなりました。

この本は、そんな価値観に疑問を持ち、立ち止まって考えさせてくれる素敵な本でした。子供にも読みやすく、大人にも得るところがある。親子で楽しめる、素晴らしい本です。(^^)
カラー版 すばる望遠鏡の宇宙―ハワイからの挑戦 (岩波新書)小平桂一さんの「宇宙の果てまで」を読んで、すばる望遠鏡のことをもっと知りたくなって、この本を読みました。

この本には、すばる望遠鏡で撮影された多数の写真が掲載されています。本をパラパラっとめくった時、まずはその美しさに驚きました。

そして、すばる望遠鏡の完成までの様子、すばるの構造、現地の様子、観測風景、すばるのあるハワイの様子、どんな観測が行われているのかの解説、そのどれもがとても興味深くて面白かったです。

小平さんの本は、すばる完成までの主に人間的な要素に重点が置かれていましたが、この本ではすばるが完成したことで、こんな発見がありましたという科学的な解説が充実していました。

この本が出版されたのが2007年なので、既に10年近くが経過していますが、天文学の最先端ではこんな研究が行われていて、新しい観測結果から新たな予測が生まれていることを知ることができて楽しかったです。(^^)
戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)Twitterで話題になっているのを見て、興味がわき「戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊」を読みました。

この本で語られているのは、本を通してみた第二次世界大戦です。ヒトラーによる大量の焚書から始まり、やがて参戦したアメリカの兵士たちは、戦いの合間の娯楽に飢えています。

それを満たすために、兵隊文庫と呼ばれるポケットにおさまるサイズの、どこでも気軽に読める本が作られるようになりました。届けられた本を、兵士たちは競い合うようにして読みふけります。それが結果的に、戦後のアメリカの教育水準を引き上げることにもつながりました。

この本を読んだことで、第二次世界大戦は極度の情報戦でもあったのだと知りました。ヒトラーは敵の意志をくじくために、そしてアメリカは戦地の兵士の士気を下げないために本を利用します。

最初は自由に出版されていた兵隊文庫にも、途中で検閲という規制が加えられます。しかし、それはドイツのやっていることと同じだと反対する人々の意見が政府に届くのが、アメリカの懐の深さだと思いました。

この本を読んだことで、有川浩さんの図書館戦争シリーズを読んだ後で、心に引っかかっていたものが何だったのかにようやく気がつきました。

たとえ言論の自由を守るためだとしても、そのために銃を手にするのは根本的に間違っているということです。銃を手にとる状況になった時点で、既に言論の自由は敗北したと考えるべきです。
銃を手にする世界にならないためにも、日々私たちは本を読み、考え、何が正しいのか一人一人が判断するべきではないでしょうか。
誰でも使える天体望遠鏡: あなたを星空へいざなう宇宙の果てまで」を読んでいる時に、つい気になって手にした1冊です。(^^;

子供の頃、天体望遠鏡に興味がありましたが、高価なので当然買ってもらえませんでした。(^^;
でも裕福な友人の家に、かなり大きな望遠鏡があって、それで太陽の黒点を観察させてもらったりしました。

この本ではアマチュア向けに、どんな望遠鏡を買ったらいいのか、買うときにはどこに注意すべきか、お薦めの製品、望遠鏡の使い方、初心者向けの天体の見所、天体観測の基本などが紹介されています。写真や図が豊富に掲載されていて、それぞれの項目の説明もとてもわかりやすかったです。

本を読んだ後で、実際の価格はいくらくらいなんだろうとamazonで調べたら、予想以上に安い価格帯の製品も販売されていて驚きました。性能と価格のバランスを考えると、5万円くらいの製品ならがんばれば手が届きそうかも。(^^;

とはいえ、買ったはいいけれど、2〜3回しか使わなかったという結果になりそうな気もするので、本当に購入するつもりならじっくりと検討した方が良さそうですが。
宇宙の果てまで―すばる大望遠鏡プロジェクト20年の軌跡 (ハヤカワ文庫NF)小平桂一さんの「宇宙の果てまで」を読み終えました。

この本は、日本がハワイのマウナケア山に設置した「すばる」望遠鏡プロジェクトの20年に渡る歴史を描いたノンフィクションです。計画がスタートしたのは、1970年代にまで遡ります。日本が高度経済成長を遂げる中、大望遠鏡を建造したいという話が研究者の中から生まれます。巨額の予算も必要ですが、それ以上にどこに天文台を建設するかも大きな問題でした。

著者たちは様々な調査によって、国内よりも国外に建造することが望ましいと考えました。しかし何百億円もの費用がかかる天文台を、どうやったら国外に作ることができるのか。ここから著者たちの苦闘が始まります。事前に詳細な調査を行うための予算1つとっても、それを獲得するまでの苦労がありました。そして望遠鏡の建造にまつわる技術的な問題、予算獲得のための交渉、現地の設置先との交渉、法制度の問題などなど、様々な問題が次々と生まれて著者たちはその対応に忙殺されます。

そんな著者たちのがんばりには、本当に驚かされます。しかも、建造計画の推進しながら本業である天文学者としての研究も行っています。もしもこのプロジェクトを進めず、本来の研究に専念したら、著者は天文学の分野で大きな成果を残したかもしれません。でもそれは望遠鏡の完成後の後進に託して、日本だけにとどまらず、世界中の天文学者に利用できる施設の建設に、著者たちは情熱を注ぎ込みます。

望遠鏡完成までの間には、世界情勢も大きく変動し、著者らの身辺にも様々な変動がありました。本書のメインは、望遠鏡建造の物語ですが、その裏側で進行する様々な動きも記録されていることが、本の内容により深みを与えていると思いました。

また本書のあちこちに見られる、さまざまな自然描写も印象的でした。著者は星空の観察者としてだけでなく、世界の観察者としても優れた目を持っていると感じました。

そして1999年の1月29日に、ついに「すばる」が取得した天文画像が公開されました。この場面は、読んでいて本当にうれしかったです。しかし、これで終わりではありません。苦労の果てに作り上げた「すばる」を、どう活用していくかがより重要です。

この本を読んでいる間、いろいろなことを考えさせられました。
実現が難しいからと最初から諦めていたら、何も達成できないこと。
人が宇宙を見上げる時、人種や国や思想の違いが、いかにちっぽけなものにすぎないかということ。
優れた先人の背中を見てきたからこそ、後に続く優れた者が生まれてくるのだということ。

この本は、どんな年代の人達の心にも響く内容を持っていますが、その中でもやはり若い人にぜひ読んで欲しいと思いました。(^^)
ビッグデータ・コネクト (文春文庫)前に読んだ「オービタル・クラウド」が面白かったので、藤井太洋さんの「ビッグデータ・コネクト」を読みました。

今回のテーマは、サイバー犯罪です。京都府警の万田は、かってXPウィルスと呼ばれる凶悪なウィルス作成容疑者を逮捕・尋問したことがありました。しかし、その容疑者・武岱の逮捕は、警察の完全な勇み足でした。武岱はウィルスの作成者ではなく、何物かによって犯人に仕立て上げられたのです。有能な弁護士・赤瀬が武岱についたこともあり、警察は彼を釈放することになりました。しかし、警察内部ではその後も武岱こそが真犯人だという意見が根強く残りました。

それから数年が経過して、万田は新たな事件の捜査を担当することになりました。今回の事件は、滋賀県の大津市に建設中の官民複合施設コンポジタのシステム開発を行っているエンジニアが、何者かに誘拐されたのです。悪趣味なことに、犯人は脅迫メールと共に、被害者の指を切断して送りつけてきたのです。そして、この事件にもXPウィルスが関わっていることが明らかになりました。

捜査にあたり万田は、かって自分が尋問した武岱に捜査協力を依頼することになりました。XPウィルスが関わっていたことから、この事件にも武岱が関与していることが疑われていました。しかし、明白な証拠は全くありません。そこで捜査協力という形で、武岱の動きを監視することが当初の万田の任務でした。

しかし捜査が進展するにつれ、万田は今回も武岱が何者かに利用されただけだと気づきました。武岱と共に操作を続ける万田は、やがて事件の背後に隠されていた闇と直面することになるのでした。

おぞましい描写もあって、引いてしまう部分もありましたが、作品全体としては面白かったです。
マイナンバー、各種カードやサイトの利用で収集される個人情報、防犯カメラなどの複数の情報が必要以上に利用されることで、一部の権力者にとってのみ都合のいいシステムが構築可能になる恐ろしさが感じられました。
そして便利さの代償として、私たちはどれだけのプライベートな情報を差し出しているのか考えさせられました。

作中で一番共感したのは、コンポジタのシステム開発に関わる描写でした。これほど大がかりなものではありませんが、あるシステムをある会社に導入した時、天下りで発注先に在籍していた関係者に手を焼いたことを思い出しました。(^^;

その方は役所流の考えが抜けなくて、個人名が印刷される部分を戸籍通りの字で印字しろと要求しました。印刷物の提供先は、そこまでの精度を求めておらず、本人と識別できればOKという返事でした。単に要求に応えるだけなら、外字で対応すれば済みますが、いずれそのシステムはネットワーク経由で接続されることになる予定でしたので、そういう形で対応すると後日困りますよと説明したのですが、頑として自分の主張を変えませんでした。
結局、外字を利用して対応することになりましたが、あのシステムは今はどうなっていることやら。(笑)

その時も思ったことですが、コンピュータがあまりに急速に普及したせいで、さまざまな弊害が出ている気がします。
特に官公庁でその弊害が大きい気がしますが、民間の場合でもITに全く通じてない人間が決定権を握っていることがあり、現場の技術者が悲惨な状況に追い込まれているように思います。

話が本の内容から脱線してしまいましたが、どんなシステムでも最もやっかいなのは、それに関わる人間ですね。
政・官・財のお粗末さを見せつけられるたびに、これなら人工知能に管理される社会の方が庶民が安心して暮らせる世界になるんじゃないかと思えてしまいます。(^^;
20億の針【新訳版】 (創元SF文庫)ハル・クレメントの「20億の針」を読み終えました。

物語は、2隻の宇宙船が地球に墜落するところから始まります。その船には、ゼリー状の生物が乗っていました。1人は、"捕り手(ハンター)"と呼ばれる捜査官、もう1人は"犯罪者(ホシ)"と呼ばれる逃亡者です。ホシを追跡していたハンターは、地球の重力圏に捕まり、ホシ共々南太平洋へと墜落しました。2人の乗っていた宇宙船は、大破してしまいました。

彼らは宿主の体を借りなければ、生きていくことができません。ハンターは、ロバート(ボブ)という15歳の少年の体の中に入り込むことができました。自らの存在をボブに知らせたハンターは、ボブと共に誰かの体の中に潜んでいるに違いないホシを探し出そうとするのでした。しかし、どこにホシがいるのかは全くわかりません。この時代の地球の人口、20億人の中に埋もれた犯人を、ボブとハンターは捜し出さなければならないのです。

ゼリー状の共生生物とボブとの協力関係も面白いですし、様々な手がかりから2人がホシを探し出そうとする過程はちょっとした探偵小説みたいで、その部分も面白かったです。

この本を読む前は、ボブがハンターのおかげで超人的な力を持つようになるお話なのかと思いましたが、ハンターはボブが傷を負ったり、病気になった時にそれを助けてくれるくらいで、ボブは基本的には15歳の少年のままです。なのでビジュアル的に派手な場面はありませんが、ボブとハンターの親子のような友達のような不思議な関係が楽しかったです。(^^)
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)村山斉さんの「宇宙は何でできているのか」を読み終えました。

著者である村山斉の名前は、先に呼んだ大栗博司さんの本で知りました。それで手にしたのが、この本でした。
この本では、素粒子物理学の観点から、宇宙の謎を解明しようとする試みが解説されていました。大栗さんの本より先に出版されたこともあり、この本に書かれていることのいくつかは既に大栗さんの本で読んだことでした。また、この本の出版時点では、CERNの実験結果も発表されておらず、この分野の研究の進歩の早さに驚きました。

一般向けに書かれた本ではありますが、この本は中盤以降はかなり難しく感じました。素粒子レベルのサイズや動きをイメージすることの難しさだけでなく、それを説明するための理論が素人目に見ると、「え!?、え!?」という驚きの連続でした。(^^;

そして、新しい理論ができても、またそれでは説明できない現象が観測されて、また新たな理論が生まれて・・・。
これで本当に、人類はいつか本当の究極理論に到達することができるのかと呆然とした気持ちになりました。
しかも、天の川銀河とアンドロメダ銀河は、45億年後には衝突する予定らしいので(!)、人類が天の川銀河から脱出する手段を見つけ出せなかった場合、理論発見までに残された時間はあと45億年しかないことになりますね。(^^;
生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ)新井紀子さんの「生き抜くための数学入門」を読み終えました。

数学が嫌いな中高生くらいを対象に、数学の考え方や方法をできる限りかみくだいて解説している本でした。
最初の方はサクサクと読めますが、中盤以降は数式の意味を言葉で説明している部分が長くて、まどろっこしい感じでした。

この本を手に取るのは、多分数学が苦手な人だと思うので、ここで数学ってやっぱり難しくて面倒くさいと、挫折してしまう人も多いのではないかと思いました。

また後半で、オイラーの公式やゲーデルの不完全性定理にも触れていますが、その説明のためのページ数も少なく、この本の対象者を考えるとない方がいいと思いました。

本全体として見ると、数学が苦手な人にはやっぱり数学は嫌いだと思わせる内容で^^;、数学が得意な人には物足りない内容だったと思います。
本をサクサク読む技術 - 長編小説から翻訳モノまで (中公新書ラクレ)齋藤孝さんの「本をサクサク読む技術」を読み終えました。

多くの本を読み、多くの本を書かれている著者が、さまざまな種類の本を、さまざまな手法で読む技術を紹介している本でした。第1章では平行読書や斜め読みのすすめ、第2章では長編小説を挫折せずに読む方法、第3章では経済小説と歴史小説のすすめ、第4章では翻訳書・原書・理系本の読み方の紹介、第5章では本に関する情報の入手方法やレーベルごとの個性、書棚を持つことのすすめが書かれていました。

第1章の内容は、本好きの人なら多分すでに実践されていることが多いと思います。複数の本を平行して読んだり、手近なところに常に本を置いておく、出かける時は必ず本を1冊持って行くは、私も生活習慣になっています。
ただ、同じ著者の別の本でもすすめられている、本にじゃんじゃん書き込みをすることは、私はどうしても抵抗があります。学生時代は教科書に書き込みをするのは平気でしたが、今は技術書でもあまり書き込みはしたくありません。(^^;

これは多分、本当に大切だと思うことは、手を動かしてメモを取りたいからかもしれません。今はパソコンが身近なものになったので、メモファイルの作成やブログへの投稿という形で簡単にメモを残せるのがいいですね。パソコンでメモを管理すると、後から簡単に検索することができる点も気に入っています。

パソコンで思い出しましたが、英語の原書を読むのは、最新のコンピュータ事情を知りたいと思うと、どうしても必要になりますね。さまざまな技術ドキュメントは、詳細を知ろうと思うと英語の資料しかないことも多いですし、それが翻訳されるのを待っていると、その間にさらに技術が進化してしまうこともありますので。

今回一番参考になったのは、長編小説の読み方でした。会話の部分だけ拾い読みしたり、適度に内容を飛ばしながら読むという、かなり思い切った手法が紹介されていました。それで本当に読んだことになるのかという思いもありますが、途中で挫折して放置するよりは、飛ばし読みでも最後まで読んだ方が全体の概略を知ることはできます。
この方法を知っただけでも、この本を読んだ価値はあったなあと思いました。(^^)

最後に、著者の読書に関する本を他にも読んだことがあったようなと思って調べてみたら、2007年に「読書力」を読んでいました。
もう9年前くらいです。月日の経つのは早いものだと、しみじみと思いました。(^^;
オービタル・クラウド藤井太洋さんの「オービタル・クラウド」を読み終えました。

物語の舞台は、2020年です。流れ星の予測をする「メテオ・ニュース」というサイトを運営する木村和海は、サフィール3と呼ばれるロケットのボディが、軌道上で不可解な動きをしていることに気づきました。その些細な出来事は、大がかりな軌道上のテロの始まりでした。

そして和海は、フリーのITエンジニアの明利と共に、JAXA職員の黒崎、関口、そしてCIA、北米航空宇宙防衛軍(NORAD)と力を合わせて、テロを阻止するために行動することになりました。

ハードカバーで500ページほどの作品でしが、長さを感じさせない面白さがありました。舞台となっているのが2020年という近未来なこともあり、そこに登場する技術が聞いたことはあるようなものなのがよかったです。

メインとなるテザー推進は初めて知りましたが、テロの実行犯を見つけ出すのに使われるのが、ローコストなシングルボード・コンピュータとして知られるRaspberry Piだったり、和海のサイトの運営に利用されているのがアマゾンのウェブサービスらしかったり、クリック型広告にウィルスが仕込まれていたり、実際にイメージできるものが多かったので、よりリアリティを感じました。

物語は複数の視点から描かれますが、犯人側の行動の動機となっているのが、先進国と途上国の宇宙開発技術の圧倒的な差だったりして、犯人側にも共感できる部分があったのがよかったです。そして犯人がそこに追い込まれる原因が、技術は全く理解していないのに、巨額の資金を動かす権限は持っている政治家だったという理不尽さには、哀しさと情けなさを感じました。
大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)先に読んだ「重力とは何か」が面白かったので、同じ著者が超弦理論についてより詳しく解説している、この本を読んでみました。

「重力とは何か」と同じくこの本も、素人にもわかりやく噛み砕き、様々な比喩を使って超弦理論とは何かを解説していました。これは著者が、超弦理論について十分理解している証拠だと思います。本質的なところをきちんと押さえているから、このようにわかりやすい説明ができるのだと思います。

それを一番強く感じたのは、第5章でゲージ原理を説明するのに、金融市場を例にして説明されているところでした。
この説明のおかげで、ゲージ原理という別世界のもののように思えたものが、身近なものとしてとらえることができました。こういう柔軟な説明ができる著者の頭の良さに、本当に感心しました。

内容的には、それでも後半はやはり難しかったですが(32次元とか登場しますし^^;)、物理学の最先端ではどんな研究が行われているのかを垣間見ることができて、わからないけれどワクワクしました。そして、空間は幻想、時間も幻想と話を発展させていった先で、では我々人間とはどういう存在なのかという哲学的な問題が浮かび上がってくるのも興味深かったです。

最後に、あとがきを読んで感心したのは、著者が自分たちの研究を支えてくれている、世界中の納税者への感謝について触れていたことでした。こういった最先端の研究は、実用的な研究と比べて、現時点では何の役に立つのかわからないことが多いです。でもだからといって、そういった研究への予算をカットしてしまうと、これから先の人類の可能性や選択肢を減らしてしまうと個人的には思っています。

しかし、そういった研究者が自分たちが支援されるのは当然だと思うのは、やはり傲慢だと感じます。大切な税金を使って研究させてもらっているという、謙虚な気持ちは忘れて欲しくありません。
その点、大栗先生は研究者として優れているだけでなく、人格者としても優れていると感じました。

研究者以上に税金を使っているくせに、ちっとも謙虚さが感じられない政治家どもに、大栗先生の爪の垢を煎じて飲ませたいですね。(^^;
おもしろ古典教室 (ちくまプリマー新書)上野誠さんの「おもしろ古典教室」を読み終えました。

この本は、高校生くらいを対象に、かなりくだけた文章で古典の面白さを伝えようとしています。最初は、そのあまりのくだけぶりが気になりましたが、読み進むにつれて気にならなくなりました。扱っているのは、主に日本の古典ですが、中国の論語や荘子の紹介、また文学や和歌の紹介だけでなく、歌舞伎の面白さや古典にゆかりの場所を訪れる楽しみなども紹介されています。

北村薫さんの作品などを読んでいると、時折無性に日本の古典が読んでみたくなりますが、書店などでパラパラと本に目を通してみると、独特の漢字の読み方や注釈の多さに圧倒されて、今ひとつ踏み込むのをためらってしまいます。
しかし、著者は古典を学ぶことの本当の意味は、ただ単にそれを読むことではなく、そこから読み取ったものを今この時や自分に活かすことにあると主張されていて、これには共感できるものがありました。

今回この本と出会ったことで、その中で紹介されていた「徒然草」と芥川龍之介の「竜」が面白そうだと思いました。
「徒然草」は学校の授業で習って以来ですが、こういう機会でもないと改めて読んでみようとは思わないので、この機会にチャレンジしてみようと思います!(^^)
芥川の方は、新潮文庫で発売されているものを古本屋で見つけるたびに、いつか読もうと買い集めていましたので、こちらも読んでみようと思います。
アンと青春坂木司さんの「和菓子のアン」の続編、「アンと青春」を読み終えました。

前作の「和菓子のアン」も面白かったですが、2作目となる「アンと青春」も面白かったです。書店で見かけた時に、思わず笑ってしまったのは、そのタイトルでした。赤毛のアン・シリーズに引っかけているんですね。(^^;

今回もデパ地下の和菓子屋さんで働くアンちゃんが、ちょっとした謎と関わることになります。それと同時に、アンちゃんは自分の将来を思い悩んでいます。でも、アンちゃんの性格の良さは前作から変わらず、安心して読める作品でした。とはいえ、アンちゃんの周りの環境にも、ちょっとした変化が生まれています。

その1つが、アンちゃんのお店の隣にオープンした洋菓子屋「K」の柏木さんです。柏木さんは、今は洋菓子屋の見習いですが、その前には和菓子屋の世界にも関わっていたことがあるようです。でも、気の弱さと意志の弱さから、何をやっても長続きせず、フラフラと頼りない感じです。そして柏木さんが原因で、アンちゃんは同じお店の立花さんと気まずい雰囲気になってしまいます。

前作同様、今作も読んでいるだけで、お腹がすいてきます。(^^; 作中の食べ物の描写が秀逸です!
物語の基本的な雰囲気は軽くて読みやすいですが、扱っているテーマは意外と重くて、ちょっと胃もたれしそうな部分もありました。贈り物に隠された悪意とか、異常なまでに娘の健康に執着する母親とかは、読んでいて辛かったです。

そして最後に気になるのは、この続編のタイトルです。やはり赤毛のアン・シリーズにならって、「アンと愛情」にして欲しいですね。(^^;
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)大栗博司さんの「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」を読み終えました。

最近マイブームの^^;、超弦理論についてわかりやすく解説してくれる本はないかと探していて、この本を見つけました。著者は現役の研究者だそうですが、とにかくその説明がとてもわかりやすいです。一部難しいところもありますが、それでもよくこれだけ噛み砕いて説明してくれたものだと感心しました。そして何より、この本からは科学に対する著者の情熱が伝わってきました。

第1章では、重力の持つ7つの不思議な解説されます。そして第2章では特殊相対性理論、第3章では一般相対性理論、第4章ではアインシュタイン理論の限界が示されます。第5章では、後に続く超弦理論の理解のために量子力学へと話が飛びます。そして第6章で、いよいよ超弦理論の登場です。しかし、その理論はまだ完全に確立されたものではなく、多くの問題点も抱えています。第7章では、ホーキングの思考実験と重力のホログラフィー理論が解説されます。この7章が一番難しくて、わかりやすい説明を読んでもそれが次々と頭からこぼれ落ちていく感じでした。(^^;
最後の第8章では、超弦理論のこれからが語られています。

この本を読んで一番感動したのは、マクロな理論である重力理論と、ミクロな理論である量子理論が、宇宙の謎に迫る過程で1つにまとまってくるところでした。無限大に大きなものが、無限小に小さなものとつながっている。その不思議さに圧倒されました。
顕微鏡で小さなものをのぞいていたら、そこに宇宙が見えて、その宇宙をのぞいたら地球があって、そこには顕微鏡をのぞいている自分の後ろ姿が見えたような気分です。
ユークリッドの窓: 平行線から超空間にいたる幾何学の物語 (ちくま学芸文庫)レナード・ムロディナウさんの「ユークリッドの窓」を読み終えました。著者は「新スター・トレック」なども手がけた脚本家さんだそうです。

この本では古代ギリシアのユークリッド幾何学から始まり、その歴史を追いながらデカルト、ガウス、アインシュタイン、ウィッテンへと続く道のりをたどります。実用的なところからスタートした幾何学ですが、それはやがて非ユークリッド幾何学へと発展して、広大な宇宙のことから、小さな素粒子の世界までつながっていきます。

最初は軽い読み物として読み始めましたが、中盤以降難しくなり、後半のひも理論やM理論になると、11次元の空間の話が出てきたりして、まさに異次元な読み心地でした。(^^;

著者の語り口は軽快ですが、その子供のアレクセイとニコライが登場する説明は、今ひとつわかりにくかったです。
それから、本文中にやたらと注があるのも思考の流れが途切れて、読みづらさを感じました。

それでも、この本を読んでいる間、とてもワクワクしました。学生時代は数学が嫌いでしたが、この本を読んで数学って楽しいなあと思いました。単に問題を解いて答えを出すだけでなく、どうしてこういう結果が導き出されるのか、そしてそういった方法が発見されるまでにはどんな歴史があったのか、そういうことに私は興味があるのだと気づかされました。
光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと 一般相対性理論とは何か (ブルーバックス)小山慶太さんの「光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと」を読み終えました。

ニュートンからアインシュタインへとつながる、物理学の歴史が語られている本でした。読み始めた最初は、著者がニュートンとアインシュタインが孤独だったからこそ偉大な業績を残したと、強引に押しつけてくるところが鼻につきました。

でも、その部分に目をつむれば、素人にもわかりやすくニュートンやアインシュタインの理論が解説されていたと思います。内容的には、先に読んだサイモン・シンさんの「宇宙創成」とだぶる部分がありましたが、個人的にはサイモン・シンさんの本の方がわかりやすかったです。

この本で特に気になったのは、第5章で様々な方程式が紹介されていたことです。それを補足するために、コラムが用意されていましたが、ますますわけがわからなくなっただけでした。(^^;
コラムという形で内容を補足するのではなく、他の入門書や解説書を紹介するなどして、より詳しい内容を知りたい人はそちらに誘導した方がいいのではないかと思いました。
ヒッグス粒子の謎(祥伝社新書290)ニュースでもよく見かけるヒッグス粒子とは何かを知りたくて、この本を手に取りました。

ニュースなどでも時折その言葉を目にするヒッグス粒子。重力に関わる何からしいことは聞いたことがあるのですが、もう少し詳しく知りたくて、この本を読みました。一般人にもわかりやすい文章で、最先端の分野では何を研究していて、どんな理論を実証しようとしているのかが、よくわかりました。そして説明の過程で、これは今わかっている、これは今はわからないと、はっきりと説明されているのもよかったです。

第1章と第2章で、ヒッグス粒子とはどんなもので、どうやってそれを調べているのかが解説されています。続く第3章では、それまでの内容を踏まえて真空は何もないわけでなく、なぜヒッグス場と呼ばれる状態になっているのかが説明されます。そして第4章では、これからの研究テーマとして超対称性理論と余剰次元理論が紹介されています。
正直、この第4章はわかったような、わからないような・・・。(^^; 超対称性とか、超弦理論とか、この分野には妙に中二心をくすぐるネーミングが多いかも。(笑)
白い仮説・黒い仮説竹内薫さんの「白い仮説 黒い仮説」を読み終えました。

この本では、白い仮説と黒い仮説という2つの視点から、身近な出来事から想像を超えるような出来事までが語られています。著者の定義する白い仮説とは、実験や証明によって検証された定説のこと。黒い仮説とは、検証されておらず限りなく嘘に近い説のことです。とはいえ白黒はっきりつけているのではなく、どれだけ白に近いか、どれだけ黒に近いかというグレー度という指標で、その信憑性を計っているところが面白かったです。

第1章と第2章では、比較的身近な話題が取り上げられています。マイナスイオンから始まり、ミネラルウォーター、酒豪と下戸、記憶とアロマ、血液型性格分類、カロリーゼロの食品、ギャンブルの成功率、視聴率、平均と中央値の違い、北極の不思議、GPS衛星の時計の誤差、原発の臨界についてです。

第3章と第4章では、SFのような話題が取り上げられています。脳をスキャンして考えを読み取る話、マンモス絶滅の原因、逆クレブス回路により無機物から有機物を作り出す話、地球の北と南が入れ替わるかもしれない話、宇宙が子供を産む話、ブラックホールの話、時間の話です。

前半では、視聴率の誤差の話が面白かったです。
テレビの視聴率は、関東では600世帯を対象に行われているそうです。その誤差をおおよそ知るには、調査数の平方根を求めればいいのだそうです。600の平方根は、およそ24。なので24世帯の差がついていれば、順位づけをしても構わないのだそうです。さらに、これをパーセントに直すと、24 ÷ 600 × 100なので、4%以上の差があればある番組が別の番組よりも視聴率がよいと言っていいのだそうです。

後半では、人間の時間と宇宙の時間の話が面白かったです。
その中でも、人間が感じられる最短の時間は、およそ 3/100秒。そして最大の時間は、およそ3秒という話が面白かったです。3秒はいくらなんでも短すぎるのではと思いましたが、およそ3秒で人間の意識はリフレッシュされているらしいです。その証拠として、ネッカーの立方体が紹介されていました。自分で試してみると、確かにある間隔で立方体の見え方が変化して驚きました。

そして最後のエピローグで語られていた、「〜といわれています」という表現には気をつけたいと思いました。
例えば、「身体によいといわれています」という言い回しです。これは、そう言われているだけであって、その結果について何ら保証しているわけではありません。こういう表現は、よく広告でも見られるので注意しようと思いました。
しないことリスト「ニートの歩き方」などで知られる、phaさんの「しないことリスト」を読み終えました。

この本では、phaさんが4つの章で、所有しないリスト、努力しないリスト、自分のせいにしないリスト、期待しないリストを紹介しています。情報機器が発展したおかげで、私たちの生活はとても便利になりました。しかし、それに伴って処理できる以上の情報が、私たちのところに届けられています。私自身そんな状態に疑問を持っていたので、phaさんの薦める「しないことリスト」には共感できるものがありました。

この本に書かれている考え方を知ったことで、少し肩の力が抜けた気がします。特に自己責任は50%、あとの50%は自分ではどうしようもない、という考え方は生きるのが楽になりそうでいいなあと思いました。

また認知のゆがみの10パターンも、参考になりました。

1.全か無かの考え・・・・・少しの失敗で、全てがダメになったと考える
2.極度の一般化・・・・・・1回よくないことがあっただけで、いつもそうだと考える。
3.心のフィルター・・・・・良い面も悪い面もあるはずなのに、悪い面しか目に入らない。
4.マイナス思考・・・・・・褒められても、「まぐれ」や「何もわかってない」とマイナスに考えてしまう。
5.論理の飛躍・・・・・・・他人の行動などを、根拠なく悪い方に関連づけて考える。
6.過大評価と過小評価・・・欠点や失敗を実際以上に大きく考え、良い点や成功を小さく考える。
7.感情的な決めつけ・・・・不安だから失敗するなど、感情で全てを決めつけてしまう。
8.〜すべき思考・・・・・・〜すべき、〜すべきでないと、原理原則で考えて自分や他人にイライラしてしまう。
9.レッテル貼り・・・・・・自分はダメ人間だ、などのレッテルを貼って決めつける。
10.誤った自己責任化・・・・何かトラブルが起きた時、全て自分が悪いと考えてしまう。

それから、本を読んだ後のメモの取り方も参考になりました。

1.重要度:なし・・・メモをとらない。読書量を確認したい場合、読んだ記録のみ読書記録に残す。
2.重要度:低い・・・面白い部分、気になった部分を読書記録に残す。
3.重要度: 中 ・・・本全体が面白く後から参照したい部分が多い場合、要点を自分だけがわかる程度にまとめる。
4.重要度:高い・・・面白くて他人にも勧めたい本の場合、要点を人が読んでも面白さがわかるようにまとめる。

ちょっと共感できなかったのは、しないために友人を増やそうという部分でした。一般には友人は多い方がいいと思われていますが、個人的な経験ではあまり友人が多いと、友人に振り回されることも多くなるように思います。
それが苦にならない人はそれでいいのですが、それをたいへんだと感じてしまう人は、あえて友人を減らす選択もあるのではないかと思いました。
「落ち込まない」「悩まない」私の方法NHKの「モタさんの“言葉”」などで知られる、斎藤茂太さんの『「落ち込まない」「悩まない」私の方法』を読み終えました。

この本には、69本の短いエッセイ形式で、斎藤茂太さんが「不機嫌にならない方法」や「好きな人から好かれる方法」、「感情のコントロール方法」、「グズにならない方法」、「人にやさしくなる方法」、「人生の大切なことを見失わない方法」などを語られています。

どの文章も、作者の温かい人柄が感じられて、この本を読んでいるだけで気持ちが落ち着きます。
落ち込みやすく、悩みやすい、私にはとても参考になりました。この本を読んだおかげで、適度にいい加減に生きることも必要だなあと、あらためて思い知りました。

本の中では、身近な困ったちゃんの例も紹介されているのですが、これはあの人みたいだなあとか、こっちはこの人みたいだと思える事例も多くて、本を読みながら思わずにやりとしてしまいました。(^^;
宇宙創成〈下〉 (新潮文庫)サイモン・シンの「宇宙創成(下)」を読み終えました。

前巻の終わりで、ようやく膨張する宇宙というモデルが登場しました。しかし、それが広く支持されるようになるまでには、さらなる論争と観測が必要でした。そしてビッグバン・モデルに対して、定常宇宙モデルという考え方が生まれました。しかし2つのモデルは、それぞれに一長一短があり、優れた科学者ですらどちらが正しいとは、すぐには結論を出すことができませんでした。

その突破口となったのは、天文学ではなく原子物理学でした。下巻ではなぜ宇宙のことを知るのに原子物理学が必要となったのか、それがわかりやすく解説されています。そして新たな観測手段として、電波天文学という方法が生まれます。
これがきっかけとなり、ビッグバン・モデルが予測したCMB放射がある偶然から発見されました。
それによって、ビッグバン・モデルと定常宇宙モデルとの論争は、一気にビッグバン・モデルへと傾くことになりました。

前巻を読んだ時も、新たな仮説が立証されるまでの紆余曲折が印象的でしたが、下巻でもそれは健在でした。新たな仮説が受け入れられるまでに、人間はいかに多くの間違いを犯して、そしてそれを正してきたのかと思うと、その重さに頭がクラクラしました。それと同時に、宇宙がどうなっているかを知りたいという強い好奇心が、ここまで人間を進化させてきたのだなあとしみじみと思いました。

宇宙がどうして始まったのか、それを知らなくても日常生活に支障はないかもしれません。でも誰もそれを知りたいと思わない世界だったら、この世界はもっと寂しい場所だったろうなあと思いました。